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『身代わり伯爵と終幕の続き』清家 未森 




『身代わり伯爵』シリーズ完結後の短編集。
大公夫婦の第三子誕生の一幕の表題作の他、シアランの変人女官たちと若手騎士たちの集団見合い話、第五師団長ジャックのようやくの(笑)ロマンス話、そしてリヒャルトとフレッドの出会い話も収録、充実の一冊。


待望の『身代わり伯爵』シリーズの短編集!!
待ってました、いつか読めると信じていました。本当の本当にうれしいです。
それにしても、シリーズ完結巻の自分の感想を今読み返してみたのですが、発売が2015年秋だったとは。ちょっと愕然。
時が経つのは早いものです……。
今回の短編集の最後の『終幕の続き』を読んでいると、完結巻のその直前のエピソードを読んでいたのがほんとうにもうつい昨日のことだったような気さえして、自分がどんなにこのシリーズに心かたむけミレーユとリヒャルトのふたりとその周囲の皆を愛しているのか、しみじみ実感してしまいました。

今回の短編集は主に「シアラン編」とのこと。リヒャルトとフレッドの出会い編以外、舞台はシアランがメイン。
時間軸はミレーユとリヒャルトが結婚してから、もしくはその直前あたりがメイン。
ずっと気になっていたあのひとやあのひとのエピソードが読めてたいへん満足。
私のひそかなお気に入りキャラ・アンジェリカの出番が多めでほくほくしました(笑)。
なによりどのお話を読んでいても、ミレーユとリヒャルトが仲睦まじく幸せそうで、周囲の人々もドタバタ走り回りつつも平和で幸せそうで、読んでいる私も自然とニコニコ幸せになってくる。最高に素敵な短編集でした。
表紙の皆の勢ぞろいイラストを、最後まで読んだ後に改めて眺めていると、また感慨深いものがあります。


ではでは各話ネタばれ込みの感想を~。


『身代わり伯爵と深い森の追憶』
国を追われてアルテマリスにやってきたばかりの少年時代のリヒャルト、そしてリヒャルトとフレッドの出会い、ふたりが親友同士という関係に至るまでのエピソード。
そういえばこの時期のリヒャルト、フレッドたちのお話ってこれまで読んだことがなかったですね。気が付かなかった。
つんつん刺々しい雰囲気をまとっているリヒャルトが新鮮でした。しかしこの年齢でこんなにシビアな境遇に置かれては無理もない……。読んでいて痛々しくなりました。
リヒャルトの過去の通り名(?)「ブリギッタの野獣」でしたっけ、あの由来にようやく納得。壮絶……。
我が道を行く天真爛漫なフレッドは相変わらずで、でもそんなフレッドも複雑な境遇で生きてきていて、そんなフレッドとリヒャルトが、出会ってここで友情を結ぶことができて、良かったな。としみじみ思いました。
でなければリヒャルトとミレーユの出会いもありえなかったわけで。
あとエド様のリヒャルトへの真面目な心遣いが読んでいてしみいりました。
ジュリア様と子どもたちへの愛が行き過ぎてて変な方向に行っちゃう以外は、エド様って立場も宮廷の常識もすごくわきまえていて身分にふさわしい教養も備わっていて、その上で人に対して優しくあれる、素敵な王弟殿下だったのだなあ。と改めて実感しました。
ひょうひょうとしたおじいちゃんラドフォード卿も懐かしい。
時間が現在に戻り、神官長に大人げなくやきもちやいてるリヒャルトがおかしくてみんなが幸せでほっこりしました。

『身代わり伯爵と兄妹喧嘩』
ルドウィックとロジオンとアンジェリカ、「若君第一!」の忠誠心と有能さ以外は性格も特技も趣味もてんでばらばらソラリーヤ三兄妹、なんかこのバラバラ加減がいつも面白すぎて大好きです(笑)。
正直ミレーユを軽んじているルドウィックは読んでいて若干いらっときますが、そんな発言があるたび、アンジェリカが口で負けじと兄の弱点をぐさぐさついていくし、ロジオンもなんか物理的に怖いし(笑)、ミレーユ大好きな下のふたりがすかさず戦ってくれるので、嬉しいことです。
確かにこの三兄妹が、まだ生まれてもいないお世継ぎの世話役をめぐって延々とケンカしている光景が、まさにシアランの平和の象徴ですよねえ。読んでいて和みました。

