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『身代わり伯爵の結婚行進曲Ⅵ 光と歩む終幕 下』清家 未森 




婚礼直前にさらわれたミレーユを追い、味方の協力の下、立場を押して極秘裏に彼女を救いにきたリヒャルト。
海でふたりはようやく再会するも、リヒャルトは海に消えて……??
下町のパン屋の娘とその兄の親友の騎士として出会ったふたりが恋に落ちて、大公とその妃として幸せになるまでの、波瀾万丈の物語、ついに完結。

『身代わり伯爵』シリーズ、完結巻でした。
今となっては、このブログを書きはじめた初期の時代からずっと新刊を追って読み続けていた、ほぼ唯一の少女小説シリーズでした。
ミレーユとリヒャルトが大好きで、周りのみんなも大好きで、毎回新刊が楽しみで楽しみで仕方なかった。
いつか終わりがくるのはもちろんわかってはいたけれど、叶うことなら、できる限り長く、シリーズを追いかけて楽しんでいたい。何年もそう思い続けてきました。
『身代わり伯爵の誓約』以降、ふたりが一応くっついてからもさらにシリーズの世界は広がっていき、伏線がひとつ回収されまたあたらしく張られを繰り返し、長く楽しめるようになって、どれだけ私が嬉しかったか。

気づけば大長編シリーズとなっていた物語にふさわしい、堂々とした大団円でした。
確かな「光」を感じられる「終幕」で、とても良かった。
胸がいっぱいで、感想など上手くまとめられそうにありません。こみあげてくる想いのままに、書き綴るのみ。
あらかじめ、ご了承を。

と言うわけで、以下はネタばれあり感想を、追記にたたみます!


表紙のミレーユの耳の青い宝石がリヒャルトの衣装の色に映えていてそれだけでもう色々感無量。
ドレス姿のミレーユが!ようやく!(涙)

先の上巻ラストでようやく再会できたのに、海に消えたリヒャルト。
「ええええー!!!」と、私はずっと気が気でなく心配だったのですが、良かった、無事だった……。
リヒャルトを救ったのがミレーユの絵姿で、絵姿が傷ついたことを落ち込むリヒャルトと、そんな彼に色々な感情がこみ上げてきすぎてばかー!と抱きつくミレーユのふたりに、私ももう本当に良かった……!!!ようやく心からほっとしました。本当に良かった。

毛布をかぶってのミレーユとリヒャルトのラブラブがとても甘くて良かったです。フレッドの確信犯っぷりがベタだけどナイスです。
なんというか、ミレーユもリヒャルトも、無理やり離れ離れにされて、お互いあんまり辛い思いをしすぎてきていて、ふたりが負った心身の傷を癒すためにも、もうリヒャルト、どこまでいってもいいと思うよ……と、ちょっと珍しい心境で読んでいました。
はじめは下働きでもいいから!と言ってたミレーユが、やっぱり奥さんじゃなきゃいや……、と、涙まじりで主張を撤回する姿がもう健気で切なくていとおしくて、そりゃリヒャルトも我慢できないですよね。
オチも確かに、リヒャルトがあとで思ったように、やっぱりふたりらしかったですけれど(笑)。
眠るリヒャルトに愛情をこめて口づけるミレーユに、自分の知らない大人びた妹の姿を見て、ちょっと寂しいけど満ち足りているフレッドの場面が、印象的でした。

リヒャルトをはさんでのミレーユとフレッドの仲良し兄妹っぷり、久しぶりに読めて微笑ましい~好きだなあ。
この挿絵が秀逸。三人とも幸せそう!

ダラステア皇帝のこと。フランソワーズの正体つながりの展開にびっくり!

そして『花嫁修業編』からずーーっと引っ張られてきた、フィデリオさまと、リヒャルトとミレーユの、最後の決着も。
確かに、もう、「それが、彼の選んだ道ならば」。
最後のミレーユへのキスのためらいの気遣いが、遠い昔(に思える)のミレーユに心の傷を残したあの事件を、彼はあれからずっと気に病んでいたんだろうな……と急にぶわっと思いがこみ上げてきて、彼の繊細な一面に胸がふるえました。
本当に、彼にも帰りを待っていてくれる人がいて、迎えにまできてくれる人がいて、良かったです。
フィデリオさまのおかあさまも、言葉にし難い複雑な背景を持ったひとだったので、彼自身の中でようやく吹っ切れたようで、本当に良かった。
彼の将来は、きっと穏やかで幸せなものになるだろうなと、確かに実感できるのがね。良かった。
そうだ、最後の最後まで汚れ役を引き受けたフィデリオさまの覚悟も、ざくっときました。
フィデリオさまとミレーユの騎士の誓いの挿絵も絶品でした。いろんなものをそぎ落として凛とした空気が。
アリアンヌさまの想いが報われることを。願わくば。

どきどきの前半パートを経て、シアランに無事に帰ってきてからは、いよいよ、結婚式!
これまでのシリーズに登場してきた主要キャラがほぼ勢ぞろいで、期待を裏切らない充実っぷりに読んでいて楽しくて仕方なかったです。
まずは側仕えの方々。元気いっぱい個性豊かな四人娘が相変わらずで楽しいな!
ロジオンとアンジェリカの兄妹の、言葉はなくても通じ合えている再会も、良かった~。ここの兄妹本当に好きです。
つぎにミレーユのママとパパとおじいちゃんと。ジュリアさんとエドさまも仲良さげで幸せそうでなによりです。
そしてヴィルフリートさまだ!成長されまして!ミレーユとヴィルフリートさまのふたりペアも好きだったんですよねえ。嬉しい。
美人なミレーユとジュリアさん、絶妙の立ち位置で控えているロジオンとアンジェリカが素敵な挿絵。欲を言えばヴィルフリートさまもいてほしかったけれど、でも昔のままのイメージで心の中で留めおくのがよいような気もしなくもなく(笑)。

