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『左遷も悪くない 5』霧島 まるは 




左遷された軍人ウリセスと、彼が赴任先で娶った妻レーア。
レーアがついに子どもを身ごもり、ウリセスの妹ジャンナ、レーアの家族に優秀な部下も交え、ウリセスの毎日は穏やかににぎやかにすぎていく。
しかしレーアが出産間近のタイミングで、左遷の原因となった軍上層部との軋轢がからむ問題に決着をつけるため、ウリセスは家を離れざるを得なくなる。
左遷先で築いた幸せを守るために、ウリセスは戦う。

霧島まるはさんの『左遷も悪くない』シリーズ、五巻目にして完結巻。
やわらかな光につつまれ微笑むレーアと子ども、家族を見下ろすウリセスの表紙イラストから、しみじみ感慨深いものがありました。

敵地に旅立ったウリセスと臨月のレーア。
離れ離れのふたりが同じ時期に、お互いの存在を支えに心強い味方にもかこまれ、それぞれ命をかけて戦っている姿に、読んでいて胸があつくなりました。とても良かった。
まるはさんのお話は、読んでいるとあかるいお日様と大地の土の香りがして、私も日のあたるところで日常をがんばって生きていかないといけないなあ。とまっすぐに励まされている感じがするのが大好きです。
今回このお話を読んでいて、特に私は励まされて、日々を乗り切れたので、感謝の気持ちをこめて。つたなくとも感想記事を書きにやってきました。

ウリセスとエルメーテの上司と部下コンビが、お互いの長所と短所を把握しつくしてもう完全に息ぴったりでぎりぎりのピンチをきりぬけ戦っていて、読んでいてすかっととても気持ち良かったです。
泥臭くはいつくばってふんばりウリセスに尽くすエルメーテ、いつの間にこんなにウリセス大好きになってたんだろう……(笑)。彼の知略戦も相変わらずさえわたってて格好いいな。そしてウリセスの軍人としての優秀さも読んでいてずーんと響くほど見せつけられました。
ウリセスの悪友三人組が、また独特のドスのきいた存在感。皆いい味出してて好きでした。ウリセスのお兄さんも。
ウリセスのため東奔西走して助けてくれたガストーネさんの言葉にしない想いが垣間見えるやりとりにはっとしつつ。ここでもそっと言葉にしないままがよいのでしょう。
エルメーテとお兄さんの顔合わせ、エルメーテ無事に帰れてよかった……(笑)。

レーアの方では、心強い家族や親しい人々が常にそばにいて見守り助けてくれていて、にぎやかな感じ。
夫のウリセスの不在は埋められなくても、寂しさをあまり感じないにぎやかな環境がよかったです。
何よりジャンナ、成長したなあ!料理の手際の見事さに舌を巻きました。
色鮮やかではっきりした味付けが想像できるメニューの数々、ちゃんとジャンナ自身を表す料理になっていることが、読んでいるだけで分かります。揚げ物の戦いにももうひるまず勝利してるし。フリッターおいしそう。
粗忽者だけど明るく元気いっぱいのフィオレ嬢の存在も良いな。
レーアのお産の場面。こちらも命懸けだったのだと、戦いのあとのレーアの姿に思いました。

ウリセスの出発直前にウリセスのあとをそそそ、とついて回るレーアも可愛らしかったし、ついにウリセスが役目を終えて帰ってきた後の、夫婦のやりとりの場面も、心がじんわりときました。ウリセスが一巻目のとんちんかんな感じとはもうすっかり変わっていて文句のつけようがない奥さん大事な旦那さんで、彼の姿に嬉しさが。
レーアの手紙をようやく読むことができたウリセスの心情の場面も、良かったな。

本編最終話の皆勢揃いのイラスト通り、にぎやかであたたかな人の輪にかこまれたウリセスとレーア夫妻、ああよかったねえ、としみじみ幸福感にひたれるラストでした。
ピエラさんとトビア兄さんの夫婦がやはりお気に入りな私。
フィオレさんも頑張りが認められたようで何よりです。

これであとはエルメーテがジャンナにプロポーズして、ふたりくっついてめでたしめでたし……。
じゃ、なかった!
や、やられた!!ジャンナは思っていた以上に強かでたたかう娘でした。さすがアロ家の娘だったのでした。
呆然自失状態のエルメーテの姿が見られるとは……。いやはや。
確かにここからさくっと立ち直ってのエルメーテとジャンナの駆け引きは、あんなにあっさりお見合い結婚で結ばれたウリセスには、理解できないだろうな~。
愛のかたちは色々ですね。(知ったように言う)

番外編のエルメーテの日記、かなりのボリュームがあって嬉しい。
エルメーテ、頑張った!そしてこれからも頑張って!と心の中でエールをおくりつつ、頁を閉じたのでした。

まるはさんのネットプリントサービスで読ませていただいた後日談も、微笑ましく幸福感が伝わってきて、ほっこり。
ジャンナの叔母さんスキルが高くてさすがです。

Web版の方の、書籍版と少し流れが異なるというストーリー、実はまだ読んでいないので、書籍版の余韻にひたっているうちに、こちらの方も読み切っちゃおうかしら。

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カテゴリ: ファンタジー(西洋風)

タグ: 霧島まるは 

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