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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『炎の神子様は大精霊ではございません』江本 マシメサ 







ありえない嫌疑から処刑されようとしていた、炎の神子をつとめる少女・エルフリーデ。
処刑寸前に彼女が救われるように召喚されたのは、若き王子アルフレートが治める、鼠妖精たちの村だった。
炎の大精霊と勘違いされたエルフリーデは、雪の大精霊の怒りで春が来なくなってしまった村を救ってほしいと懇願される。
元いた魔導教会に帰れるわけもなく保身のため大精霊としてふるまう男装少女と、色々問題をかかえた王子様の、もふもふ可愛い村での奮闘記。

江本マシメサさんの小説家になろうさん作品の書籍化。現在二巻まで出ています。
Webでは未読でしたがふと心にひかれるものがあり手に取ってみました。

あらすじにある通り、まさに、愛と魔法ともふもふの物語でした。最後まで。
一巻、二巻と読んでいくごとに、ああ、なんだかとても好きです。大好き。
タイトルから恋愛要素は薄めのコメディタッチの物語なのかなと思っていたのですが、予想以上にロマンス要素もしっかりあって、心をぎゅっとつかまれてしまいました。
ゆるい日常ラブコメとシリアス設定のファンタジーのバランスが絶妙。
二巻目の続き部分からWebで読んでみたらもう途中からやめられなくて、最後まで一気読みしてしまいました。
思っていたより百倍ぐらい壮大な物語になってきてびっくり!!(笑)
胸がじわーっと切なくあたたかいもので、いっぱいに満たされます。
主役カップルとまわりのみんなが幸せそうな姿をみているのが心から幸せで、切なさ交じりの幸福感に、涙が目ににじんできて。

理不尽な状況に追い込まれても、根は楽天家で明るくて元気いっぱいなヒロイン・エルフリーデが、とにかく魅力的です。
お日様みたいな明るさで周囲に笑顔と元気を振りまいているような。
なにげに男装少女でした。炎の大精霊(性別無し)の振り設定なのが面白い。
シリアス設定ですが楽天家でざっくりした性格のエルフリーデなので、深刻になりすぎず楽しく読めました。
大精霊の振りといっても彼女は間違いなくたぐいまれな炎の魔法使い。
力を気負わず村の皆のために一生懸命尽くしてにこにこしている彼女の姿がいいなあ~。

そんな彼女が「友人」になったのは、生い立ちに影を持つ寂しい王子様・アルフレート。
雪と青のイメージぴったり、冷たく凍り付いた過去をしょい込みつつ根は真面目で繊細でとても優しいお人柄がじわじわ伝わってくる、これまたとても魅力的なヒーロー!
照れてどうしたらいいのか分からないと目をそらしてしまうツンデレっぷりも慣れると微笑ましい。
能力的には似た者同士なふたりで、関わるうちに、特にアルフレートの体質問題的にいい風に回っていった感じなのが、ほっと安心できました。
ここにいてもいいのかと悩むエルフリーデにアルフレートがかける飾りのないことばが良いのです。
というかイラストの神経質そうな生真面目文官風美形めがね青年アルフレートが本当にイメージぴったりで、すごい!!

二巻目くらいからの、アルフレートのシャイで不器用なアプローチとそれに全然気づかない鈍感なエルフリーデのふたりが読んでいて本当に微笑ましく可愛らしく、そんなふたりを温かく見守っている周囲の妖精さん達という図がまた微笑ましく、ふふふ、いいなあ~。
想いが通じてそれぞれ照れまくりつつ愛を確かめ合うふたりもまた可愛らしすぎました。(イラストが最高)
エルフリーデのショートカットがだんだん本当に女の子らしく可愛らしく見えてくるのですよ~。

