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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『かくりよの宿飯五 あやかしお宿に美味い肴あります。』友麻 碧 




『かくりよの宿飯』シリーズ第五弾。
銀次と共に「天神屋」のライバル宿「折尾屋」に攫われてきた葵だが、持ち前の度胸と料理の腕でたくましく居場所を作っていた。
銀次と乱丸の行く末を心配する磯姫との邂逅を経て、「海宝の肴」作りを買って出た葵。
早速献立の考案や食事集めに奔走する葵と銀次。しかし呪われし南の地には、それを快く思わない存在がいて——。

『かくりよの宿飯』シリーズの続編です。わーい!
今回は折尾屋編・後編にあたるお話。
表紙イラストがなかなかの迫力で、書店で手に取って思わずうなりました……。
正面切って料理を提供する葵がまず格好いいし、左右に控える紅白の美形組の存在感がばしばしと……(ぎ、銀次さんか……!!)(本編読了後)

今回も分厚い文庫で、内容が濃くて、読み応えばっちり。
読み進めるにつれぐいぐい面白さが加速してゆき、ものすごく満足感のある読書のひとときでした!!
はじめはいけ好かなかった折尾屋の面々もどんどん愛着がわいてゆき、読み終えるころには乱丸以下みんな情がうつってしまい離れるのが本気で寂しかった(笑)。
一方天神屋の面々も随所にゲスト出演してきていて、特に大旦那様の活躍もちょいちょいあって、やっぱり嬉しくなったり。
葵の作るあやかし好みの料理の数々もやっぱり全部おいしそう!
お酒の肴ということで、しっかりした味付けの食べ物メインだったかな。
私は基本お酒を飲めない人間なのですが、あやかしの特別なお酒の味わい、料理との相性とかの描写も魅力的に書かれていて、私みたいなのでも十分楽しめました。


ここからはネタバレ注意でお願いします~。


まずは折尾屋の若女将のねねと葵の女子お悩み相談会&ショッピング&カフェの和スイーツに舌鼓。が良かったです!
天神屋のお涼が出張してきてまさかの華麗な大活躍。お涼、ばりばり仕事できるこだったんだな……(失礼)。
そんなお涼にねねが憧れ劣等感を抱いていたなんて。なんだかねねもお涼も一気に好感度が上がりました!
はまぐりのクラムチャウダーとひとくちおにぎりをちまちま食べてる火鼠姿のねねちゃん、すっごくかわいらしい……癒されます(笑)。チーズ入りクラムチャウダーおいしそう。
葵に打ち解けるにつれて生来の人の良さと真面目さが出てきて葵に意地悪なふるまいをしたことをちゃんとあやまるねねちゃん、街の人にも名を知られ親しまれているねねちゃん、いいこだなあ……。
ナタデココとフルーツ入りあんみつも美味しそう!乙女は和スイーツに弱いのです。
というか大旦那様がまさかこんなところでも登場するとは……ねねに真面目に心配されているのがおかしく微笑ましい。
そして口ではケンカしつつもお互いのことをちゃんと理解し大事に思っている秀吉とねねのカップルにも、ひっそりときめきました。
ココナッツオイルでヘルシーパイ生地を作るとはさすが葵の工夫が光ってます。

前巻ではちょっと出番少な目だった銀次さん、今回は葵と共同作業で料理を作っているのが基本ポジションになっていて、それがもうしっくり馴染んでいる感じなのがとても良かった。一巻目から続くこのコンビはとても安定感がある。
そして鶴の双子達もますます頼れる相棒役に!相変わらずこのふたりのゆるい感じが癖になります。
お互い得意分野が異なる料理人として信頼し合い、双子達が得意な部分は双子達にまるっと任せちゃう葵の采配が良かった。やっぱりあのいかしゅうまい美味しそうでしたもん!
ローストビーフもベーコンもお肉感がすごい。おいしそう~。
鮭と味噌とトマトの組み合わせは自分でもやってみたい。

