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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『浅草鬼嫁日記 三~あやかし夫婦は、もう一度恋をする~』友麻 碧 




真紀と馨と由理の三人組の前に現れたのは、前世の宿敵・安倍晴明の生まれ変わり・叶冬夜。
三人がお互いに前世にまつわる重大な嘘を付いているという叶の言葉に、ぎくしゃくする真紀と馨。
お互い胸の内を伝えられないまま、京都へ修学旅行に向かう三人。
そこは前世で酒呑童子と茨木童子が出逢い共に過ごした宿縁の地であった——。


『浅草鬼嫁日記』も三巻目。
同時発売の『かくりよの宿飯』シリーズの最新巻とふたつまとめて一気読みしちゃいました。贅沢。

いやあ、どちらの最新刊も、盛り上がりました!めちゃくちゃ面白かったです!!
二冊それぞれ、ストーリーも大きく動いて伏線が畳みかけるように明かされ読み応え抜群でしたし、糖分増量もたまらなかったです~もうもう、読んでいてときめきがとまらなかった。
そしてどちらもやっぱりごはんがおいしそうで、コミカルで親しみやすい日常パートも健在で心和む、安定の仕様になっていました。素晴らしい。

どちらから感想を書こうか悩みましたが、今回は特にこの『浅草鬼嫁日記』の盛り上がりっぷりがたまらなく私好みでつぼをばしばし押されましたので、色々書き散らしていこうかと思います。
特に今回、平安時代ネタ&京都ネタが盛りだくさんで、前世ネタも併せて大好物の私には、ことごとく美味しい展開でした。
文字通り、千年越しの夫婦の壮大なラブロマンス。
せつない、そしてあまりにいとおしい。
真紀ちゃんの嘘と孤独、そして馨君の彼女への想いに泣きました。

ここからはネタばれ込みの感想を、追記にたたみます。


この一週間それぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

表紙イラストがまず、色々意味深で気になっていたのですよ。
背中合わせのシリアス寄りの表情をしている真紀ちゃんと馨君に、背後の茨姫と酒呑童子。映る影にはどうして茨姫ひとりなの?

突然三人の前に現れた叶先生の不穏な発言にぎくしゃくする真紀ちゃんと馨君に読んでいてはらはらしました。
安倍晴明と茨姫の関係もつかめなかったし。由理君の馨君へのサポートがナイス。
熊さんと虎さん姉弟との再会はとても良かったです!!ふふふ、スイやミカも含めて宴を開いている場面がよかった。
しかしいつもの嫌味の応酬がひかえめな真紀ちゃんと馨君がやっぱり読んでいて不安……。真紀ちゃんのごはんが馨君の好物ばかりというのも。
トースターであたためて食べる人形焼おいしそう。

そして京都への修学旅行。少しずつ女子に馴染んできて普通の女子高生らしい旅行も楽しんでいる真紀ちゃんの姿がよかった。
抹茶パフェもきつねそばも親子丼もとっても美味しそう~!みっちゃんともなんだかんだ仲良くなっていて和みました。
私も伏見稲荷大社や宇治の平等院に行ってみたいな。
竜神様(お名前が難しい……)との三人の再会の場面も良かった。

茜君となぜかばったり行き会い共に行動し衝撃のものに出くわす真紀ちゃん……そして別行動でリンこと凛音の力で過去を回想する馨君。
この馨君~酒呑童子視点で語られる、酒呑童子と茨姫との出逢いから夫婦になり、あやかしの王国を築き上げて果てるまで、一連の過去の物語が、そうそう、私ずっとこういうのを読みたかったの!!というピンポイントで、しかもボリュームたっぷりで盛り上がって、とてもとても良かったです。
枝垂れ桜の下で一目惚れしてからずーっと一途に茨姫だけを見つめ茨姫だけを愛してきた酒呑童子のひたむきな心が、読んでいてもうばしばし伝わってきて。
ストイックな美貌の色男がたったひとりに恋に落ちるという展開美味しい……そして周囲の部下のあやかし達の生ぬるい応援がまた良い。
酒呑童子視点で語られる茨姫がまた、もともとの魅力ましましなのも、良い!
薄幸の儚げな美しいお姫様だったころも、しだいにたくましくこん棒を振り回し生き生きと輝き、あやかし達すべての母となり女王となり王の隣であやかし達に惜しみない愛情を注ぐようになる姿も、みんなみんな真紀ちゃんそのものであり、いとおしい。
スイがそもそもの元凶のミズチだったのか!とか、茨姫の「シュウ様」呼びと夫を常に立てる姿が現世とちょっと違ってこれもいいなあ!とか、お妾を部下にすすめられても全力で断りむしろ茨姫に嫌われたらどうしようとしか考えていない酒呑童子のあまりのべた惚れっぷりにきゅんきゅんしたりとか、色々全てが楽しかった。
平和でのどかで美しく、終わりが来ることを分かったうえで読んでいるからこそ、せつなかった。

