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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

私の好きな美味しい物語11 蒼生子ちゃんのとんかつ(『きっと夢になる〜お江戸夢紀行~』倉本由布) 

超不定期連載、美味しい物語シリーズ。
今回は主に高校時代にどっぷりはまっていた、コバルト文庫シリーズより。

倉本由布さん『きっと』シリーズ。
女子高生濃子ちゃんが戦国時代にタイムスリップして若き日の織田信長に出会い……からはじまる、ヒロイン三代に渡る、長編日本史タイムスリップものラブロマンス。
主軸は安土桃山時代ですが、娘のいわゆる「時のハーフ」蒼生子(たみこ)ちゃん編では、大和時代から江戸時代まで、幅広く「たいむすりっぷ」しています。
ちょうど昨日の六月十日が時の記念日だったようですし、ちょうどいいタイミング。(後付け)

倉本さんの日本史ものコバルト少女小説はとにかくたくさんたくさん!!あって、好きな作品もいくつもあります。
そのなかでもこの『きっと』シリーズは冊数も世界観も段違いで読み応えたっぷりで、高校時代の私はもう、はまりにはまりました。
私はちょうど娘の蒼生子ちゃん編から読みだしたのもあり、いまでも蒼生子ちゃん&信澄くんカップルがいちばん好き。
もう信澄くんの生真面目でストイックで格好よくて蒼生子ちゃんひとすじなところがたまらないです。信長もものすごい人を惹くオーラの持ち主ですが、やっぱり私は信澄くん派(笑)。
たいへん惜しむらくは、蒼生子ちゃん編に区切りがつかぬまま次世代編がスタートし、その後数巻でシリーズがストップしてしまったこと……。
なんだかお話を読んでいて仕方なかったんだろうなと思いはしたのですが、できれば私は、蒼生子ちゃん編の続きをきちんと最後まで追いかけたかったな。
でもそんなあれこれを差し引いてなお、今でも私はやっぱりこのシリーズが大好きです。愛してます。


例によって前置きが長くなりましたが(笑)、そんな倉本さん作品もまた、美味しそうな食べ物がぽつぽつ登場する少女小説だな、と私は昔から思っていました。
(あくまでさりげなく、ぽつぽつですが。現代日本が舞台になるとわりと出てくる比率が高いような)
倉本さんご本人のサイトでも、ごはんやスイーツのカテゴリがあった気がする。美味しいものがお好きな方というイメージです。

なかでも私が印象的だったのは、蒼生子ちゃんと信澄くんが江戸時代にタイムスリップする『きっと夢になる~お江戸夢紀行~』。
八百屋お七のエピソードをモチーフにした巻。





江戸時代にタイムスリップしてきたあとで、現代日本に帰ってきた蒼生子ちゃんが食べていたメニューが、とんカツ。
とんカツなんて江戸時代じゃ食べられなかったものね、という蒼生子ちゃんに、確かに!と高校生の私は膝を打ちました。
ひとくちごとに幸せをかみしめている蒼生子ちゃんの気持ちがすごくよく伝わってきて、彼女が現代の自分のおうちに帰ってきた安心感も、とんかつのボリューム感からしみじみ伝わってきて、なんというか、私はこのラストシーンが現在に至るまでとてもとても好きです。
現代日本の家庭の味の象徴として、とってもいい役割してますよね~。さすが倉本さん、お上手です。
(ちなみにとんカツを揚げたのは蒼生子ちゃん本人。女子高生にして一家の主婦役で父と弟三人家族の食をまかなっている蒼生子ちゃんは本当に偉いなあと、そういう意味でもより印象に残っていました。
蒼生子ちゃんがタイムスリップで不在の間はあまり美味しいものは食べられず、帰宅した彼女の手料理を心から嬉しそうにほおばっているおとうさんと大地くんの姿もいいよね。)

蒼生子ちゃんは読んでいくだに美味しいもの好きの女子高生で、あと印象に残っているのは蒼生子ちゃん編一巻目『きっと君のそばにいる』で「母親のことを思い浮かべろ」と突然言われた彼女が真っ先に挙げるのが、お母さんが作ってくれたプリンやシュークリームやチーズたっぷりのピザが美味しかったなあ……と、食べ物ばっかりだったところ(笑)。
和みました。蒼生子ちゃんは確実に私の同類(笑)。


私は蒼生子ちゃん編初期の、こんな感じで色々な時代に気軽にタイムスリップしているいくつかの巻が、いちばん好きだな~。
倉本由布さんの日本史ものアレンジの手腕が程よく少女小説でロマンティックで色々空想かきたてられるのがとても楽しい。
この巻の八百屋お七も、どろどろはしているけれどマイルドで、蒼生子ちゃんとちょっとミーハーなちゃっかり娘のお七ちゃんの友情が楽しかったり。
お話自体で言うならば平安時代編の『きっと待っている』がお気に入り。
紫式部と清少納言のエピソードの倉本さん風アレンジが私すごく好きで、こういう風だったら本当に楽しいよね、と日本史や古典の授業なんかで妄想を勝手にくりひろげていたものです。懐かしい。

シリーズ一作目『きっとめぐり逢える』




大長編で、シリーズ完結していない上に現在ではほぼ入手困難という、人にはたいへんお勧めしにくい作品ではあるのですが、この美味しい物語シリーズとしては、ぜひとも語っておきたかったのでした。


この一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪


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カテゴリ: 私の好きな美味しい物語

タグ: 倉本由布 

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