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『青薔薇伯爵と男装の執事~発見された姫君、しかして結末は~』和泉 統子 




とある事情で青伯爵家当主におさまったアッシュ。しかし彼が伯爵家で過ごせる期間に終わりが近づいていた。
アッシュの事情を知らないアンは、今日も笑顔で男装執事業にいそしんでいて、彼女の存在はかけがえのないもので。
アッシュとアンの抱えるそれぞれの秘密、女王陛下が探し求める「青い薔薇」、すべての秘密が明らかになるとき、夢は叶う——。

『青薔薇伯爵と男装の執事』の新刊、完結巻でした。
前巻がとても私好みな素敵なお話だったので、続きを心待ちにしていました。嬉しいな!

表紙およびカラー口絵の雲屋ゆきおさんの単行本サイズのカラーイラストがそれはもう麗しくて、眼福ものです。
この表紙はなんかまあ、思い切りお話のネタバレなんじゃ……とか思わないでもなかったですが、まあ少女小説ですしね。それはそれ。ドレス姿のアンの妖精のような可憐な美しさにめろめろですので、やっぱりこのイラスト嬉しい。
青と白を基調とした上品な装丁も加え、前巻に引き続き、本編を読む前からもうすでに満足。うっとり幸せいっぱいです。

そんな本編も、すっごく面白かった!いったん波に乗ったらもうノンストップで最後まで読み切ってしまいました。
この一冊に、各方面の陰謀劇やアッシュとアン達の出生の秘密、心ときめくロマンスや貴族のおうちの複雑な家族のドラマ、友情や主従愛(老若含め)ぎゅぎゅっと詰まっていて、読み応えばっちり。
ラストはまさに!な大団円で、幸せ感いっぱい。
少女小説万歳!!!と、読み終えて思わず叫びたくなりました。いやー、良かったです。

アッシュとアンのちぐはぐな美貌主従コンビがそれはもう愛おしくて、お互いにじみ出る想いに心ときめき、それぞれが抱える秘密ゆえのすれ違いに胸がきゅっとして。
相変わらずあえて感じわるーくふるまい続けるアッシュですが(その理由、アッシュの生い立ちが辛かった……。)、その人柄の良さは屋敷の使用人たちにはもう隠しきれてなくて。
ローズベリー家のメンバー達もしっくり馴染んでひとつの家族になっていて、読んでいてとても微笑ましかった。
そしてアンの素性には何かあると思ってはいましたが、まさかこういうつながりだったとは!!思ってもみなかった。
重い事情を胸にひめつつ、お日様の明るい笑顔で使用人の仕事を心からたのしげにこなし、皆に愛されていたアンの姿を思うと、胸にじんとくるものがありました。
善意のかたまりの楽天家で苦労性でとびきり優秀で、絶世の美少女・アンがますます私好みのヒロインで、うわーアッシュもアンもふたりとも大好きだー!!(叫ぶ)
そして青い薔薇の秘密、タイトルの「発見された姫君」の正体も、二重のトラップでした。(私には。)

登場人物の人間関係やお家の関係が非常にややこしく複雑で、完璧に追うのはもう放棄して読んでいたのですが、巻末にネタバレあり人物相関図もきちんとありましたので、最終的にはきちんと理解できて良かったです。
なぜ巻末に……と思ったけれども、確かに思いきりネタバレなので本編終了後じゃないとだめですよね……。
イギリスを思わせる架空の異世界の対立し合う一族、国家の設定も、とても複雑でしたが魅力的でした。世界観が魅力的に描かれている少女小説は燃えますね!

……と、ここまで感想を書いてきてやっぱりどうしてもネタバレありで語りたい!と気持ちを押えられなくなってきたので、以降中途半端に追記にたたみますね。
適当に順不同にひたすら好き語りを繰り返しているだけですので、あしからず!


その「愛する人のためなら、人殺しも辞さないヒロイン」な場面がもう大好きだったのですが。
その設定で生まれたヒロインが、並外れてお人好しで善良で優しいアンというのがなんというかすごい……すごすぎるお話だ。
そんなアンが真剣に撃つ覚悟をするほどアッシュを大切に想っているのだという、覚悟がせまってきますよ。そこでアッシュがアンの気持ちに気づく、というからくりにもきゅんとしました。
そしてその後のアン仕様のプロポーズも、アンの性格を知り尽くしている人の悪いアッシュに笑い、かつときめきました。
あと、アンの素性をスコット氏が知らなかったのにも地味に驚きました。
アンがそもそも女装執事だったというのも、知らない人は知らないものだったのですねー。
誰が誰のことをどこまで把握しているのか、そういうところの設定もこのシリーズ複雑で、だからこそのときめきがありますね……!

