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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『奇跡のような嘘をあなたと』感想&冬コミおでかけの記録 

去年の年末に行ってきたのです。
冬コミに。
夏コミにはこれまで二回行きましたが、冬は今回がはじめてでした。
去年の秋から色々やることいっぱいあったので、終わった後に自分にご褒美を……というのが大きかったかな。
年末寒波の不穏なニュースが流れる中出発です!
新幹線は雪のため案の定遅れていましたが、途中で雪の積もった美しい富士山も眺めつつ、東京に到着。

とにかく今回は雪が心配だったのでさくっとまわって帰ることに。
会場は、夏よりは暑さがない分快適だった気がします。昼間しかいなかったので何とも言えませんが。
一番のお目当ての古宮先生の同人誌をまずは購入し、あと榎木洋子先生のサークルと村山早紀先生のファンサークルにも足をのばしてきました。
榎木先生は残念ながら席を外されていたようでしたが、後藤星先生とお話できて握手もできました。『雲上楼閣奇譚』と『なんて素敵にジャパネスク』後藤先生挿絵版(←私がはじめて読んだコバルト文庫)は生涯の宝物であり、感激の時間でした。
『影の王国』の番外編とか解説とか読めた!!!幸せすぎる。あとゆかりちゃん語り手のミズベ国の解説コーナーとか諸々とても良かった。私実は『龍と魔法使い』シリーズ未読なので、いつか本をそろえて読みたいものです。
村山先生の作品解説本も読んでいてすごく幸せでした~。世の中にこんな素敵なご本をこしらえている方がいらっしゃるとは。
Twitterの仲の良いフォロワーさんともお会いしてビックサイトを離脱し、ネットで見かけてずっと気になっていた美味しいふかふかパンケーキを外国みたいなお洒落なカフェでいただいて、大混雑の東京駅まで戻ってきて日帰りで帰ってきました。


それでは追記以下は、Unnamed Memory シリーズ同人誌新刊『奇跡のような嘘をあなたと』の感想メモになります。
サイト様のMemoriaeシリーズ全作品ネタバレなのでご注意くださいませ。

未読の皆さまには、今月発売される『Unnamed Memory』書籍版を、全力でオススメいたします♪
一昔前によくあったようなファンタジー長編少女小説がお好きな方、ちょうど村山先生の話題が出たので『はるかな空の東』がお好きな方に、特におすすめしたいなあ。私が今まで読んできた物語の中でいちばんティナーシャと近しいと感じたのは、はる空のトオヤ姫なのです。



『奇跡のような嘘をあなたと』
以前小冊子で読んだことのあるお話の加筆版。
そのときからすごくお気に入りのお話だったので、今回の新刊すっごく楽しみにしていました!!

数ある繰り返しのパターンの中で、『神の名』と近い感じかな。
オスカーがラヴィニアを倒して呪いを解き、加えてティナーシャが精霊継承して魔法湖を昇華して、終わった後でふたりが出会うバージョン。

切なく哀しいお話だった『神の名』とは決定的に異なり、繰り返しパターンの中でも一番ではなかろうか、という、ただただ平和で平凡で、あまりに幸せなおとぎ話でした。
このふたりにおいてはまさに「奇跡」としか言いようがない。
特にティナーシャが最初から最後までごく普通の女性のように幸せそうに微笑んでいて、それだけで目頭が熱くなります。
はああ、私も読み終えて深い幸せ感に包まれました。(うっとり)

酒場でふたりは冒険者と魔法士として、お互いの素性を語らぬまま出会って共に遺跡を攻略し、相棒としてゆっくり距離を縮めていく、というのが大まかな流れ。
酒場でひとりグラスをかたむけるティナーシャの描写が美しくて艶があってうっとり。
なにげにオスカーがラヴィニアを殺して自身の出生の謎を永遠に葬ってしまったって、すごい重たいことだったんだなと改めて思いました。
本人は知らずとも、祖母でしたものね。
それで鬱屈を抱えてよけいにお城を抜け出したくなったのか。
ラザルの気苦労が並大抵ではなく読んでいて段々心配になってきましたが……。

お互い王と魔女ではなく、ただの相棒の男女として共に冒険をして接してしだいにお互い惹かれあっていくふたりが、もう本当に普通のラブロマンスで、ふたりともくつろいでのびのびと幸せそうで、ああ、読んでいて胸がいっぱいに。
精霊術士が作ったのかもしれない自然の泉をふたりで手に手をとって歩いている場面とか、失われた都市の冒険とか、描写も美しくロマンティックで浸ってしまいました。真珠の髪飾りの贈り物も素敵だったな。
ティナーシャ視点もオスカー視点も交互に読めるのも美味しかった。
ラザルがティナーシャの事を遺跡の守護獣かなにかと勘違いしていたのが気の毒だけどおかしかった……。
そしてティナーシャの鈍さは相変わらず。そこがティナーシャのかわいいところです。
そうですよね、何も先入観持たずに接すれば、ティナーシャは面倒見が良くお説教好きで、世間知らずなところもあるあぶなっかしい女性なんですよね。ふふっ。
ティナーシャが朝起きられるように考えた手段にはまた笑ってしまいましたが。

