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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『女王の化粧師』BARROCO 

この二週間くらい、どっぷりひたっていたオンライン小説の感想を書きにやってまいりました。

女王の化粧師』(BARROCO様)

数人の女王候補を立てて、誰がもっとも女王にふさわしいか選出するのが、小国デルリゲイリアのならわし。
選出に向けて貴族が駆け引きに躍起になる中、花街でひっそりと生きてきたダイの元に、一人の青年が訪れる。
それは女王候補の一人である少女・マリアージュの「化粧師」として、ダイを雇い入れたい、という前代未聞の申し出で。
玉座からもっとも遠い女王候補者であった少女と、彼女を支える化粧師の物語。

『時々山椒時々砂糖』『裏切りの帝国』等、数々の名作をこれまで楽しませていただいた千花鶏さまの、長編異世界ファンタジー小説です。
現在連載中。

『裏切りの帝国』と世界を同じくする物語で、おススメもいただいていて、ずうっと読みたい読みたい!と思っていた作品でした。
今まで読んでいなかったのは、連載中というのに多少ためらいがあったのと、サイト様にいくたびに、『裏切りの帝国』『時々山椒~』『さやけく~』等々、大好きな作品の再読をついうっかりはじめてのめりこんでしまい、なかなか新しい物語にまでたどりつけなかった、という、そんな理由が大きかった(笑)。
最近小説家になろうさんの方で転載をはじめられたのを機に、思い切って、読みはじめてみました!

やはりというべきかなんといいますか、めちゃくちゃ面白い~!!!
強くて格好良くて賢くて美人な女の人がいっぱい出てくるお話なんて好きになるにきまっているじゃありませんか。
タイトルが『女王』という時点で気づくべきでした。ああ、もっと早くに読みはじめていればよかった。

特に序幕の中盤、薄々そうじゃないかと思ってはいたダイの「正体」が明らかになるあたりから、想像以上に物語の展開が私好みになってきまして。
つくづく私、ここのサイト様の小説のロマンス描写の、色香の漂わせ方が好きすぎる……。純度の高いお砂糖をまぶしつけたかのような。がつんとくる甘さです。
(もっともこの時点では、あくまで恋愛未満の段階だったのですが。だからこその初々しさこそばゆさもまたたまらない……美味しい)
そして序幕の最後の断絶にやられました。なんで、なんでそうなるの!!(呆然)
続く一幕、二幕も、面白さは全く損なわれず、途中で読むのをやめることももはやできず、一気に最終更新分まで突っ走ってしまいました。
一週間ずっと寝不足気味でしたが後悔はしていません。

以下、微妙にネタバレ混じっているのでご注意を。
追記にたたんでおくことにします。

序幕、まずはダイのお化粧の場面の描写がすてき。惹きこまれてしまいました。
貴族のお屋敷に迎え入れられたダイが、マリアージュや他の面々と衝突を引き起こししんどい目にいっぱいあいつつも、己の技を頼みに、次第に認められて、本物の主従に、運命共同体の一員として認められていく様が、良かったです。
淡々と寡黙な職人肌の人間に見えて、わりと好き嫌いはっきりしていて言いたいことは遠慮なくぽんぽん言っちゃうダイのギャップがなんか面白い。
ダイの主人となったマリアージュ。
まりあーじゅ。名前の響きがすごくステキで、まずそこに惚れ込みました。
初登場時は癇癪もちの甘ったれたわがままお嬢様でしたが、強烈に惹きつけられる「何か」を、確かに持っている女の子。
物語が進みダイに感化され少しずつ成長してゆくにつれ、まばゆいほどに魅力を増していってくれました。
格好いい。まさに女王様キャラといいますか。どこまでもついてゆきたい!
マリア様とダイの絆、主従関係が、物語が進むごとに、ああすごく好きだなあと。マリアージュの全然素直じゃないダイへの真摯な気遣いが響きました。
そして欠かせないロマンス成分。
(たぶん、たぶん)ヒーローの当主代行の青年・ヒースとダイの、やさしくほのぼのとした絆と共に過ごす時間も、とても良かった。ときめきました。
後から思い返すと本当に宝物のような日々。
ヒースというと、バーネットの『秘密の花園』が真っ先に思い浮かぶ私。荒野を一面おおうヒースってどんなに美しい花なのかしらと、幼い私は空想をめぐらせてましたっけ。
何事にもそつなくすべてを承知顔で、誰より近くで接していたはずのダイの正体を全く見抜けていなかったヒースの抜けっぷりが、これはけっこうかわいらしかった。
あと、ダイの外見年齢と実際年齢すべて鑑みて、ヒースってロリコン……いやいやいや(笑)。そこもかわいいポイントではある。
あと、侍女のティティアンナもお気に入りキャラ。魔術師アルヴィーも大好きです格好いいなあ!
マリアージュのライバル・アリシュエルの一連の流れも、強烈に印象に残りました。彼女の恋は一途で激しく美しかったけれど、彼の親しい人から批判されるのも、もっともなんだよなあ……。
そしてあちらの物語とあんなところでつながっているとは思ってもみなくて、ちょっと叫んでしまいました。
ルディア様も格好いいお方です。

