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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『わが家は祇園の拝み屋さん6 花の知らせと小鈴の落雁』望月 麻衣 




高校2年生に進級した小春。
京都で不穏な事件が続発する中、事態を重く見た澪人は、小春や朔也達と対策チームを結成し、かつて京都にはりめぐらされた護りの結界を補修しようとする。
一方小春は胸にわだかまる「後悔」の理由を解き明かすため、自らの前世をすべて知ろうとするが——。


『拝み屋さん』シリーズも六巻目。
『ホームズ』シリーズ八巻目を読んで間もないうちにこちらのシリーズも新刊が読めるなんて、とても贅沢ですねえ。
作者さんは刊行ペースが安定してお早くて、読者としては嬉しいです。

ふんわりはんなり女の子らしい和風ファンタジーで、本のボリュームも薄めで、構えずに気楽に読めるのが、このシリーズの魅力のひとつだと個人的には思ってます。
とても読みやすいのですが中身は色々つまっていて読み足りないということもなく充実感ありますし。
今回は特に前世のエピソード&前世から現在にまでつながるロマンスのエピソードがだいぶ明らかになって、盛り上がりもあって、とても面白く読むことができました。
切なさとときめき感満載。
あと平安時代ネタも堅苦しくない程度に描写があって、京都の雅な描写や京都弁も品よく安定していて、こちらもまた楽しい。

友風子さんの表紙が毎回まずとても楽しみなのですが、今回は十二単。美しい……眼福です。
着物の色目と鈴と猫と合わさって素敵です。

さてようやくすべてが繋がった玉椿姫の前世エピソード。
左近衛少将と夫婦になってからの彼女の心の変化と二人の結末が、とても切なく苦かった。
これは確かにふたりとも辛い。ふたりが悪いという訳ではなく、もうめぐりあわせが上手くいかなかったのだとしか……。
特に玉椿姫の後悔が胸にじくじく迫ってきて辛かったです。
水晶をにごらせずに生きるって、ものすごく難しい、のだと思う。
そしてこんな状況でも、ふたりとも相手を恨まずに自分の中に後悔を抱え込んで苦しんでいるので、いじましい。(特に左近衛少将)
玉椿姫のお誕生日を祝えて良かった、というのが、現世での小春のお誕生日祝いの場面にも重なりあわさって、よけいにぐっときました。

同時に少将の前世の記憶もちの澪人さんの本心、小春の告白を拒絶した理由も、ようやく繋がりました。
そういう意味で身を引いていたのか……はたから見ているとじれったいったらないですが、辛い。
小春のお誕生日会や宗次朗さんとの会話とかでもうだいぶ澪人の本心は透けて見えてきてましたが(ふふふ、結局のところ彼もまだ成人したばかりの若者なんですよねえ。私から見ると微笑ましい)、なんといってもラスト近くの和人お兄さんの場面がとても良かった。
和人さんの弟への愛情に読んでいて涙ぐみました。
ようやく引き出された澪人さんのストレートな本音にぐっときつつ。
バイクの二人乗りのエピソードといい、賀茂家の三姉弟の仲の良さが私はしみじみお気に入りです。

ふたり以外に目を向けると、クールビューティー由里子さんが内にとても可愛らしい面を持ってらして、和みました。
コウメちゃんほんとうにかわいいですよね!
愛衣ちゃんと小春の友情もやはりいい。朔也くんがなんだかんだいってよき仲間に落ち着いたようでそこもほっとしました。(澪人さんの複雑な心境が……またうっかりときめいてしまった。笑)
京都に迫る危機の正体、確かにそういうこともあるんだろうな、と。
澪人さん結成のチーム、にわかごしらえと言えばそうかもしれないけれど、配役も理屈もきっちり考えられていてさすがだと思いました。

同時に進行していく小春と和人さんのデート。
物凄く気になるところで物語が終わってもだえました。はやく、続きを!!!

そうそう、杏奈さんあれから元気で活躍しているようで、ほっとしました。
宗次朗さんの愛情の形がとても格好いい。
吉乃さんと宗次朗さんの親子の遠慮ないやりとりもあいかわらず和みます~。

あいかわらず和菓子も影の主役を張っていると言っていいくらい、おいしそう。
やっぱりサブタイトルにもなっている小鈴の落雁がとても斬新でおいしそうです。
涙して水色のくずきりを食べる場面も印象的でした。
志津屋のカルネも小倉山荘のおせんべいも吉乃さんのすきやきも誕生日の抹茶ケーキもみんなおいしそう。


もうすぐ発売の望月麻衣さんの新作もとても楽しみです♪

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カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 望月麻衣 

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