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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『おこぼれ姫と円卓の騎士 新王の婚姻』石田 リンネ 




『おこぼれ姫と円卓の騎士』シリーズ最終巻。
フリートヘルムをかつぎあげて軍師ゼノンが引き起こしたクーデターへの反撃の準備は整った。
争いが続けば必ず犠牲が出ることを心に刻み、レティは己の王の専属騎士達と王都奪還を目指す。
しかしやはりゼノンのやり口は巧妙で——。


『おこぼれ姫と円卓の騎士』シリーズ、とうとう完結巻!
今となっては何年も続きを追いかけているほとんど唯一の少女小説シリーズ。なんだかちょっと寂しいな。
……なんて、そんな気分を吹き飛ばすような、最初から最後まで読み応え抜群の、とってもいい最終巻でした!!
あとがきの作者様のことばを借りるならば、このシリーズを今まで読んできて、良かった。本当に良かったです。

美しく潔いレティひとりの表紙イラストも、読み終えて、納得。
『新王の婚姻』というサブタイトルも、納得。
これ以上ないほどすべてがおさまるべきところにおちついたラストで、何より気になっていたレティとデュークの関係のことも読めて大満足で、すでに何度も読み返してはきゃーきゃーときめいて転がっています(笑)。


以下でネタばれ感想をちょっと語ってみる。


レティの残りの騎士は、そうであってほしいという、予想通りで、ああ、本当に良かった。
フリートヘルム殿下が、途中でレティのためにゼノンを裏切り、レティのために反逆者への道を自ら進んでいく姿が、なんというか、胸に来ました。クーデターが起きてから私の中でフリートヘルム殿下の株は正直かなり落ちていましたが、くー、それでもやっぱりお兄ちゃんはお兄ちゃんだった。良かった。
グイード殿下とレティの決着もこちらはとても静かで淡々としていましたが、良かったです。
エピローグのエピローグ、フリートヘルムとグイードのふたりの酒盛りの場面で、幼いころの「夢物語」が叶ったんだなあというのに、じわじわとこみあげてくるものがありました。(そしてちっちゃな三人で眠るイラストが可愛すぎる)
もともとこのシリーズの、表面では仲悪そうにいがみあってるように見えるけれど、実際にはちゃんと仲の良いお互い理解し支え合っている兄弟関係が、そういえば私はとても好きだったなと、思い出しました。
それがここにきてようやく戻ってきたんだな、兄弟ようやく争わずにいられるようになったんだなあ。と思うと、ものすごくほっとしたし、良かったです。
考えてみればグイードの宰相もフリートヘルムの外交官もはまりすぎです、確かに(笑)。
特にフリートヘルムとレティの決着をつける場面はもう胸が痛くなったけれど、それでもレティのやり方は上手でした。

でも残り三人のうちひとりがオスカーになるとはちょっと予想していなかった。
レティのこれまでの努力の積み重ねがまたひとつ活きましたねえ。テレジアさんも再登場で元気そうで良かったです!

レティの騎士はみんなみんな大活躍していましたが、なかでも笑ってしまったのはクレイグさんの「戦友」でした。
あの荒業作戦とそれにこたえてちゃんと脱出できた三人、すごすぎる……さすがレティの騎士達なだけあります。
クレイグさんの年の功には永遠に叶う気がしないと思ってしまいました。
シェランもレオンハルトも派手ではなくてもそれぞれよい見せ場があり格好良かったです!
第一席にふさわしくそつなく難しい任務をひとりでこなしソレスに文句を言われているデュークもやっぱり最高に格好いい~。

今回のこの反撃の戦い、レティの戦いであると同時に、メルディとゼノンの因縁の戦い、でもありました。
ゼノンの頭脳に必死に反撃作戦をはりめぐらせていたメルディが、最終的にはゼノンよりふっとワンステップ高みに乗り越えていった瞬間が、良かった。
ゼノンはもう最後までえげつなくてどうしようもないなこのひと……と思っていましたが、彼の最後は、ある意味彼にふさわしかったと思います。まあ歴史に名を残したいなんて、そんな上手くいかないですよ。こんなものだ。

