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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『浅草鬼嫁日記 あやかし夫婦は今世こそ幸せになりたい。』友麻 碧 




浅草に住む高校生、茨木真紀と天酒馨は、幼馴染にしてとある秘密を共有していた。
ふたりは前世では、平安時代に名をとどろかせたあやかし「茨木童子」と「酒呑童子」であり、夫婦であったのだ。
真紀は今世においても、渋る馨を連れまわし、ブラックバイトに苦しむ手鞠河童や老舗蕎麦屋を営む豆狸一家など、悩めるあやかしのために、元気に駆け回る——。


『かくりよの宿飯』シリーズの作者さんによる、もうひとつの和風あやかし婚姻譚。
カクヨムさんで連載されていたものの書籍化。
私はカクヨムさんで途中から連載を読んでいて、好きなお話だったので、書籍化されてすっごく嬉しい!
『かくりよの宿飯』の新刊共々楽しみに発売を待っていました。

『かくりよの宿飯』と世界観が繋がっていると分かる箇所がいくつかあって、そういうのを見つけるのも楽しい。
まったく別の物語なので、どちらか未読でも全然大丈夫なのですけどね。
個人的には『かくりよの宿飯』シリーズがお好きなら、こちらも読んでみることをお勧めしたいです。
あやかし成分もたっぷりですし、強くてたくましく頑張る女の子も出てきますし(こちらの方が色々ぶっとんでます)、何よりこちらの作品も、とにかく食べ物が!みんな!おいしそうなのです~!!

とにかく最強鬼嫁女子高生の真紀ちゃんの活躍っぷりが、読んでいて楽しすぎます。
豪快で情にあつくて浅草のあやかしたちの頼れるお姉さま!格好いい!葵にも通ずるどこか古風でおしとやかな口調が真紀ちゃんのキャラにもまたぴったりです。
そして前世の旦那様で真紀ちゃんに振り回され続けている馨君も、そっけないけれど優しくて強くてこれまた格好いいのなんの。
ふだん口では文句ばかり言いながらも、真紀ちゃんのことを本当に大事に思っていていざというときはばしっと決める馨君が、本当に好き!
この前世夫婦で現在高校生のふたりの距離感が、もう絶妙で。読んでいてときめいて仕方ないのです~。ごろごろごろ。
たまに挿入される馨君視点の語り、馨君が内心では真紀ちゃんのことすっかり妻同然に見なしていて将来のこともすでにもう考えている感じなのが、何とも言えないときめき感。
あと、ふたりの平安時代の回想、藤原の家に生まれながら不遇のお姫様だった茨姫と、酒呑童子の出会いが、私すごく好きでした。
真紀ちゃんの大輪の花の笑顔に、馨君が前世での妻の姿を重ね合わせて息をのむ場面が、あざやかで。
この平安時代の貴族社会な雰囲気がほんのりきちんと漂ってくるのが、平安時代もの大好きな私的にはまた美味しいのです。
(カクヨムで読んでいた頃の私の頭の中のイメージは、高屋奈月さんの少女漫画『幻影夢想』の水月華と比良達でした)

ふたりのやっぱり幼馴染で前世では鵺であった由理君も交えて、三人一緒に前世の記憶も抱えつつしょっちゅうあやかし関係のあれこれに巻き込まれつつも、あくまで普通の高校生として今の生活を楽しんでいる雰囲気が、とても好きだなと思いました。
おだやかで優しくてしょっちゅう口げんかするふたりをなだめるのが基本だけど、ときどき何気に黒い由理君のポジションもとてもいいですよ。
三人それぞれの今の家族への想いがきちんと本物で、心に沁みました。
馨君の不仲な両親への複雑な思い、それを分かったうえで接する真紀ちゃん、このふたりが夫婦同然にご飯の世話をし合い暮らしを営んでいる様が、好きですねえ。あくまで健全な高校生の関係を決して超えない、考えもしない真面目なあたりがいっそういい。

かくりよのチビの仲間かもしれないあざと可愛い手鞠河童の集団や、商売上手のお蕎麦屋の豆狸父子、男運の悪い雨女の明美ちゃん、若干胡散臭い薬屋スイさんに盲目的に茨姫を慕うミカ、あと苦労性の大和組長にぬらりひょんの食えないおじいさん、魅力的なあやかし(一部人間)キャラがたくさん登場してきて、にぎやかでとても楽しかった。
みんなの姐さん的存在として頼られ愛されている真紀ちゃんのポジションがとてもいいよ!(彼女のあらっぽい活躍の後片付けに追われる馨くんや組長たちは不憫ですが……。)
現代版アレンジされた百鬼夜行というイベントも楽しかったです。

陰陽局の不敵な若者として登場した津場木茜氏の存在が、とても気になる。
彼は葵の親戚かなにかですよねきっと。名前も若干似ている感じが。
津場木家ってそういうお家なの?葵の不遇な生い立ちもそこに由来しているのかな?まさか史郎さんの人でなしな活躍っぷりがこのシリーズにまでかかわってきたりして……色々想像を膨らませてみる。
そういえば大旦那様もちらっと登場してきましたね。存在感ばりばり。

焼き芋ようかんや、鴨せいろ蕎麦や江戸前天丼、浅草グルメが美味しそうで美味しそうで、私もあまじょっぱいたれがからんださくさく大あなごの天ぷらを食べたくて仕方がありません。
しかし一番私が心惹かれたのは、真紀ちゃん自家製・たまごやハムもたっぷりはいったごろごろ具だくさん正統派ポテトサラダでした。馨君のアルバイトと真紀ちゃんの手料理で成り立っているふたりの食卓の場面があたたかくてとても好き。

けがをした馨君が真紀ちゃんに最後の最後に語ったストレートな想いにきゅんときて、平穏な日常がひとまず戻ってきて……なところで、若干不穏な影が。のラストでした。
続きが気になる~!どうやら続きがちゃんと読めるようなので嬉しいなあ。


ここ何日かにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 友麻碧 

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