Admin   *   New entry   *   Up load   *   All archives

ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『一華後宮料理帖 第二品』三川 みり 




明来告知——新皇帝の傍らに立つ妃を選び取ることが、妃の序列を決定づける役割を持つ儀式。
和国出身の料理好きな皇女・理美と食学博士の朱西は儀式前の妃達の心を落ち着かせるよう、後宮で料理番の役割を命じられる。
それぞれ個性的で訳ありな四夫人を相手に奔走する理美。
彼女を支え導く朱西。五龍に会うという名目で理美の元を訪れる皇帝・祥飛。
そんな折、儀式で使用される大切な宝珠が、何者かによって盗まれてしまい——。


三川みりさんの中華風お料理もの少女小説、第二弾。
古代日本や中国っぽい設定がほどよくミックスされた世界観が一巻目の時点でたいへん好みだなあと思っていましたが、今回の二巻目では、各種設定が上手い具合に生かされ物語がぐっと面白くなってきていて、とても良かった。
四夫人たちの登場で女の子キャラが増えて、単純にそれだけでも華やいできて、いいですねいいですね。
後宮ものらしく、ロマンス色も増してきてときめきました。とはいえまだほんのり色づく程度なのですが。
食に関する仕事が好きで誇りを持っていてひたむきに頑張る理美と、優しく見守る朱西のキャラクターも、安定していてとても良い。そして案外いい人で朴念仁ながらに恋している皇帝陛下の株がいつの間にかけっこう上がっている……!

読み終えた後、「ああ、いい少女小説読んだなあ」と、心からにっこり笑顔になれるような。今回はそういうお話でした。

四夫人たちが、読んでいくごとに四人とも事情持ちで、自分の真の望みを見失ったままそれでも妃として生きるしかないと思うままに四人いがみあっていたのを、理美が体当たりでぶつかっていってそれぞれの心をほぐしていった流れが、とても良かった。
四夫人たち一人ひとりの背景描写がていねいで、なんか四人とも嫌えないし辛い気持ちに共感して切なくなるんですよね……。

正直なところ、理美のお夜食がどんなに美味しく美容に良いとはいえ、後宮の女性関係を改善するのはちょっと難しいんじゃ……と思いつつ読んでいたのですが、いい感じに裏切られました。理美すごいや。気持ちのいい直球ターンでした。
決め手となったお菓子がとても美しく描写が魅力的で、読んでいるだけで心が清らかに高められてゆくような心地がしました。
理美のピンチに、四夫人たちがばらばらな個性と特技を生かし合い、四人一致団結してくれるとは。
なんかすごく痛快で、読んでいて拍手喝采でした。
こんな四人それぞれの資質を無理なくすんなり引き出した理美に拍手。

理美を見守り共に仕事に励む朱西が、理美に惹かれていく自身の心を自覚し、それでも決して結ばれないと自ら戒めている姿が、ときめきつつも切なかった。
理美の方も無自覚ながらに朱西の方に心がいっているようですし、お互い穏やかでのんびりした気性も合っているし、お似合いだと思うのですが。理美の身分的にはなあ……許されないんですよねえ。
困ったことに(?)、やはり無自覚に理美に惹かれている祥飛も理美の影響でどんどんいい感じに成長してきていて、こちらの株もどんどん上がってきてるんですよ!
暴君的に恐れられているのに、理美が(悪気なく)失礼な発言をしまくっても不問に処す姿は健気でさえある。
となると周りは当然、理美と祥飛をくっつけようとするし。
うーん、この三角関係がどんな風に収束していくのか、真剣に読めないです。
今回のラスト近くで、「四夫人たち」の他に「皇后」が存在していたのだと、はっきり明記されちゃったし。
うーんうーん……私は優しく頼もしい朱西派なのですが、皇帝陛下も好きなので、困っちゃいますねえ(笑)。

あとなにげに今回事務処理に色々奔走していた伯礼の株も、かなり上がりました。お疲れ様でした!
一巻目では得体のしれないお人でしたが、今回においては、理美にとって数少ない信頼できる味方になっていてくれて、心強かった。
徳妃様との過去はまた切なくて大人の身勝手さに憤りを覚えてしまいました。

凪かすみさんの甘く可愛らしいイラストがよく合っていて楽しめました。
四夫人それぞれの魅力が上手くあらわされていて、四人そろったイラストはとっても華やかです。

これは続きがますます楽しみなお話です。


昨日記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

関連記事

カテゴリ: ビーンズ文庫

タグ: 三川みり 

この記事に対するコメント

コメントの投稿
Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://hananomi691.blog10.fc2.com/tb.php/1619-f0bbfb7c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)