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『天山の巫女ソニン 2 海の孔雀』菅野 雪虫 

天山の巫女ソニン  2  海の孔雀天山の巫女ソニン 2 海の孔雀
(2007/02/27)
菅野 雪虫

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年明けに、即座に図書館へ出かけていって借りてきた、ソニンシリーズ第2作目。

前の巻にちらりと印象深げに登場した、隣国の江南(カンナム)のクワン王子が、お話に深くかかわってきました。イウォル王子は彼に江南に招かれたので、この巻の舞台は江南です。
私ははじめは全然気づいていませんでしたが、昔の朝鮮半島っぽい世界設定ですね。本の最初に付いている地図を見ても、そう思います。

この2作目も、私が考えていた展開とは少々違いましたが、良かったです。
何といっても、イウォル王子の成長が、はっきり感じられて、私もソニンと一緒に嬉しくなってきました。
体に不自由をかかえているとは言っても、そこはやっぱり王子さまで、おのれの無知や傲慢さを自覚していなかった彼が、他人の立場に立ってものごとを考える、という行為を本当の意味で身につけられたのが、良かったです。

クワン王子の妹姫で、心の病をかかえているリアンを、そうと知らずに侮辱する態度を取ってしまい、その後どーんと落ち込んでしまったイウォル王子。
「わたしはいつも、自分がまわりから傷つけられ理解されないと怒っていた。なのに、同じことを他人にしてしまった…。」
…私も、昔からそんなのばっかりですよ。仲間はずれは嫌なものだと分かっているはずなのに、立場が変わると加担してしまったり。そんな自分が嫌で、後から絶対に落ち込みます。

そんなこんなで、ソニンのこともようやくひとりの人間として思いやれるようになったイウォル王子の姿は、大変頼もしげにうつりました。
前の巻の彼のお土産、かすかに違和感があった私は、今回のお土産の内容にも、あらためて彼の成長を見つけることができました。

一方のソニン、相変わらず誰かのために一生懸命頑張り続けるのですが、彼女の特異な境遇からくる、当たり前の欲求を持つことのできない「哀しみ」みたいなものが、ここにきてはっきり示されたかのようでした。
感情を持つのは、巫女としてはいけないこと。そういう教育を受けてきたソニンは、自分のしたいことが分からない。どんなに大変でも、他人のために行動している方が、自分の好きな風に行動するより楽なのです。
だからこそ、わがままだし難しい立場のイウォル王子の侍女に順応して大活躍できたのかもしれませんね。でもそれって…どうなんでしょう。

まあ、出会いがどうあれ、イウォル王子の成長と影響しあって、ソニンもまた成長できているかなという気もしました。
「不幸になる道は、選んでいない」ですからね。
イウォル王子の方にも、今後はそんなソニンを支えてあげてほしいな。

クワン王子の生い立ち、江南のお国事情なんかは、私の想像以上にヘビーでした…
ミナ王妃みたいな人間には、心底おそろしさを感じます。自分には欲がないと本気で思いこんでいるのでしょうか、この人…自分に罪の自覚すらないなんて、どうしようもないんじゃないか。
「妹の病気は、なおりません」と言われ続けて、全ての努力とお金が無駄になってしまったクワン王子の心の闇も、深いですね。こんな家族をひとりきりで抱えているのは、相当しんどいですよ。
だからといって、復讐すること、それにソニンを利用しようとしたことは、許されることではありませんが…彼の計画では、罪をかぶせられるのは自分ではなくソニンになってしまいますしね。

レンヒの遺産も、不気味さを残したままです。
レンヒとソニンは絶対に違うけれど、レンヒの気持ちが一番分かるのは、やっぱりソニンなんでしょうね。

何だかんだで、今回一番格好良かったのは、実はサウォル王子ではないでしょうか。
ソニンのためにイウォル王子を叱った彼、なんて良い王子なんだ…と、感動してしまいました。ヘスとのやり取りも胸がすく思いでした。それにしても、結婚したんですね、いつの間にか。

あ、結婚といえば、イルギとユナが結婚したのには、正直驚きました…何となく、イルギはもっと年上だと思っていました(苦笑)。

家を出て働き始めたミン、ソニンとお互い支え合っていて、ときに王子のことも辛辣に評価してしまったりして、ソニンにこんな友達がいて良かったな、としみじみ思います。

ふー。続きを読みますよ!もう全部借りてきましたからね。


昨日「リッシュギフト1~ココショコラ~」「赤髪の白雪姫 第4巻」の記事に拍手下さった方、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ファンタジー(和風)

テーマ: 児童文学・童話 - ジャンル: 小説・文学

タグ: 菅野雪虫 

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