そんな順調な滑り出しの中で、邪魔を入れてきたのが、雷獣様。
本気でいけ好かない……。葵につきつける悪意が無邪気で罪悪感などかけらもなくて、胸が悪くなりました。
たしかにあやかしは無条件で誰もかれも信頼できるものじゃないんだろうけれど。けれどさ!
結果声と味覚をなくしてしまった葵が痛々しくて、もう、辛かったです。
そんないけ好かない雷獣様でしたが、まさかの白夜様の鉄槌、あと最後の方での大旦那様の睨みで、溜飲が少し下がりました。
いい気味だ!これで済まなさそうなのも気掛かりですが。
白夜様って何気にすごいあやかしだったんだな……改めて感心しました。
和風オムライスが結局ちびと管子猫に美味しく食べてもらえてよかった。
というか、縫の院様と律子様が再登場でこれまた嬉しかったです!ラブラブおしどり夫婦に和みました。

味覚をうしなった葵を気遣うあやかし達、特に銀次さんの心遣いが読んでいて染み入りました。
特に銀次さんが葵のために作った見た目や食感も楽しめるいなり寿司は良かったなあ。なんだかシリーズ一巻目の出会いのいなりずしを思い出しました。
乱丸と銀次さんの蓬莱の玉の枝探しに料理人として同行する葵。それでこそ葵でした。
不思議な世界の不思議な冒険といった感じで楽しかったです。
食いしん坊二人組が食材を見かけてはふらふらして乱丸を苛立たせているのがおかしかった(笑)。
お弁当のローストビーフサンドイッチがおいしそう!パンも葵の手作りなんて贅沢すぎます。
ヤマメご飯もおいしそう~しかし私が一番惹かれたのはココナッツミルクで作ったココアだったりしました。南国育ちの乱丸が甘いもの大好きというのもなんだかツボにはまります。
なかなか素直になれなかった乱丸と銀次さんもだいぶ距離が縮んできて良かったな。
獣姿になったふたりが揃って可愛すぎる(笑)。

そして海坊主へのおもてなし、本番。
純粋に美味しいものを楽しんでもらいたいと葵と、それを理解し柔軟に協力する双子達(プラス、怖いもの知らずのチビ)のチームワークが抜群で、最高のおもてなしになっていて、最後はみんな一緒に美味しいものをおいしそうに食べていて楽しそうで、とても良かったです。
皆が恐れていた海坊主の真の姿と優しい心には、胸が締め付けられました。
海老のコク旨味噌マヨネーズ炒めが確かに魅力的すぎます(ごくり)。海老マヨおにぎりまで食べたいです。
あとかぼちゃの煮物の和風カレーキッシュも心惹かれます。肉豆腐もいいなあ~ココナッツアイス最中も。
海坊主とチビと葵の内にひめた孤独な心が共鳴し合っている感じなのが、何とも言えなかった。

葵の過去や海坊主のお役目など、とても大きな影の部分がお話の底の方でつながってきている感じなのが、気になる。
今回のお話で、この世界の成り立ちや謎がいくらか明らかになり、雷獣のたくらみも気になるし、大旦那様の抱える何かも気になるし、何より津場木史郎の呪いって何?意味深すぎるんですけれど。
そして葵の子供時代のあやかしの正体がついに明らかに。これは半ば予想通りで半ば予想外だったでしょうか。
乱丸が見抜いた銀次さんの気持ちにもぐっときました。そうだよねえ、なんにも思ってないにしては銀次さんは葵にあまりにも親身で絶対的な味方で甘やかしているから。本来の銀次さんはここまで誰にでも優しい博愛主義者じゃないだろうし。
しかし過去の事実が判明した今、どっちかというと大旦那様の方が恋に関しては優勢っぽいのが、皮肉というかなんというか。
私はどちらかというと大旦那様派なので応援したい気持ちでいっぱいなのですが、銀次さんも大好きなのでとても複雑。
まあ、当人の葵は、まだまだ本格的な恋には遠そうですけどね……。彼女は今のところ料理をしている時間が一番しあわせそう。
ひとまず、銀次さんと葵が天神屋に復帰するという結末を得られて、本当に良かったです。
折尾屋の面々、特に鶴の双子達とお別れなのは寂しいですけどね……。

次回は大旦那様がより活躍するようで、待ってました!とても楽しみ~♪


ここ何日かにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 友麻碧 

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