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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『女王の化粧師』(書籍版)千 花鶏 




五人の候補者が時期女王の座を競う小国デルリゲイリア。
花街の化粧師ダイの下に、女王候補の遣いと称する青年・ヒースが現れる。
若年ながら一流の化粧師の腕を見込んだ彼は、ダイを女王専属の職人として誘い、家に迎え入れる。
しかし主となる娘・マリアージュは「最も玉座から遠い」候補者と呼ばれていて——。
これは、時代に翻弄された女王候補の娘と、彼女の臣下として友として、常に支え続けた化粧師のものがたり。


すでにブログでもあちこちに書いてきましたが、大好きなオンライン小説『女王の化粧師』、ついにビーズログ文庫から書籍化!
わーい!!嬉しいです。おめでとうございます~♪
起家一子さんの表紙イラストの麗しさにうっとりため息しつつ購入し、ひとりお茶しにきたカフェで読みはじめ、すでに一応知っているストーリーながらに読み進めるにつれぐいぐい惹きこまれてとまらなくなり、結局お茶を飲みつつ一気読みしてしまいました。

確かに物語はまだはじまったばかり。
Web版の序幕部分の、そのまた序章あたりですね。
そしてこの物語の美味しいところはこれからというところで、終わっている~!
これはどうあっても続きを出していただかねばなりませんね!せっかくの、せっかくの糖分も、まだ出てきていませんし!
うう、なんだかこの先のネタバレなしで語ろうとすると色々非常に難しくて私には力不足で、一層伝わりづらい感想になってしまいますが、お許しを。

表紙イラストで私がぐっと心惹かれたのは、クールビューティーなダイやヒースはもちろんながら、ダイの手元の化粧道具。
さすがの充実っぷりです。ステンドグラスの細密画のような色であふれるパレットが素敵!!
刷毛を手に取るダイの仕草も決まっています。

表紙を開いたところにまず飛び込んできた花鶏先生のある意味最大のネタばれ宣言にちょっとくすりとしつつも頼もしく思いました。(確かにWeb版最新話まで読んでいても未だにときどき信頼がゆらぐのですよ!)

ええと、初期の出会い辺りの三人の雰囲気が、今読むと新鮮だなと思いました。
この巻を読んだ感じ、よりビーズログ文庫仕様というか、すっきり読みやすく、万人におススメできる感じのお話に仕上がっていた印象。
加筆部分も、あら、このあたりかしら?という箇所を見つけて、なるほどね、とうなずいたり。そういうのも楽しめました。

なんといってもこのお話でまず魅力的なのが、ダイの「化粧師」としての仕事っぷりの描写でしょう。
花街でも、あとマリアージュ様のところでも、惹きこまれてしまいます。
ダイの純粋な技術もですが、相手に対する細やかな気遣い、話術、そして職人としての矜持。
色粉の使い方が特に鮮やかでぱあっとイメージが浮かび上がってくるかのようです。
仮にもミズウィーリ家の当主代行のヒースが惚れ込んだ(としか言いようがない)才能で、すごいんです、とにかく!

この時点で出そろうこの物語の主要キャラクター三人、ダイ、ヒース、マリアージュのそれぞれの魅力。
静かで真面目な職人肌の人間に見えて、正直者でどんな場所でも思ったことをついぽろっと言ってしまうダイが面白くちょっとあぶなっかしくてはらはら。
この巻の時点では甘やかされた癇癪もちわがまま娘のマリアージュ様ですが、人の機微には確かにとても敏い方でいらっしゃる。
新参者のダイにわざわざ女王選のことについて解説の場を設けてくれていたりして、素直じゃない優しさが、良いです。
ダイの化粧道具をダメにしてふたりがぶつかったラストの場面まで読んで、ぐっと心に響きました。
マリアージュ様には確かに可能性がある。なにかあついものがこみ上げてくる。
あとヒースは、改めて狸だな~と、しみじみ思いました(苦笑)。
でも彼はことにダイが絡むと、ちょっと可愛いんですよね。ふふっ。
ダイがこの時点で思うよりも冷たい人間なのだけど、でも、優しいんですよね~。ずるいです。
ラストの間章の部分とか、思わず吹き出してしまった。彼にとっての気晴らしは、ダイとのお散歩なのか。か、かわいい……。
ダイにマリアージュの旦那になったらとか思ってもみなかったことを提案されて笑い転げている場面も、彼の表情がまたおかしみを誘います。
なんかそんなことを言っていられない展開が控えているのを知っている分、このあたりのほのぼのした雰囲気が一層慕わしい。
あとティティアンナは相変わらず物語の癒し的存在です。
ダイの純粋な味方の女の子がこのお屋敷にひとりでもいて、よかった。
私は生真面目でストイックな仕事人間が個人的にツボな人間なので、作者さんのこの手のキャラクターたちがとにかく好きすぎます。

あと書籍化で嬉しいのはふんだんに挿入される美しいイラスト。
起家一子さんのクールビューティーな作風は、この物語にすっごくよくはまっていて、素晴らしいです。
ダイの造作とか絶妙です。傾国の美貌が垣間見える。
あとマリアージュ様の強気なんだけど内に不安を抱えた表情がとてもよくて、きゅんと切なくなりました。髪型もイメージぴったり。
ティティも親しみやすくて可愛い感じで好き。
ヒースは正統派美形の青年ですね。
私、この作品の世界の衣装は気持ちオリエンタルなものをぼんやり想像していたので(多分『裏切りの帝国』と無意識にイメージを重ね合わせていたのだと思う)、西洋風の皆の衣装がなんだか新鮮でした。
特にアスマの衣装が新鮮でした!貫禄もあっていかにもお姐さまですてきです。

というわけで、起家一子さんの表紙イラストにぴんときた少女小説ファンの皆様には、ぜひぜひ、『女王の化粧師』おススメですよ~!!!
ビーズログ文庫で起家一子さんイラストというとつい『おこぼれ姫と円卓の騎士』シリーズを重ね合わせてしまう私ですが、おこぼれ姫がお好きだった方なら、この『女王の化粧師』も、お好きなんじゃないかな~という気がします。
というか『おこぼれ姫』シリーズがヒットしたビーズログ文庫からこの『女王の化粧師』を出すの、かなりいい線いくんじゃないかと個人的には思ってます。
マリアージュ様はレティとは全然タイプが違う女王様ですが、やはり最高に魅力的なのです。

ロマンスあり陰謀あり女の子の友情ありの超大作グランドロマン、ぜひ手に取って読んでみてください。
そしてWeb版も一緒に読みましょう!Web連載最新部分までくると一話一話の読み応えがとんでもなく素晴らしいですよ。
シリアスで複雑な政治の駆け引きが続く中で、ときに純度の高いお砂糖ががつんとはじけるような展開は、一度のめり込むと癖になります。
強くてしたたかで魅力的な女性達がどんどん登場してくるのも最高です。ふふふ。

あ、ロマンスパートはちゃんと正統派少女小説ですので、ご安心を(笑)。

ちなみに私のWeb版ネタバレあり感想→こちら


この一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ビーズログ文庫

タグ: 千花鶏 

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