青伯爵の孫娘だったアン、つまりナッシュは彼女の実の弟で。
あんなにご主人様命で忠義者だったアンが、ナッシュは若干見劣りが……と思う場面があり、今から思うと彼女のアッシュへの盲目的な忠義心のなかには、いくばくか無自覚に恋する乙女の気持ちが入ってたんじゃないかなあ、とか想像してしまってさらにときめいたのでした。

アンがオリーブに自分はアンジェリカだと告白した場面、アッシュの想いにこたえられないのは彼が実の弟だから、というのにも、えええええー!でしたけどね!身分差じゃなくてそっち!
本心を秘めるのが上手すぎるアッシュとアン、実はけっこうお互いに惚れぬいていたのだなあと、アッシュの告白の場面あたりからぶわっと表に出てきて、一気に少女小説らしいロマンスになり美味しかったです。

『大団円の結末、しかしてその後は』の語り手であったオリーブ、どんどん世話焼きの頼れるお姉さんキャラになってきて、初登場時からは考えられない大好きな女性になりました。
なんだかんだ善人であった元(?)夫・サイモンとのもだもだした関係も美味しい……アッシュに見抜かれ気遣われているふたり、美味しかったです。
アッシュとアンの型破りカップルの間に唯一入れてばしっと常識的なアドバイスができるオリーブさまが本当に格好いい。
挿絵のドレスアップ姿も素敵でした。
サイモンもアッシュを弁護する場面とかすごい格好良く色々見直しましたので、このふたり、幸せによりを戻してほしいな。

アッシュとアン、想いが通じ合って晴れて婚約者となってからの、それまでから考えられないような甘々ラブラブな空気が、もう本当に幸せでときめきがいっぱいで、何度読み返しても美味しい。ふふふ。
相変わらずのアンのお日様のような微笑みに何も言えなくなってるアッシュが本当に可愛い。
「ご主人様」呼びも、アン的には無自覚という訳ではなくて、アッシュの一族の事情も踏まえたうえでアッシュの気持ちを気遣い……相変わらず優秀で気遣いが上手なアンがやっぱり最高に大好きだなと私が惚れ直しました。
晩餐会のドレスのやり取りも、美味しいですねえ~。双子たちのドレスと薔薇、プリムローズのヴェール、すべてが素敵です。
アンの美しさはもう神がかっているようで、美少女好きな私には、彼女の容姿に関しての各描写がたまらないですね。
むくれていない優しい微笑みを口元に浮かべているアッシュの挿絵も、なんか、こう……!
準備期間が少ないのに文句をたれるオリーブに、アンが真っ赤になって自分も望んだことですから……とつぶやく場面も、なんかもう、色々書ききれませんが、ごちそうさまでした!読んでいて幸せ!!

ぽっと出のアンが王太孫妃殿下になるには、貴婦人たちの風当たりの強さが……という展開になりそうなものですが、王宮臨時従者をしていた時代に、男として貴婦人たちの心をすでに奪い尽くしていた後で、貴婦人方ももはやどうしたらよいのか分からず……状態になっているのが、なんか面白すぎますね。
からっと明るい大団円の一パーツとしてお上手だと思いました。
それにアンなら、相変わらずの人の良さと微笑みで、いずれ皆に認められていくのでしょう。むしろアッシュの態度の悪さを影に日向にカバーし支えていくのでしょう……。

スコット氏とケント白公爵夫人が良い雰囲気っぽかったのも、良かった。
アンが敬愛してやまないスコット氏があんなところから再登場してきたのも、予想外でした。
切れ者かと思えばアンが孫娘であることに気づいてなかったところとか、隙がなんか可愛らしくもありました。

プリムローズさま、辛い人生を歩んでこられた方で胸が痛みましたが、アンとその後仲良くやれているような雰囲気にほんわり和みました。旦那さんとも誤解が解けたようで。

あとがきに書かれていた使用人たちメイン?の番外編も、すごく楽しみです。読んでみたい。
ノラとカラの双子も、シドニーとベンも、本編では出番少な目でしたが、みんないい味出しているんですもの。

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カテゴリ: ファンタジー(西洋風)

タグ: 和泉統子 

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