猫妖精のホラーツ爺や、鼠の侍女のチュチュ、葉っぱ妖精メルヴ、雪の大精霊様、竜人のヤン、周りをかためる妖精、人外のキャラがまた、魅力的でたまらないです。
もふもふの鼠さん達の可愛らしさもエルフリーデ視点でストレートに伝わってきます!チュチュにチュリンにチューザーに名前もみんな可愛い。もふもふ欲刺激されまくりつつ相手を尊重し嫌がるようなことはしないエルフリーデに好感を持てる(笑)。
ホラーツ爺やの策士っぷり、その根柢のアルフレートへの愛情にも泣けてくる。エルフリーデが来てくれて本当に良かったですよね!
あとなんといっても強烈なのが筋肉妖精さん達。筋肉妖精……??これはもう読んで確かめていただくしか(笑)。
はじめは単なるかわいいマスコットキャラに思えていたメルヴの活躍っぷりがすごすぎました。いいこだなメルヴ。癒されまくりました。メルヴアイスクリーム……ありなのか。ありなんだな。
妖精さん以外では前領主の奥様でエルの侍女になったドリスさん、アルフレートのお兄さん殿下、どちらも素敵なキャラでした。
全員が全員エルフリーデとアルフレートの仲をあたたかく見守っていて、本当に和みます。
一日一回ふたりの時間はチュチュとドリスの努力によって作られていたものだったとは!侍女の鏡!!

あとこの物語もやっぱりごはんがおいしそうです。
水晶を求めてのふたり旅の場面で食べていた、焼きたてパンとスープのセットメニューがおいしそうでおなかがへってきました。
領主の館で出てくるご飯やお菓子もみんなおいしそうです。出てくるメニューをおいしそうに幸せそうに食べているエルフリーデの姿が読んでいて幸せです。
二巻目のメルヴ視点の番外編で、プリンを頬張っているエルフリーデの満面の笑顔のイラストが、かわいすぎてたまらないです。不意打ちで「大好き」と言われて真っ赤になって固まっているアルフレートも非常に可愛い。
アルフレートのアイスクリームも。アイスをほおばって幸せなエルフリーデの横で涙しているアルフレートがもう健気で彼のこれまでの人生を思うと不憫で……隣にエルフリーデがいてくれて本当に良かった。

Web版の続きの感想メモも、追記以下にちょこっと収納しておきます。


この一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

王宮編。
アルフレートのお母様登場。クールビューティーながらに「嫁子」エルフリーデを時に息子以上に愛している、おちゃめで愛すべきお方様でした。
お母さまの氷漬け事件の真相がそんなだとは思っていなかった。アルフレート理不尽すぎる……。
そしてアルフレートのストレートな告白がやってきました!確かに彼の愛は物質的にも気持ち的にも重い(笑)。
想いが通じ合ったところで、衝撃の時間の事実発覚。魔導教会のえげつない設定も衝撃でしたが、ここでまさかそうつながるとは思ってませんでした。アルフレートの一旦は彼女を手放してもいい的な発言が哀しすぎました。
直前まで不穏な感じでしたが、結婚式を無事に迎えられてよかったです。
このふたりは魔力持ちカップルで色々しょいこんでいて色々一筋縄ではいかず、いちゃいちゃの場面も一筋縄ではいかず(笑)、それでもふたりとも寄り添って幸せそうで良かった~。
というか、あの夜着を縫ったのって、新郎……それでいいのか。

対魔王編。
ここでタイトル「精霊」につながってくるとは。
ふたりで「勇者」役をやるというのが、この夫婦らしいなと思いました。夫婦で運命一蓮托生なところも。
聖剣と魔剣の夫婦漫才が笑えました。この夫婦も圧倒的に奥さんが強い。
あとメーガス師匠もいい味出してるおじいさまでした。
エルフリーデが一カ月寝込んでいた間の悲惨すぎる生活が容易に思い浮かべられてつらい。
アルフレートのエルフリーデへの愛は、最後まで重たかったです。まさか魔王の正体があんなだとは思わなかった。
あそこでエルフリーデが残っていたら間違いなくアルフレートは病んでしまってましたよね。メルヴ……ナイス!(涙)
髪が長くバージョンアップしたエルフリーデの姿を、イラストで見てみたいな~!
夫婦の仲睦まじさを最後の最後まで実感できる、いいエンディングでした。
その後の番外編とかも機会があればぜひ読んでみたいです。

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カテゴリ: その他少女小説レーベルの本

タグ: 江本マシメサ 

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