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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『人魚と十六夜の魔法 ぬばたまおろち、しらたまおろち』白鷺 あおい 




ディアーヌ学院高等部に進級した綾乃達。
中等部には雪之丞の従妹や絵葉の弟、人間の女の子桜子も入学してきた。
そして新学期も少し過ぎたころ、ロシアの水妖ヴォダーくんが転校生としてやってくる。
ところがちょうどそのころから、寮に現れる不審者、部屋から消える皆のお八つなど、奇妙な出来事が起こりはじめ——。


和風学園ファンタジー『ぬばたまおろち、しらたまおろち』の続編です!
一巻目できれいにまとまっていたけれど、続きもぜひ読んでみたいなと思っていたので、びっくり&とても嬉しいです。

魅力的なキャラクターや各種設定やエピソードが二巻目もてんこもりで、読んでいてワクワクしてきてとっても楽しかったです♪
荻原規子さんとハリーポッター、古き良き学園寄宿舎もの少女小説、色々な要素が上手い具合に組み合わさっていて、にぎやかでキラキラした宝石箱の世界を開けたみたい。
一巻目に引き続きけっこうなボリュームがあるのですが、ストーリーはいい意味で軽やかに進んでゆくので、読みづらさはありません。基本のびやかで明るくて湿っぽくないのもいい。
あと一巻目の続きなので期待通りのロマンスパートもあり、そこもとても初々しく可愛らしくていい。ふふふ。
日本の古典的な妖怪たちに西洋風の魔女に吸血鬼に、今回はロシアの妖怪達も加わって、みんなが同じ学院で友情を育んでいる様も、良いものです。
小川未明の『赤い蝋燭と人魚』関連の伝承や人魚伝承も散りばめられて、ストーリーの大筋にしっかりからめられていて、作者さんのアレンジの仕方がとてもお上手。

表紙イラスト、絵葉ちゃんかな?すらっと背が高くて黒いドレスが良く似合っていて素敵!!新入生男子ふたり(多分)も可愛い。
そしてお着物を着て箒で空を飛ぶ魔女は改めて絵になりますねえ。

綾乃視点メインだった一巻目から転じて、綾乃達高等部メンバーのパート&桜子達中等部の新入生メンバーのパート、交互に視点が入れ替わって語られる、二重構造になっていました。
初々しく先輩達を手本に一生懸命頑張る新入生達の姿は微笑ましく可愛らしかったし、お馴染み高等部のみんなにも、また会えてとても嬉しい!!
最初のうちはどちらかというと綾乃達びいきで読んでいましたが、だんだん桜子ちゃん達にも愛着がわいてきました。
最初の新入生歓迎会の皆の「ダンス」の実演の迫力に私もすっかり魅せられてしまいました。そういえばディアーヌ学院はこういう学校でした。

綾乃がもうすっかり学院に馴染み皆の一員になっていて、雪之丞とも公認のカップル(というか公認のフィアンセ)になっていて、読んでいて嬉しくなってきました。
学院に普通に人間のクラスメイトがいるという設定をちょっと忘れかけていた私、綾乃は学院に、アロウこと雪之丞のフィアンセ枠で入ったんだったっけ??とか一瞬思ってしまった(笑)。まりんちゃんが当たり前みたいに紹介してるからさ……。
綾乃に対して過保護でちょっとぎこちないけど愛情が伝わってくる雪之丞、ふたりが本当に初々しく微笑ましくラブラブで、頬が緩みました。真面目さん同士なので、だいたいは一緒に勉強しているだけとか読書のお話とかなのもいい。学園の日常の中で一緒にピクニックに行ったりお茶しているのもいい。仲睦まじさが伝わってきます。
部屋にひとりのときに雪之丞が週二回来るって、十分多いと思ってしまった。ごちそうさまでした。
食いしん坊でさばけた絵葉ちゃんがやっぱり私のお気に入り。
柚月ちゃんや真奈ちゃんや堀口君や、ああ~皆元気そうでなによりです。読んでいるうちに色々思い出してきました。
報われてないようでときどき報われているような堀口君達のラブコメパートも楽しかった。
ある意味雪之丞と綾乃ちゃん達の関係性と似てるかも。妖魅との恋は人間とはまた違う悩みも喜びもあって、なんというかそういう関係性もすべて非常にときめきます。

一方人間の新入生桜子ちゃんがもうひとりの主人公といったところでしょうか。
桜子ちゃんと魔女だったおばあちゃんとの関係がとても好きで、お着物についていた彼女のことも込みで、すべてがわかったときにはほっこりじんわり心があたたかくなりました。
彼女も派手ではないけど大切なもののためにひとりで一生懸命頑張った、勇気と優しさを持つ素敵な女の子でした!
雪之丞のいとこのまりんちゃんも可愛い。種族は違えども普通に友情を育んでいる姿もやっぱりいい。
絵葉の弟大地くんと、狐の風斗くんの元気いっぱいやんちゃコンビも、好きでした。
人懐っこく自然体で誰とも仲良くなれる風斗くんは、またまた私のお気に入り。
「喜んで、ころこんで」という謎のフレーズが、でもなんだか言葉の響きがころころしていてかわいくて、風斗くんのイメージに合っていて、学院にいつのまにかなんとなく馴染んでいっているのが、私は好きだなと思いました。
のっぺらぼう姉弟のほんのりしたなまり(?)も私はけっこう好きです。
いちばん好きな独特の言葉は、「お八つ」なんですけどね、やっぱり!(笑)
こういうストーリー自体に関係のないちょっとした言葉の遊びみたいなのがときどき散りばめられているのも、またこのお話の雰囲気には合っています。

転校生ボダくんの人の良さや礼儀正しさ、人気者っぷりにほのぼのしました。
彼は何の秘密を抱えているのか……気になっていたのですが、彼のきょうだいへの愛情に、打たれました。
リューセンカの美少女っぷりがとてもよく伝わってきました。吸血鬼氏もなんだか切ない背景を持っていたので、最終的にああいうかたちにおさまって、良かったな。
人魚の伝説はどれもほの暗くかなしい気分になるものが多く確か未明の童話もそういうイメージだった……と思っていたので、ラストの流れの光が当たる感じが、なんか、尊いといいますか。とても良かった。
「荒海や 佐渡に横たふ 天の川」のまざまざとイメージできる美しくひらけてゆく景色が、私もとてもとても好きです。私も思いを共有できた気分。
お八つ泥棒の方は、そういうオチ!!なんだか憎めないおじさまだなあ。
絵葉ちゃんに人形焼を差し出させているって相当ですね。

それにしても雪之丞とアロウの関係を私は今一つ理解していなかった。
完全にイコールではないということね。むしろライバルなのか!!そういうことか!!
雪之丞の気持ちも分からないではないなと思いました。やっぱり綾乃はアロウをすこし、恋しがっていたから。
綾乃の危機には真っ先になりふり構わず駆け付けるところは特にアロウも雪之丞も一緒で、やっぱり頼もしく格好いい。
せっかくフィアンセなんだから、もうすこし関係性を進展させてもいいのにな。がんばれ雪ちゃん。
あと解呪呪文の歌、私自身も好きなので、ひっそりときめきました。ふたりらしい歌です。

雪之丞とアロウのことやマロさんのことや色々解決しきれていないし、みんな一人一人の活躍や物語をもっと読んでみたいし、また三巻目が出ることも、期待しています♪
大原先生とか雪之丞のおうちのひとびとをもうちょっと登場させてほしいかも。
でもいちばんはやっぱり、ふたりのロマンスを進展させてほしいなと思います。ふふふ。


今週の間それぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 白鷺あおい 

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