『身代わり伯爵ともうひとつの手記』
ロジオン……もう何も言うまい。日誌を読み動揺しまくっているリヒャルトがまたおかしかった。
それにしてもロジオンとアンジェリカの「連絡日誌」をリヒャルトが日々確認しているとは、なんか本当にこの人たち色々面白いな。うん。(いや、ちゃんとした理由があることも分かりますけれど。)

『令嬢たちのお見合い大作戦』
ドタバタコメディ。
ミレーユの友人兼女官見習い娘達の個性的、風変わりな部分がそれはもういかんなく発揮されていて、みんな生き生きキラキラしてましたよ!(笑)
そして確かにアレックス達が言っていた通り、彼女たちの個性を良いと言ってくれる人と結ばれるのが、やっぱりいちばんだよな~。うんうん。そういう風に彼女たちを評価してくれている騎士たちもちゃんといるのだという事実も、やはり嬉しかった。
ラウール先輩とオルテンシア嬢とか、たしかにちょっとお似合いな気がする……。どうでしょう。
そしてルドウィックとシーカ様のあれこれは、なかなか読み応えありました。確かにこの二人、そういう理屈を当てはめてみると、かなりお似合いだな。ルドウィックの良いところって確かに妻が家庭に大人しくこもってなくても絶対文句言わないところだよな、納得。最終的にはうまくまとまったようで良かったよかった。
それにしてもロジオンとアンジェリカの兄妹はいつかちゃんと結婚相手を見つけられるのかしら……。
私的にはアンジェリカのお相手は、今シアランにいるひとではないと思っているので(笑)、ああーすごく気掛かり。

『身代わり伯爵と忘れじの恋の約束』
ついに来ました、ジャック団長の甘酸っぱい恋のエピソード(笑)。
完結巻のイゼルスの爆弾発言に思いっきり動揺させられたものですが(汗)、こういう事情だったのですね。許嫁に逃げられたというのも、こういうことか。これは確かに本人たちのせいではないよな……。
ルナリアの健気で一途な恋心に涙が出てきました。仕方がないとは思うものの気づかないジャックがもどかしすぎました!!
今回もイゼルスがどこまでもいい仕事をしている。イゼルス自身にいつかいいお相手は現れるのか……。未だにイゼルスにお似合いのお相手の女性を少しも上手く想像できない。
そしてラストの大公夫妻の会話がとても幸せで和みました。二人すっかり夫婦の距離感。

『身代わり伯爵と終幕の続き』
表題作、完結巻の最終章の続きのエピソード。
扉絵のミレーユの明るくつつみこむような笑顔がすっかり母親のものになっていて、子どもたちもお母さん大好きー!!なのがよく伝わってきて、すごくすごくステキ。
リヒトとルクスとリヒャルトの微笑ましい会話に和み、その後のミレーユとリヒャルトのやりとりがとてもこの二人らしくて、やはりほっこり心が温かくなりました。
ミレーユのことを心配しすぎなリヒャルトと、そんなリヒャルトのことをちゃんとわかっていて彼のことを気遣うミレーユの二人の姿に、なんてお似合いの夫婦なんだろう、と上手く言えないのですがもうたまらない気持ちになりました。
リヒャルトには、もう絶対に、ミレーユがいないと、駄目ですね。ミレーユの明るい笑顔と持ち前の元気さ、優しさ、包容力が、普段どんなに大公リヒャルトを支えているのか、こんなみじかいエピソードひとつでとてもよく伝わってきます。
この巻の最初の少年時代のリヒャルトの孤独と絶望、暗い気持ちを思うと、なおさら今の幸せに、こみあげてくるものがあります。
リヒャルトの唐突な愛の告白にもときめきました(笑)。相変わらず人前でも自重していないみたいですね。

とてもとても満足な短編集でした。
シアラン編ということで、もし叶うのならば、次はアルテマリス編の短編集も、読みたいな。切実に。
フレッドとセシリア様の件がまずあるし、アンジェリカのこともあるし、ヴィルフリート様のことも気になるし。えーと、あとは誰だ。ロジオンの結婚もできれば見届けたい(笑)。


ここ二三日にそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ビーンズ文庫

タグ: 清家未森 

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