結婚も、ティナーシャがこんなにすぐに承知するとは思わなかった。酒場の皆にまざって祝福したい!!
確かに可愛すぎて理性が飛んでしまったというオスカーの言い分も分からないではないティナーシャの愛の告白……照れました。
そしてファルサスのお城へのあいさつ……こうなりますよね。
ラザルがいちばん気の毒だと思う、やっぱり。
でもオスカーにこんなにぐさぐさ言えるのもきっとラザルだけなんだろうな。
「自業自得だと思います」の繰り返しには笑ってしまった。だてにオスカーの従者やってないな。

ティナーシャの嘘と本来の姿をまるごと受け止めて変わらぬ愛を誓うオスカーの度量の大きさには、改めて、胸がいっぱいになりました。格好いいなオスカー。知ってましたけれど。
王妃様になったティナーシャの姿をすこし拝めたのも、ドアンとシルヴィアがちらりと登場したのも嬉しかったです。

本編最後の四行を読んで安堵のあまりほうっとため息をはいてしまった。
少なくともこの繰り返しにおいては、ティナーシャは、幸福のうちに生涯を終えられたのか。
本当に良かった。
(『変質の旅路』のときみたいにティナーシャが先に亡くなったのかな。天寿を全うできていたならよりいっそう嬉しい)
たぶんティナーシャは臣下や国民に慕われる美しく賢い王妃様で、お城の中ではシルヴィアの(パミラもいたらいいな)着せ替え人形になりつつ魔法士教育もしつつ、平和にオスカーのまわりにぷかぷか浮いて暮らしていたんだろうな。
きっとルクレツィアも喜んだのだと思います。きっとファルサスのお城にしょっちゅうお茶しにきていたのに違いない。

小冊子のお話も良かったです。オスカーのティナーシャへの愛情が伝わってきました。

今回のお話を読んでいたら改めて書籍版発売が楽しみで楽しみでしかたなくなってきました!!!

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カテゴリ: Memoriae シリーズ

タグ: no-seenflower 

この記事に対するコメント

ゆりさん、こんにちは。年末年始の主婦業務でご挨拶が遅れて申し訳ありません。児童文学ファンサークルのKOBUです。拙い本に過分なお言葉、ありがとうございます。華やかなオフセット本全盛の中、二昔前なビジュアルの本で、お恥ずかしい…でも、愛はめいっぱい詰め込んでいるつもりです。
冬コミ会場で「はなのみ亭」さんのお名前が出て、心の中で「うわわわ~」と変な声(笑)が出ていました。村山先生つながりで、2~3年前からブログを拝読していました。ゆりさんの文章がきっかけで、好きになった作家さん、作品が沢山あります。ありがとうございます。最近のものでは、京都寺町三条のホームズと後宮の烏がヒットでした。烏2が出ていたなんて!早く読まなくては!
それから、大晦日に魔道具師ダリヤ~Web版を読み始めたら止まらなくなりそうになって、慌ててパソコンから離脱しました(笑)主婦業務てんこもりの中で危険すぎでした。家族が出勤するようになったら、じっくり読もうと思います。
長々と書いてしまいましたが、今年も、ゆりさんのブログを楽しみにしています。

URL | KOBU #-
2019/01/05 21:44 * 編集 *

Re: タイトルなし

>KOBUさん
コメントありがとうございます。

こんにちは♪
わああ、こちらこそ、わざわざブログにお越しいただきまして、ありがとうございますー!!
同人サークルを何年も続けていらっしゃるKOBUさんには、きらきら尊敬のまなざしを向けてしまいます。
私もあの会場で私のブログを読んでくださっている方にお会いできるなんて思ってなかったので、若干挙動不審行動をとってしまいました(笑)。
あれからご本をゆっくり読ませていただきました。風早の町の物語の丁寧な解説、ご感想の数々、読んでいてとても楽しかったです!!私の感想と重なるところも違うところもあり、新しい発見がたくさんあって、もう一度村山先生の作品をじっくり再読せねばという気持ちに(笑)。
そして京都寺町三条のホームズや後宮の烏も読んでいただいていたとは!ブログ書いてよかったです。わーい♪
京都寺町~の方も、今月新刊が発売されるようなので、今からとても楽しみにしています。
魔道具師ダリヤさんも、あれ読み始めると不思議にとまらなくなりますよねえ(笑)。
冬休みの業務は一段落されたころでしょうか。(お疲れ様でした!!)
またKOBUさんの余裕があるときにでもふらっとお越しいただけると、うれしく思います。
それでは私からも、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

URL | ゆり #SvKcs0as
2019/01/09 12:49 * 編集 *

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