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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『これは経費で落ちません!~経理部の森若さん~ 3』青木 祐子 




天天コーポレーションの経理課一筋28歳の森若さん。
仕事とプライベートはきっちり分けたい彼女だが、ここ最近はややペースを乱されがち。
そんな沙名子さんの日常は今日も賑やか。
仕事熱心だけど周りから浮いている契約社員、逃げ癖ありの困った社員、社内のトラブルにはからずも首を突っ込む羽目になる沙名子さんだが——。


『これは経費で落ちません!』シリーズ第三弾。
作中ではクリスマスも近づき黒タイツの森若さんでした。

いやーこのお話ますます面白いですね!!!
とにかくもう沙名子さんが最高です。
今回も不本意ながら冷静沈着に社内のトラブル処理に大活躍で、キレッキレで、仕事もできるし、本当に格好いいです。
私から見ると何歳も年下なのに、きらきら尊敬と憧れのまなざしを送ってしまいます(笑)。
通勤の電車の中で読んでいるとほんとうにたのしく元気になれる。

相変わらず社内のトラブル(未満なものもあり)は、すっぱり綺麗に解決するでもなくもやもやっとしたものも残るのですが、そこがかえってリアルで共感して読める。
もやもやしているのに読んでいてすっごくスカッとして気持ちいいんですよね~!
このあたりの塩梅が絶妙です。
やはり登場人物のキャラクターと心理描写がものすごくお上手だからでしょうか。さすが青木先生。
沙名子さんの内心の突っ込みが毎回面白く共感大でうんうんうなずきまくってます。
二巻三巻と重ねるごとに、キャラクターがしっくり馴染んで、きてますます面白くなってきたように思います!!

私生活でもきっちり完璧なペースを築いている森若さんですが、太陽のことでペースを乱されがちで、そのことにイライラしつつも受け入れている彼女が、一方でものすごく可愛らしい。
沙名子さん本当に太陽のこと好きで恋しているんですねえ。いいですねえ~ふふふ。
太陽も、相変わらずお調子者で軽いノリですが、すごく一途で健気だし、沙名子さんの独特なペースをそのまま受け入れて尊重しているし、だんだん私の中で好感度が上がってきました。
「太陽さん」「沙名子さん」名前でさん付けで呼び合っているふたりがふたりらしくて好きです。

あと沙名子さんの後輩真夕ちゃんも沙名子さんと別のレベルで共感できて沙名子さんを理解して尊敬している感じも好感度大きい。
やはり経理部員のお互いの信頼関係が好きだな~。トラブルがあった際のみんなの一致団結っぷりが良かったです。

順番に簡単に感想を書いてゆくと、まずは派遣社員の千晶さん。
これもまたデリケートな問題ですね……。千晶さんと自分を比べて落ち込んでいる真夕ちゃんのことをフォローしている沙名子さんの場面が好きでした。いやでも難しいな。
次に馬垣さん。この人はちょっと嫌だなー!!
やばいことがあったら逃げたくなるという心理はたしかにすごくわかるけれど、こうして物語として客観的に読むと、駄目さが俄然あらわになって、自分自身は本当に気をつけよう……と改めて思えました(笑)。
自分にミスが多いことを自覚していてこつこつフォローと努力を惜しまない真夕ちゃんの姿が好きです。
そして山崎さんが思っていたより曲者でした。
太陽視点の休日のトラブル話、沙名子さんの名探偵っぷりがすごすぎる。沙名子さんならそういうこともあるだろうと思えてしまう辺りが沙名子さんのすごいところだな(笑)。さんまの塩焼き→さんまの煮物になる下りが好き。でもやっぱり塩焼きが美味しいんですよねえ。
最後の由香利さんのお話は、落としどころが思っていたより深刻じゃなくてほっとしました。吹っ切れたようで良かったです。
婚活パーティーの場面は、ちょっと『恋のドレスと舞踏会の青』の舞踏会の場面を思い浮かべてしまいました。
バーンズ姉妹はあれからちゃんと幸せな生活を送っているかなあ。
沙名子さんと由香利さん双方に趣味仲間ができたみたいで沙名子さんの気持ちも分からないでもないけれど微笑ましい。


「——ありがと」
戻ってきた太陽へ向かって、沙名子は言った。
「何が?」
わたしを好きになってくれて。
「この間のマグカップ」     (84頁)

沙名子さん可愛い……!!(じたばた)


エピローグの真夕ちゃん視点も、沙名子さん視点とはまた別な風に社内の人間関係をのぞきみることができて、面白くて好きです。
千晶さんの態度が人によって違うのはやっぱり若干もやっとするな。馬垣さんも。
経理部の新人さん、ラストに登場しただけでもうかなり強烈なので、これからどうなっていくのか非常に気になります。
あと太陽が他でもない沙名子さんの恋人(ですよね)と、真夕ちゃんはいつ気づくのかな~。

あ、あと勇太郎さんはやっぱりか……!と由香利さんのお話の最後の方を読んでいて思いました。
そして沙名子さんのスルーが完璧すぎて、沙名子さんらしく、いや経理部女子らしくて、ずっこけました。
勇さんと沙名子さんならそれはもう沙名子さんも自分のペースを乱されることもなくお互い分かりあえて完璧なパートナー関係を作れそうではありますが、沙名子さんが好きなのが太陽である以上はしょうがない。というかやっぱり沙名子さんの恋人としては太陽ぐらいのゆるくて明るいタイプの方が良い気もしますし。
でも勇太郎さん今後、沙名子さん以外の女性を見つけることなんてできないんじゃなかろうか……と今から心配だ。デリケートなひとですし。
とかなんとか色々思ってしまい、個人的にはこの巻でいちばん盛り上がったのって何気にこの場面だったりしたのでした。
もしかしたら勇太郎さん単純にクリスマスの有給休暇の話題だったという可能性もあるけれど。
なんで私がここでこんなに盛り上がるのかって、(成立すれば)年の差カップルだからっていうのもあるかもしれないな。(つまりものすごく好み)

読んでいて笑って元気になれるお話でした。大満足♪
そして『舞踏会の青』を思い浮かべてしまったこともあり、『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』を久しぶりに読み返したい気分です。
青木先生の描かれるお仕事ができる女子が私は大好きなのですよねえ。と今回改めて思いました。
クリスやパメラといい『ベリーカルテット』のシャノンといい。


ここ一週間にそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: オレンジ文庫

タグ: 青木祐子 

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