そして明かされる茨姫の嘘、真実。
悪妖に身をおとして眷属も振り切って、彼女が戦い抜いた年月の長さに、愕然としました。
明治時代初期。うわあ……。
あまりにつらい。凛音が茨姫のことを真に慕っているが故馨君に突っかかっているのもまたひしひし伝わってきて、よりやるせない。

でも、そんな茨姫の真実と想いをようやく受け取って、酒呑童子として、そして馨君として、真紀ちゃんを迎えに行って彼女を受け止めた馨君の深い深い愛情に、また目頭があつくなりました。
あんなに照れ屋で堅物だった馨君のストレートな愛情表現にきゅんときて、そしていとおしくてならない。
自分の醜さに顔をそむける茨姫に一切のためらいなくぐっと目を合わせて愛を伝える彼が前世の場面と重なり合ってなんだかとても格好良いですよ。
お互いすれ違っていた本音をようやく言い合えて、夫婦仲を修復(?)できて、本当に良かったよ~!!!
観覧車デートもレバーもりもりの夕餉の場面も、良かったです。再びのデートの場所のチョイスもふたりらしいな。
あと茨姫が長い時を生き抜いてきたからこそ現在のあやかし達の平穏な暮らしがあるという一連の流れが、また尊いと思います。
今までそんな一切をほとんど見せずに明るく華やかに笑っていた真紀ちゃんがなんというかますます愛おしく思えました。

叶先生が結局のところふたりの敵ではなかったのがちょっと意外。そしてあれ、茨木童子と相打ちして果てた陰陽師は、安倍晴明なのか、別人なのか。
あと茜君いいやつですね。すごいいいやつですね!(二度言う)真紀ちゃんのためというばかりではないのでしょうが、まさかあそこまで彼女の味方として戦ってくれるとは思わなかったです。色々若いけれど、強いし頭も切れるし。この精神の柔軟さというか、お人好しさはたしかに葵ちゃんの親戚と言っても頷ける。
由理くんの前世と現世両方における馨君への叱咤激励もとても良かったです。
それだけに、彼の「嘘」が今後どういう展開に導いていくのか、気になる。

手鞠河童のカッパーランドは『かくりよの宿飯』とのつながりも彷彿とさせるものがあり、微笑ましく楽しかった。きゅうりおしがすごいな。そしてズッキーニもちゃんと知ってて育てるんだ……たくましい。
スイとミカとおもちの眷属グループ(?)のでこぼこ仲良さげな感じも微笑ましいです。過去の逸話を知るとよりしみじみといとおしい。
(真紀ちゃんと馨君がそれぞれ贈った京都土産のチョイスがふたりらしかったな)
ミクズは悪役としてあまりに突き抜けていていっそ清々しいな!彼女がかの有名人だったとは。

カクヨムの番外編も本編読了後に読みました。
真紀ちゃんのジャイアニズムの理由にほろりとし、そして幼稚園児のようやくの再会の場面。よかったねーもうほんとうによかった。

なんだかもう最終巻と言われても納得してしまう充実の三巻目だったのですが、ここからが本番とは、なんと!!(嬉しい)
次は由理君にスポットが当たる展開になるのかな。とてもとても楽しみです♪

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カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 友麻碧 

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