Admin   *   New entry   *   Up load   *   All archives

ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『わが家は祇園の拝み屋さん5 桜月夜と梅花の夢』望月 麻衣 




突然自分の特殊な力を失ってしまった小春。
その喪失感に加え、想いを寄せていた澪人との関係もぎくしゃくしてしまい、落ち込む日々。
そんな中、モデルとして活躍する澪人の姉・杏奈のスキャンダル報道が流れる。
小春たちは事実無根の内容に憤るが、世間の風当たりは強くて——。


『京都寺町三条のホームズ』シリーズの作者さんのもう一つの京都ものシリーズ『わが家は祇園の拝み屋さん』シリーズ、最新巻。
ホームズさんシリーズとはまたテイストが違って、女の子らしいはんなり和風ファンタジー小説、こちらも大好き~!!
なんだかもう、表紙イラストがまず美しく可愛らしくて世界観ぴったりで、眺めているだけでうっとり幸せに浸れます。
『桜月夜と梅花の夢』というサブタイトルと相まって、春らしく淡いピンクで桜の花も美しく、小春が着ている服のレースも和菓子もコウメちゃんも、とにかくみんな可愛らしい!大好き!(語彙力が足りない)

このシリーズ、平安時代ものネタ&前世ネタなどもがっつりストーリーに加わってきて、個人的にますます美味しくなってきています(笑)。
過去と現代、それぞれのロマンスが複雑に絡まり合ってきていて、しっとり切なくて、同時にときめいて仕方がないです。
京言葉はみやびで読みやすく優しい文章もいいし、和菓子も相変わらずおいしそう。

前巻のラストで一気に突き落とされて、どうなることかと心配していたのですが。
二重に落ち込みつつも、きちんと自分の気持ちに折り合いをつけて、しゃんと生活している小春ちゃんは、強いなあ。しみじみ感心してしまいました。
吉乃さんと宗次朗さんのさりげない見守りの態度があたたかくて本当に素敵。じんわりきました。

杏奈さんのスキャンダル騒動、一旦あんなに喜んだのにまた叩き落されて辛かったけれど、こちらもまた、彼女の身内の人々の見守る態度があたたかくて、それぞれが適切な距離感で手助けし助言をしていて、素敵だなと。
杏奈さん家の三姉弟のきょうだい関係がなんだか好きだなと思いました。お母さまも出てきて、彼女にも事情がありそうですね。
宗次朗さんの懐深さにしびれました。そして最終的に彼女を追っかけていった宗次朗さんの本心を思うとときめきますね!このふたりは一体どういう風に落ち着くのかなあ。
杏奈さんはあの表裏のギャップが、危うい一方、とても魅力的なひとだなと思います。今回一皮むけたようで、これから強かにいい女に頑張ってほしいなと思いました。

はてさて、前巻から謎だった澪人の胸の内、左近衛大将視点での過去語りもあり、少しは見えてきたかな。
玉椿姫の想いの結末も切なかったけれど、愛する姫を知らず不幸にしてしまったと悔やむ左近衛大将の恋も本当に切ない……胸がぎゅっと痛みました。
若宮の過去のあの発言の真意も語られ、ああ、彼は人ではない「神様」なんだなあ。と。
若宮君が悪いわけではないんだけれど、でも、玉椿も左近衛大将も報われないなあ……。思いを持てあます。
それにしても分からないのが澪人と和人の前世&現世の関係。頭の中にはてなマークがいっぱい(笑)。
和人と小春がやりとりしていたのを誤解した澪人が、小春にあんなに強い勢いであたったのは、どういうことなんだろう。
(ちなみにあのやりとりの後できちんと謝罪する澪人とそれを受け止める小春のふたりが、なんというかきっちり誠実に相手と自分自身の心に向き合っていて、とても好きだなと思いました……そういう意味でもこのふたり、お似合いだと思うんですよねえ。)
前世からつながっている皆の想いが複雑に絡まり合っていてすぐにはほぐれなさそうな感じが、なんか、辛いですね。

小春の力はやっぱり封印でしたか……。
三善君側の事情も分かってみるとこちらも辛い。でも和解できたようでちょっとほっとしました。
力を失っていた小春が、コウメちゃんからの伝言を受け取る場面が、この巻の中で一番お気に入りだったかも。小春ちゃんをひたむきに慕い見守るコウメちゃんのいじましさに心が洗われる思いでした。
安倍さんの不器用なほどのきっちり誠実なたたずまいも、好感が持てる。
あと小春に愛衣ちゃんという親友がいて、本当に良かったな!と色々な場面で実感しました。
占星術のレクチャーは興味深かったです。私もちょっと本読んでみようかな。

ラストあたりの小春と澪人のやりとりは独特の緊張感とときめきが。どきどきしました。
ふたりのぎこちなさがこの巻でだいぶ修復されてきて心の距離もまた縮んだようで良かったです。
なんとか上手くいくとよいのですけれど。
あと若宮君の発言の意味も気がかり。今度は何が起こるんだろう。

ところでこの最新刊を読んでいたのが、実は、京都への日帰りお出かけの高速バスの中。だったりしたのでした。
先月末、かねてから実行したくて仕方がなかった『京都寺町三条のホームズ』シリーズゆかりの場所めぐり、ついに行ってきたのです!!
当初はこの記事のあとにくっつけようとしていたのですが、見辛いので、やっぱり記事をわけることにしました。

なんというか、この『拝み屋さん』シリーズはやっぱり祇園の町の雰囲気で、『寺町三条』シリーズの雰囲気は、寺町三条のアーケード通りだなあ。と実際に行ってみて感じました。
本で読んでいたのみの世界に実際に行ってみると、物語が自分の中ではっきりと「生きる」感じがして、なんか、楽しいものですね。

関連記事

カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 望月麻衣 

この記事に対するコメント

コメントの投稿
Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://hananomi691.blog10.fc2.com/tb.php/1674-49dad3a6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)