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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『京都寺町三条のホームズ8 見習い鑑定士の奮闘』望月 麻衣 




高校を卒業して無事に京都府立大に合格した葵。
清貴も京大大学院を修了し、ようやく二人の仲も縮まるかも、という矢先、なんと清貴はオーナーの意向で、社会勉強のために京都の街の外に修行に出る生活になってしまう。
最初の修行先は、八幡市にある松花堂美術館。
親友の香織と一緒にこっそり清貴の様子を見に出かけた葵だったが、そこで思わぬ事件が待ち受けていて——。


待望の『京都寺町三条のホームズ』シリーズの新刊!!わーい、嬉しすぎる~!!
刊行ペースが安定してお早いのでファンとしてはとてもありがたく幸せです。
そして今回からは、葵ちゃん大学生&清貴君社会人編スタートです!
まずは表紙イラストの大人っぽくきれいになった葵ちゃんに撃沈……上手く帯で隠れていますが、シックなスカートからのぞくおみ足が美しいです(笑)。
(けして短いわけではなく上品でつつましいスカート丈と葵ちゃんの姿勢であるところがミソだと思う)
ホームズさんの方はこちらは安定してネクタイ姿が決まってます。前巻に引き続き自分の彼女の美しさにふふんと得意げな感じ(笑)。
そしてこれも毎度のことながら、ふたりの背景の石清水八幡宮(ですよね?)のイラストの完成度も高くてうなってしまいます。
青空に赤と緑が映えていて爽やかで素敵。
事前に情報を得ていた通り、登場人物紹介の葵ちゃんも、大学進学にあわせて大人っぽくきれいになっていて、どきどきしました。

さて今回の各エピソード、私は一応エブリスタ版の方ですべて既読だったり。
ですがこのシリーズは、書籍版になるとエブリスタ版のエピソードの順番が入れ代わり加筆修正もしっかり入り本としての完成度は格段にアップするので、読み比べるのがまた二重に楽しいんですよねえ。
清貴君と葵ちゃんの関係性も全然違うので、読んでいて新鮮!清貴君の初々しさの微笑ましいこと。

修行に出てもまあ予想通りというか、清貴君はどこで何をやらせてもそつなくスマートなのですが、葵ちゃんのことに関してだけは人格が変わるほどめろめろで気弱で、ギャップにますます磨きがかっているかんじがしました(笑)。
葵ちゃんはやっぱり安定して可愛くて努力家で大好きだし、あと今回は彼女の親友の香織ちゃんの出番が多くて何気にとても嬉しかったです。

各話ごとにネタばれありの感想を~。


『プロローグ』
オーナーの突然の「命令」には私もとてもびっくり&離れ離れになる二人に残念な気持ちになりましたが、確かに一理ある。
葵ちゃんよりも清貴君の方が離れ離れになることにダメージを受けているようで、悪いのだけれどなんだかちょっとおかしいというか(笑)。でも確かに、大学に入り世界が格段に広がるに違いない彼女のそばにいられないのが不安な気持ちもとても分かる。
そしてかつて実際に遠距離恋愛に失敗したことがある葵ちゃんの若干の不安が杞憂で終わりますように!いや、ほんとに。

『一生に一度は』
恥ずかしながら松花堂昭乗のことも石清水八幡宮のこともほとんど知らなかったもので、勉強させていただけて良かったです。(ホームズさんの講演はさすがの分かりやすさ)
石清水八幡宮って、はるか昔国語の教科書に出てきた仁和寺のお坊さんのお話のあれか!なるほど!(ようやくつながった)
竜宮城のイメージとは素敵。松花堂美術館のお庭や学芸員さん達の仕事ぶり、葵ちゃんと香織ちゃんが乗っていたプレミアムカー、相変わらずしっかりていねいに描きこまれていて、またひとつ京都でぜひとも行ってみたいところが増えました。あ、松花堂弁当ももちろん食べてみたい。
こっそり様子見に来ていたつもりだった葵ちゃんに一目散に向かっていき嬉しさにはしゃいでいる清貴君のギャップに、周囲が呆然となっている場面のおかしいこと!(笑)まあ考えてみれば変装くらいで彼の目が葵ちゃんの姿を逃すはずもないか……。
そして小日向さんのずけずけ加減と彼の失礼さにぷりぷりしている香織ちゃん、あのあたりの会話も好きでした。
書籍版になって秋人さんの出番が増えてる!ホームズさんと秋人さんの(自称)親友同士の男子トークも笑えました。
過去のことを話したら葵ちゃんに嫌われるかも……としおしお弱気なホームズさんにさくっと突っ込む秋人さんが見事でした。
(でも葵ちゃんが本当に素晴らしい女性であることは全面的に同意します。この歳でこんなに素敵な女の子はそうそういない)

