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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『おこぼれ姫と円卓の騎士 王女の休日』石田 リンネ 




ウルク帝国から帰ってきたレティーツィアと騎士たち。
そして間もなくレティの十八歳の誕生日。彼女が騎士たちにプレゼントされたのは、お忍びのための「休日」。
「親切な青年」デュークと共に、「花屋の少年」「本場の占い師」に扮した騎士たちのもとをめぐり、王都で休暇を楽しむレティだが、予定外の出来事もあり——。


『おこぼれ姫と円卓の騎士』シリーズ第14弾。
表紙の普通のお嬢様っぽい可愛らしい格好をしたレティと、あらすじや帯のコピーから、シリアスモードをいったん離れたほのぼの休暇編かなあと思って読んでゆきました。
……確かにほのぼの休暇編だったんですよ。ラスト直前まで。
レティとデュークのロマンスにも動きがあったし。ときめきましたし!

ラストで、あんなことが、おこらなければーー!!!
あああ、でもやっぱり、そうきますよねえ。
それにしても、展開が早い!(呆然)


ひとまず順番に感想を。ネタばれ注意でお願いします~。

まずはプロローグ、夜の砂漠でワティスタース・ダイヤモンドを探すレティとデュークの雰囲気がいい感じで、きゅんときました。
「わたくしとこの夜空だったら、どちらが綺麗?」なんてまさにレティしか許されないような無茶ぶりをされて、それでも生真面目に考えるデュークの返答、そしてさらに訂正を加えるレティ、ここのあたりのやりとりが、とってもロマンティック。
宝石と瞳の色になぞらえるあたりが、このふたりらしいです。
こんなに回りくどくほぼ意味なんて通じないたとえをして、ようやく気持ちを伝えられる、レティの生真面目で不器用な乙女心がいとおしいです。
デュークはどこまで分かっているのかなあ。ふふふ。

そしてレティに贈られた騎士たちのお誕生日プレゼント、とっても粋で、思わず拍手したくなりました♪
しかも実質的にレティとデュークのデート仕立てだし。
騎士たち一人一人がレティのために心よりそれぞれの役目を演じていて、そんな彼らのもとをめぐっていくレティがまた本当に楽しそうで幸せそうで、読んでいて頬がゆるみました。
アストリッドが花売りの少年って、なんか既視感が……と思ったら、昔のビーズログ文庫のアンソロジーの、イタリアマフィアものの役どころじゃなかったでしたっけ。アストリッドにぴったりすぎて強烈に印象に残ってました(笑)。
あとアイリーチェが臨時カフェ店員していたのは、彼女とウィラードがかつて来ていたカフェですよね。葡萄のお茶とベリーのタルト!
そして「気の利くカフェのお客様」に思わず吹き出してしまいました。ノーザルツ公ってなんでこんなに可愛いんでしょう……。そのあとのすっとぼけたクレイグとのやりとりも面白かった。
シェランもウィラードもみんなナイスです。脚本書きのメルディも!
あと乗り合い馬車でデュークより先に騎士のふるまいをして喝采をあびるレティが、やっぱりレティらしくて格好いい!さすがです。
薄々二人の想いに気づいているっぽい人々の見守り視線も微笑ましかったです。クレイグさんさらっと核心つきますね……。

メルディ脚本・レティとデュークの楽しい休日は、野うさぎ商会のザイーツの参加によって、筋書から離れた展開に。
善意がめぐりめぐってちょっとしたトラブルになり、そして最終的にみんなの有能さにつき無事に解決、めでたしめでたしな流れが、楽しかったです。
かつてレティが作ったお菓子から発展したザイーツとソレスからの贈り物もまた粋でいいですねえ。
本編ではなかなか見られない、ちょっと隙があるくつろいだみんなのやりとりが、読んでいて新鮮な感じでした。

そしてレティとデュークの二人の関係にも、はっきりした動きが。
二人の「幸せな」未来に早々に結論を出してしまったレティと、実は混乱しているばかりなのにうっかりわかったふりをしてしまったデュークの温度差が、ちょっと笑えました。
王の間でのご機嫌麗しくないレティの報告を聞いての微妙な雰囲気も……。
いや、レティの理屈も分かるんですけれどねえ。本当に、自分の恋愛面に関しては不器用な考え方しかできない娘だな、レティは。そこが好きなんですけれど!
でも、なんだかこのレティの行動をきっかけに、かえってデュークの心が定まったような気がするので、今後何らかの行動に出てくれそうな気がするので、うん、これは期待できそう。
自分が我慢するのはいいけれど、愛しい人が辛いのは、見過ごせない。というデュークに、ぐっときました。
メルディの、レティの結婚についてのかなり容赦ない持論展開のあとで、それでも彼の中で、デュークは破格の重要な位置にあることが分かったのも、良かったです。

そんななんとなく甘い雰囲気の中でお話はおしまいかと思いきや。
……ゼノンがやらかしてくれました。
フリートヘルム殿下の脇の甘さをつかれてしまいました。
これでデュークが動いてくれるかという期待もいったんすべてお預け、というかそれどころじゃない、過去最悪くらいのピンチ。
本当に、ゼノンがうらめしいー!!!
しかもコルネリア様や、フリートヘルムの下の兄弟まで巻き込むなんてたちが悪い。
グイード殿下の冷静な対応が格好良かった。
ゼノンは本当に嫌な敵ですが、お弟子のメルディが、頼もしい仲間の助けも得て、最終的には師匠を乗り越えて、上手く動いてくれると信じてる。
アイリーチェも、もちろんレティも騎士たちも、皆頑張ってくれると信じてます!
シェランの占いの「犠牲」が、ちょっと気掛かりなんですけどね。

これで最終章になるということで、終わりが近づいているのかあ。寂しいな。
でも確かに、これで兄妹達の関係にも白黒つきそうですし、恋愛面も動き出しそうですし、どんな結末に至るのか、読んでいくのがますます楽しみです。


ここ何日かにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ビーズログ文庫

タグ: 石田リンネ 

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