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『しゃべれどもしゃべれども(漫画版)』勝田文(原作:佐藤 多佳子) 

しゃべれどもしゃべれども (ジェッツコミックス)しゃべれどもしゃべれども (ジェッツコミックス)
(2007/04/27)
佐藤 多佳子

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勝田文さんの漫画。原作は佐藤多佳子さんの小説『しゃべれどもしゃべれども』。
噺家の今昔三つ葉さんと、それぞれの事情から一緒に落語をたしなむようになった、一見ばらばらな5人のお話。

私は原作の小説を読んでいないし、落語も全然分からないのですが、うーん、しみじみ良い漫画でした。

漫画をひたすらページをめくっていき、勝田さんの後書きにたどりついたところで、思わずほろっと涙してしまいました…

「なんでしゃべらんの?」
小中学生のころ、私はよく、クラスメートにこんな台詞を投げかけられました。

前も書きましたが、私は小学生のときに一回転校したことがあって、そこで、グループに入り込むのに失敗してしまいました。
私は人見知りだし、もともと口下手だし、すべてにおいてとろくて不器用だし、当時は背がクラスで一番高かったのに猫背だったし、
誰から見ても、「友達になってもつまらない子」だったんだと思います。私自身そう思う。
けれども、決して好きで「しゃべらない」子だったんじゃないんですよね。
女の子社会でグループに入れないって、すっごく辛いですよ。私だって友達とおしゃべりしたかったです。
しかしいつの間にか「この子はしゃべらない暗い子」というイメージができあがってしまっていて、悪いことに私自身も、そのイメージ通りにしかふるまえなくなっていってしまいました。

中学生、高校生…と進むにつれて、次第に話せるようになり、良い友達もできてきたのですが、
「何か面白いことをしゃべらなければ、お友達を外されてしまう!」
みたいな意識がなかなか捨てきれませんでした。

そんな私を変えてくれたのが、今も友達でいてくれる(このブログを見てくれているかもしれない)皆さんな訳ですが。もう感謝してもしたりないです。こんなところだけれど本当にありがとね。

そう、「しゃべることが下手」な不器用な人達が、淡々と、愛おしげに描かれているのですよ。

好きなことがあって、なかなか上手くいかなくて、でも頑張るしかなくて。
でも落語に関わって、皆どこかが変わっていって、前に進んでいける力がついて。

後、たとえば良君が、たったひとりの女の子が喜んでくれたことがきっかけで前向きになれた、というのも分かります。

私がお菓子を作ってあげると、皆すごく喜んでくれるんです。
お洒落な子も、優しい子も、話が面白い子も、すべてにおいて器用な子も、私がただ混ぜて焼いたケーキを食べてくれて、笑顔になってくれる。もっと食べたいと言ってくれる。

そんなとき私は、自分がつまらない、何の役にも立たない子でも、お友達でいていいのかな…と、はじめて実感として思えることができたのでした。
私のお菓子作りのきっかけって、こんな理由もあったのよ。

…ごめんなさい、私の湿っぽい身の上話ばっかりになってしまいました。

えっと、三つ葉さんって、顔の輪郭や雰囲気、体格といったものが、何というかものすごく安心できる男の人だなー、と思いました。

勝田文さんのレトロな絵柄は、下町風情をものすごく魅力的に再現してくれています。
この方本当に、和風モダンが上手いなあ。

もっと感想を書きたいのですが、自分の過去を振り返るのに少々疲れてしまったので(汗)、この辺で。
いきなり身の上話につきあわされてしまった皆様はもっとお疲れでしょう…すみません。


しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)
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原作の小説。

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カテゴリ: 漫画・その他の出版社

テーマ: 少女漫画 - ジャンル: アニメ・コミック

タグ: 佐藤多佳子  勝田文 

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