『小さなホームズ』
上田さん視点の過去話。
オーナーと店長に加えて、上田さんは清貴君の「三人目のお父さん」ポジションだったんだなあと、胸があつくなりました。
大人びてませていて幼くして天才だったホームズさんを無邪気な子供に戻してあげられた上田さんって何気にとてもすごい。
個人的に作家になったばかりの店長が清貴君の鑑定眼に助けられそこにどうしようもない嫉妬を込めていた場面が印象的でした。まだ店長も今より若かったんだな。そして上田さんは確かに店長の友人だったんだな。
そして現在に戻って、清貴君と葵ちゃんに二人きりの場をさりげに提供して去っていた上田さんの気配りが絶妙でした。

『聖母の涙』
炊き込みご飯とポテトコロッケのエピソードがようやく!(笑)
クリスマスに教会にゴスペルに、離れ離れだった恋人たちの巻の最後を締めくくるにふさわしいエピソードがここに入ってくるとはお上手です。
清貴君の修行先はニューヨークも!そこでも重宝がられている彼がやっぱりすごい。
「ともにクリスマスを過ごしたい人がいますので」とさらりと言える清貴君にもときめきました。
マリア様の血の涙とはなんてぶっそうな、と思いましたが、特別な意味があるものだったんですね。
本当に「雨降って地固まる」な事件の着地でほっとしました。ジンギスカンか、なるほど。何気に江川さんのあっけらかんとした明るさが皆の救いだったんじゃないかなとか思いました。
ここにきての清貴君の過去の告白。
真実よりも葵ちゃんの想像の清貴君の方が何気にひどくってちょっと笑えました。
そして葵ちゃんの方の過去の懺悔がここで語られたのも良い感じだったと思います。
自分が犯した失敗も隠さず告白してすべてお互い受け止めあえる清貴君と葵ちゃんは本当にベストカップルだなあ。
単純にラブラブというよりは、精神面でぐっと二人の結びつきが深まったような、素敵な聖夜のエピソードでした。
自転車のリメイクと指輪のプレゼントがどちらもホームズさんらしい。(しかしクリスマスのプレゼントがいらないと言われたホームズさん内心ショックだっただろうな。苦笑)
あとホームズさんのお土産のファットウィッチベーカリーのブラウニー食べてみたい!ネットで調べてみたらとても可愛らしい包装のブラウニーですね。

『宮下香織の困惑』
ええっ、香織ちゃん、そっちにいくのか!
そっちの道は正直かなり厳しいような……。
と、エブリスタ版で読んだときに、思わず声に出して叫んでしまった(笑)。
精神年齢が高い香織ちゃんが店長に惹かれる気持ちは分からないでもないですからねえ。ううむ。
小日向さんもきっといい人なのでしょうが、現時点では香織ちゃんにふさわしい人か、つかみ切れていないからな~。(←なんて上から目線な私)

『エピローグ』
今回は円生が全く出てこないと思っていたら、締めは彼が主役をさらっていってしまった(笑)。
ホームズさんと円生のライバル同士のやりとりは、真剣にぴりぴり緊張感が漂ってきて、うん、怖いです。
しかし格好いいな円生。これから同じ土俵に立つがゆえに一層ホームズさんの手強いライバルになってゆきそう。
ライバルと言えば、ニューヨークで再会した史郎さんも、あのひと円生以上に不気味だな……。どう転がっていくのやら。

今回もとても楽しく読みました。満足♪
続きが今から待ちきれないです。
欲を言えば、葵ちゃん自身が今までより成長し活躍する見せ場があるお話を、もっと読みたいかなあ。
そして葵ちゃんと香織ちゃんのキャンパスライフをもっとたくさん読んでみたい。(植物園のカフェも気になりました)
あと上田さんエピソードが出てきたので今度は美恵子さんのエピソードも読んでみたいな。
十月に発売されるという新作も、あともうすぐ発売の拝み屋さんの新刊も、楽しみです♪

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カテゴリ: ミステリー・日常の謎系

タグ: 望月麻衣 

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