失恋王ルートガーがレティに語った隻腕王オズヴァルトのエピソードがかなり印象的で、良かったです。
今回は王の会議の間もちらりちらりと出てきて楽しかったです。
王になってからは一度もこの会議の間に来ていないなんて、レティは本当に大した女王様ですよ……。

あとレティとデュークのふたりの関係も、今回とても良かった!!まだごろごろもだえています(笑)。
アイリーチェのレティへの忠告「男は、どんなに紳士的に見えても、自分に脈ありだと判断したら途端に手が早いです」とその後の場面の「嬉しい接触事故」には笑いました。
アストリッドとの扱いに差がないのを地味にごねているデュークとレティの捨て身のキスも、可愛い。
しれっとした顔でぐいぐい押していくデュークとあわあわしているレティのふたりにときめいてときめいて仕方がなかった!

レティの結婚相手が「ソルヴェール国」だというのは、想定外でした。そうくるか!
そんなレティを、デュークが「片手間の恋愛しかできない同士」と口説き落としてゆく場面が、なんだかとても好きです。ふたりの真摯な想いと誠実さが伝わってきます。自分の想いをぽつりときちんと言葉にしたレティも良かったです。
あんなに嫌がっていた「愛人王」の諡はもう不可抗力だったのだ、ととうとう諦めたレティも、うんうん、幸せになるんだよ。
愛人王といってもね、生真面目な仕事人間な二人なので、凛とかっこいいイメージは損なわれていないのが、いいんですよ。表裏どちらも清廉潔白な女王様レティには、むしろほどよい人間味というか親しみやすさという面でプラスになっているんじゃないかと。
(でもウィラードの「君はろくでもない男だね」(267頁)にも、こっそり賛成します。笑。デュークは真面目で堅物な顔していてこういうところは策士でもあるのが、ときめくし、安心します。恋愛に奥手すぎるレティの相手はこれぐらいはできないとつとまらないですよねきっと)

カラーピンナップの皆勢揃いのイラストが途中に挟まっているのも粋なつくりですね!美しい!堪能させていただきました。

「エピローグのその後で」で、コルネリアやオスカーのエピソードがそれぞれ補完されていたのも良かったな。
アストリッドも「複雑」という気持ちを覚えたか。切ないですよね。
面白い性格しているシスコンの変人学者のレオンハルト殿下が戻ってきたのもなんだかほっとしました(笑)。
締めはレティとデュークの夜のエピソード。
……きゃー、最後の最後で糖分が増量された!!デュークの言動に振り回されあせりまくっているレティが可愛すぎて、ああもう、ごちそうさまでした!!としか。
イラストもときめきます。レティの長い髪が広がっているのがほんのり艶めかしい。
デュークとアイリーチェの会話を想像するとまたにまにま楽しい。

誇り高く優しく賢く、努力を常に怠らず必死に戦ってきた女王様レティが、最後まで大好きでした。どこまでもついていきますよ!
巻が進むごとに増えていく騎士達もみんな愛着がわいて格好良くて頼りがいがあって大好きでした。
じれじれの恋愛模様も本当に微糖でしたが(特に初期は)、堪能させていただきました。とても私好みのロマンスの匂わせ方でした。
これにて完結ですが、本編では語られなかったキャラの色んなエピソードの番外編とかでないのかなあ。出ると嬉しいんですけれど(笑)。
まあ、しばらくは、本編完結の余韻に浸っていたいと思います。

あと石田リンネさんの同時発売の新作にはいっていた交換小話も読みました!
シャルロッテ姫とデュークのお話。さすが恋愛に関してはレティよりはるかに上級者。あなどれない……。そしてノーザルツ公とクレイグの会話も笑える。

昨日それぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ビーズログ文庫

タグ: 石田リンネ 

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