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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『公爵夫人は銀灯師 おしどり夫婦の愛は王宮を救…う?』白川 紺子 




国王の娘でありながら、生まれてすぐに王宮から追われたミレナ。
辺境の公爵夫妻と老齢の銀灯師に預けられ、稀代の銀灯師として成長した彼女は、やがて公爵の息子と結婚する。
十七年後、公爵夫人となったミレナの元に、王宮から使者がやってくる。
王宮は闇の宝物「夜の王冠」の魔力に蝕まれはじめており、銀灯師としてのミレナの手助けが必要だと言われ——。


白川紺子さんのコバルト文庫の方の新作。
コバルト文庫の方でも新作を出してくださってとても嬉しいです。
しかもイラストは安定の凪かすみさん。
表紙の繊細で可憐なイラストにうっとりです。光と影のバランスが素敵。ヒロインの表情とふわりと揺れる長い髪がいいね!

序盤、王宮からの使者が公爵夫妻をたずねてきて……と、ミレナの立場を思えば強く出られないびくびくした彼の視点からまずはふたりをながめる。
すみれ色に金色をちらした瞳の美少女って素敵すぎる~。そっけないミレナと食えない態度のヴィート、そのテンションのままでラブラブふたりの世界に入り込む美貌の若夫婦と立場上何も突っ込めない使者の図が、面白い。

主人公のおしどり夫婦ふたりが、タイトルの通り終始ラブラブで、ごちそうさまでした!
幼馴染から夫婦になってまださほど間もないミレナとヴィート、このふたりの関係が、とても美味しいです。
すでに長年連れ添ったみたいにお互いを理解し信頼しあっていて、ラブラブ甘々なんだけどまだどこか初々しくて。
愛する人が自分を愛してくれていることが、この上のない奇跡で幸せであると、実感していて。

クールビューティーで生真面目なミレナが、照れながらも見せる愛情が、とっても可愛らしい。
甘ーい台詞をささやきつづけミレナをひたすらに慈しむ旦那さんのヴィートも格好良くて素敵です。難しい立場にいるミレナを、そつなく完璧な立ち回りでサポートしてくれているので、そちら方面で心配しなくていいのが頼もしい!
同じ城で育った幼馴染ふたりが結婚に至るまでのちょっとしたエピソードがどれも心に残るもので、できればもっとていねいに過去編としてたどりたかったなあ!ともったいなくも思いました(笑)。

ミレナ達夫妻がゆるぎない愛で結ばれている一方、彼女が訪れた王宮の女官達の人間関係は、華やかな見かけの一方シビア。
凪かすみさんの挿絵のご令嬢たち皆さま美人なんですけどねえ……。
『花腐しの鳥籠』という章タイトルが美しい響きなのに内側からじくじくきているイメージを良くあらわしていてうなってしまいました。
リリアナ嬢の屈託のない明るさがお話をぱっと和らげてくれました。(もちろんミレナとヴィートの甘々夫婦のやりとりも!)

さて銀灯師として、周囲の協力も得て、大仕事をこなすミレナ。
「銀灯師」という幻想的な響きやその仕事ぶり、リリアナとたどった王宮の庭、各種設定がていねいに作りこまれていてロマンティックで読んでいてうっとりしてしまいました。さすが白川紺子さんワールド。
妻と違い特別な力を持っているわけではないヴィートが、妻の仕事ぶりを理解し尊敬している上で、魔法以外の部分で彼女を完璧にサポートしている姿がとてもいいなあと思えました。
ヤン先生も頼もしくミレナとヴィートのふたりへの想いにじんときましたし、イジークさんもいい仕事してくれていました。

ヴィートもたいがい曲者でしたが、結局のところいちばん食えないひとは王様だったよなあという、読後感。
彼女にあっさり去られたのにもかかわらず、強引に権力を使ってでも連れ戻しますか……。大丈夫なのかしら。
偽りの姿で出会い言葉を交わしていた時のふたりの雰囲気はけっこう好もしい感じだったので、最後には、まるくおさまる、かな?
このふたりのその後の物語がものすごく気になるんですが!
ミレナを助けて戦う彼女が私はお気に入りキャラだったので、幸せにしてくれないと、許しませんから(笑)。

甘い夫婦のささやきとたっぷりの愛情に癒されて、銀灯師その他独特の幻想的で美しい世界観にうっとりひたれる、安定の白川紺子さん少女小説ワールドを堪能できました。満足。
恋愛方面でドラマチックな展開を求めると正直物足りない話かと思いますが、こういう少女小説も良いね。
読了直後より、あとから余韻がじわじわきて、ああ、いいお話を読めたなあと。私の場合。
凪かすみさんの可愛らしくて繊細なイラストがまさにぴったりです。ミレナの美少女っぷりが素晴らしい。

書きおろしミニ小説『フラヴァ公爵家の日常』、息子とお嫁さんの取り合いをしているお母様がお茶目で可愛らしくて、なによりふたりの間で幸せそうなミレナがもう最高に可愛らしくて、幸せなお話でした。


昨日記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: コバルト文庫

タグ: 白川紺子 

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