女王戦に決着がついて、めでたしめでたしの平穏な日々が訪れる……とはならないだろうなと薄々思ってはいましたが、案の定。つらい。直前のヒースとディアナの場面のひさしぶりのやさしさ、あまさがどこか刹那的なのも。
ヒースの「ディアナ」呼びは、優しくて想いが零れ落ちていて素敵だなあと思うと同時に、彼女に対して実に効果的に使うヒースがずるい!と思ってしまいます。(平和な日々がずうっと続いていくというんだったら、全然問題なかったんですけどね!←彼への憤りをおさめられない)

一幕目は、えーと、マリアージュと一緒にヒースを殴りに行きたい!と真剣にこぶしを握り締めて何度も思いました。
これ以上ダイに辛い思いをさせるんじゃないよー!!!
彼の側にも深刻な事情がありそうなのも、分かるんですけれど。ねえ。
ダイ相手にあんなにひどいことをしておきながら、最後の最後ではやっぱり優しいんだから、ずるいです。
あ、妹さんにダイのことを一切話していないようなのは、ちょっと気になりますね。気性の激しそうな妹さんだし、変な方向に転がらないといいんですけれど。(あれで誤解されたままのダイもすごいけれど……。)
あとダダンが大活躍で頼もしく格好良かったです。
ロディマス・アッセ兄弟も、優秀だけれどたとえばヒースほど世慣れていない若くて優しいところが、女王になりたて試行錯誤中のマリアージュとダイたちのチームとしてはいい意味でぴたりとはまっていて、好きだなあ。
ペルフィリア勢と対峙する場面でははらはらですが、アルヴィーやダダンたちの助力をこんな風に引き出せるだけのものが、ダイ、マリアージュには確かにあるのだと思います。マリアージュとダイは本当に運命共同体ですね。

二幕目も、強くて格好良くてしたたかな女王様キャラがどんどん増えてきて、たのしい!ときめきます!
しかしみんなそれぞれ食えませんねえ。頑張ってねマリアージュ。
無力感に打ちひしがれつつも泥臭くあがく彼女たちは読んでいて本当にいとおしいです。
ダイの化粧師としての優秀さ、人気っぷりは、相変わらずぶれなくて素敵。
ダイに色目を使うのは、ペルフィリアのあの男一人で十分、というマリアージュのつぶやきがお気に入りでした。なんだかんだふたりの想いを認めているマリア様の分かりにくい優しさがすごく好きだな!
最新話を読んでいて、もしかしてアッセは、ダイのことを憎からず思っている……のかしら、とちらりと思ったり。
誰かに密かに想いを寄せられていても全然驚きませんが、というかもうお城の何人かの心を確実に奪っている気が私はします。
あのお母様の子どもなだけはある美貌でしょうし、あのまっすぐで優しい心根に触れていたら。ね。
アルヴィナの正体と過去もますます意味深で気になるところです。
アルヴィナとダイの関係もやっぱり好きです。

サイト様にあった掌編を少しずつ読んでいって、ダイとヒースの幸せな時代のお話が思っていたよりたくさんあって、とても心癒されときめきました。
マリアージュ視点の氷菓子のお話と餌付けのお話が好き……。(そしてアッセが不憫)
だから、ふたりは今後、きちんと報われるんですよね。
それを信じて、続きを楽しみに待ちわびていようと思っています。
マリアージュの方にも、今後ロマンスはあるのかしらと、そちらもちょっと気になったり。(もしかして宰相のお兄さんかもとか?)

すみません、つい熱くなって長々語りすぎました……。

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カテゴリ: オンライン小説

タグ: BARROCO 

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