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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『おこぼれ姫と円卓の騎士 女神の警告』石田 リンネ 



『おこぼれ姫と円卓の騎士』シリーズ第12弾。
兄王子フリートヘルムが、南の大国ウルク帝国の砂漠で消息不明という知らせが。
兄の行方を捜しにウルク帝国に向かうレティ、しかし道中砂嵐に遭遇し、騎士たちと離れ離れに。
その後どうにか帝都に到着し、ウルク帝国の皇子に助けを求めるが、帝国の様子はどこか奇妙なもので——。


『おこぼれ姫』シリーズの新刊!わーい。
順調なペースで新刊が出てくれるので嬉しいシリーズです。いつの間にか12巻目なんですね。
登場人物紹介に騎士たちがずらずらっと並んでいて壮観で、レティの今までの頑張りが目に見える形で実感できて、良かったです。

砂漠の南の帝国、古の伝説や女神様の力が残る地。
いにしえの神秘的な雰囲気が、レティの持つ王の力やレティ自身の硬質で凛々しい雰囲気とよく合っていて、読んでいて楽しかったです。
表紙のヴェールをまとって異国の衣装に身をつつむレティが美しくて素敵です。
レティ自身が女神様のようです。
騎士王の生まれ変わりの力を持つレティは、この世界においてある意味確かに、誰よりも、女神様に近いのかもな、と思いました。

さて序盤で明らかになったのはフリートヘルム王子行方不明。
実は前巻の段階で、南に出かけたというフリートヘルム王子のこと、なんとなく心配だったんですが、やっぱりか!
勢力争いの均衡のぎりぎりあやういところで、争いの頂点にいるはずの兄妹本人たちが、円満な関係を保ち兄を救おうとシンプルに必死に協力し合う様が、やっぱりここの兄妹たちいいなあと思いました。

砂嵐のアクシデント時など、今回の巻ではレティとデュークがふたりきりで行動する機会が多くて、思えばけっこうひさしぶりな状況があれこれ美味しかったです。にぎやかな大所帯も楽しいんですけどね。
砂漠で再会したときのレティの無防備な笑顔の破壊力といったら!
でもその笑顔をそれぞれ違う意味にとって距離が縮まることは結局なかったレティとデュークがやはりもどかしすぎました。
あとやっぱり「あなたがわたくしの友達になってくれる?」発言と、とっさに勢いよく食いついてしまったデュークの場面が……きゅんきゅんしました(笑)。
確かに「お友達」は、今の時点でのレティの恋心の落ち着け処としては、ありかもしれないな、と私は思いました。
叶えられない「恋」心を持てあましてレティが誰にも相談できずに苦しんでいるよりは。少しでも気持ちが整理できて心安らかになれるのなら。
ただそこから先になんとか関係を発展させないと、結局はまた苦しいと思うので、ええと、頑張れ、デューク!
少なくともフリートヘルム王子ならば、デュークの友人としてまたレティの兄として、純粋に相談相手としてありなんじゃないかな、と今回私は思いましたがどうでしょう。立場もあるでしょうがこの兄妹なら。

そう、そのフリートヘルム王子、何気に物語のメインの流れに出てきたのははじめてだったのではないでしょうか。
レティとデューク、それぞれへの接し方がとても好もしく、人望があるのも納得の、文武人柄バランスのとれたよい王子様だなあと思いました。ジャガイモの皮むきやら笑える……。
レティのことを、フリートヘルムとデューク、どちらがよりよく理解しているか、のやりとりにもときめいてしまいました。

そしてもうひとりの今回のメインキャラ、ウルク帝国のカリム皇子。
面倒くさい性格で実は策士でラストはえええっとなりましたが、なんだかんだ、根はいいひとなんだと思います。
多分次巻では良い方向に向かってくれると取りあえず信じています。
レティとカリム皇子の面倒くささを回避しつつの頭脳を使ってのかけひきが面白かったです。ときにお兄ちゃんが台無しにしてしまうのもご愛敬。
あの虫よけのお香は何かの伏線なんでしょうか。

そしてアストリッドが今回もとてもいい味出してました。アストリッドとクレイグはこのシリーズにおいてそれぞれとても安定している。
序盤のアストリッドとクレイグ、深刻な状況下に置かれているのに会話の流れがあれこれおかしくて、本編につながったときのクレイグの発言が謎すぎて首をひねるレティがおかしかった!
アストリッドのメルディ様評価が悪気なくひどすぎて思わず何度も吹き出してしまいました。

今回のお話の中でひたひた続いていた怪異現象、まさかの正体でした。
得体の知れなさはそちら由来だったのか。そして彼らの目的が「警告」というのが、うっすらと不気味。
複雑なからくりを少しずつ解きほぐしていくレティの頭脳戦がいつもながらお見事でした。読んでいてどきどきしました。
そしてウルク帝国の闇はまだ別の部分にも深みがありそうで、レティ達一行、無事に乗り切れるといいなあ。

確かに、レティには、ふつうの「お友達」の存在もほしいよねえ。と私も思います。
アナスタシア姫は立場上なんでも打ち明けられる存在ではなくなってしまってるからな……。
アイリーチェも、今のところだと、お友達というよりは、「侍女」だしなあ。
このシリーズへの私のひそかな不満が、「レティ以外の女性キャラがやっぱり少ない!」というものなので、色々、今後に期待しています(笑)。
(デュークとの仲が発展するのならそれはそれで大歓迎ですし!笑)

友情と恋の進展に期待しつつ、次巻も楽しみです。


ここ一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ビーズログ文庫

タグ: 石田リンネ 

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