高貴な方々との語らいも。
ジークとリディエンヌさまのご夫婦は相変わらずでした。というか、本当に、まだハーレム計画あきらめてなかったんだ!(驚愕)
それよりジークのからかいに、余裕でぼそりと「押し倒しましたよ」と返して彼を絶句させてるリヒャルトの場面が!ふふんと勝ち誇っているような挿絵のリヒャルトの表情が楽しいですよ!
お次はシルフレイアさまとカイン。もてる旦那さんは大変そう……。全然負けてなくて戦う気満々のシルフレイアさまが頼もしくて大好き!
エルミアーナさまとイルくん。エルさまのおしゃべりに言葉を少しずつ添えつつ、最後にはリヒャルト相手にきちんと言うべきことを言ったイルくん、決まってました。お似合いのカップルで読んでいて微笑ましく幸せ気分でした。
セルシウスさまにアドリエンヌさま、シャロン。リゼランド王宮のあの独特の楽しい雰囲気も懐かしいですねえ。
シャロンとリディエンヌさまの再会が叶ったのも嬉しい。
キリル。フレッド、いじめすぎじゃ……。
そんな寂しいフレッドの胸の内を的確に見抜いて手紙を送ってきたセシリアさまも、またひとまわり、女性として成長してきてるようで。セシリアさまの直接お顔を見られないのは寂しいけれど、うーん、ここのカップルも幸せですねえ!
ギルフォードさまも、マージョリーさまも、アリスさまも、みんな笑顔でふたりを祝福してくれてて、胸がいっぱいです。

第五師団のみんなも!
ジャックとイゼルスの最強コンビの安心感とかけあいの面白さももうすっかり馴染んできていて。
何よりイゼルスの発言のジャックを慕うひとって、あれ、誰かどこかで出てきてましたっけ?あれ?(動揺)
というか、動揺のあまり、私まで、相手はイゼルス本人なんじゃ……と一瞬愕然としちゃったじゃないですか。
すぐに本人が冷たく否定してくれて良かった……。
気になる思い人といえば、アンジェリカとユーシスも、ですねえ。
ルドウィックとシーカさまは、確かに、あまりうまく想像できない(苦笑)。

ミレーユとリヒャルト、ふたりきりの誓いも、結婚式へと向かう道でのラブラブっぷりもリヒャルトの小さな余裕もすべてが読んでいて素敵で幸せでした!

終章。
小さなリヒトとルクスは可愛らしく、リヒャルト視点での回想も愛に満ちて幸せいっぱいで、シリーズの締めにふさわしいものでした。
子どもができてもやっぱりリヒャルトはミレーユ大好きで彼女に支えられて生きているのがうかがいしれて。ミレーユに慈しまれる息子に充足感を覚えるというのは、なんか、リヒャルトらしいですね。
大公夫妻として、子どもの親として、ミレーユとリヒャルトが上手くこなして幸せに暮らしているのがうかがえて、私までにこにこ幸せです。
『身代わり伯爵の告白』あたりだったかな、夢の中で「あたしが、あなたの家族になるから!」と叫んで、あのときもぎりぎり絶体絶命だった状況下で、自分の気持ちを自覚したミレーユの姿が、改めて思い出されました。
あれから色々あったなあ。色々あって、ふたりは本当に家族になったんだなあ。しみじみ……。

シリーズ初期の時点では、少々家庭環境が複雑とはいえ、パン屋の元気な町娘でしかなかったミレーユ。
いつも元気な笑顔で周りをぱっと明るくして、いろんなひとに慕われて、大切なひとを幸せにしてあげられるミレーユ。
恋をした相手はあまりに重いものを抱えていたけれど、彼女はめげなかった。追いかけてくらいついて、そんな彼女を彼は手放せるはずもなかった。
愛する人のためならどんな苦手なことでも根性でがんばっていたし、がんばってる姿もなんだか生き生きと楽しそうで。
シリーズ終盤時には、愛する人の隣に微笑んで対等に立っていられる、最高の貴婦人に成長していて。前々から持っていたあったかさ、素朴にあたりまえにひとを思いやれるところ、いろんな美質はまるで損なわれず。
最高に大好きな、少女小説のヒロインでした。

番外編も出るとのこと、嬉しすぎる~♪
色々気になる人盛りだくさんです。いちばんはユーシスとアンジェリカ。だって懐かしのシアラン編で、フレッド指揮下裏工作していた当時から、お似合いだと思ってたんですよ、このふたり。
なかなか障害もありそうなふたりですが、さてどうなるかしら。
セシリアさまとフレッドのふたりも、ジャック団長の恋も、気になります。

気づけば久しぶりな長文感想を書き上げていました。
ふふふ。まだまだ語ることはできちゃいますけれど、このあたりでひとまず終わりにしておきますね。
また番外編で感想語れるでしょうしね!

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カテゴリ: ビーンズ文庫

タグ: 清家未森 

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