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『“文学少女”と神に臨む作家 上』野村 美月 

“文学少女”と神に臨む作家 上 (ファミ通文庫)“文学少女”と神に臨む作家 上 (ファミ通文庫)
(2008/04/28)
野村 美月

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『文学少女』シリーズ、第7作目。最終話の上巻。
これまで語られなかった、遠子先輩自身の物語が、一気に明らかに。
かたくなにこばんでいた小説を書くことを迫られた心葉くんは、遠子先輩の事情を受け入れることができなくて…

表紙の遠子先輩の表情を見ているだけで、こちらまで胸が痛くなります。この表紙が本屋さんに平積みされていると、結構辛い(笑)。
内容も、遠子先輩、心葉くん、ななせちゃんたちそれぞれの心境に思いをはせると、本当に重くて辛い展開でした。それでいて続きが気になって気になって、一気読みせずにはいられない。何か魔法がかかっているんじゃないかと思うくらいに、引き込まれていってしまいました。

色々なところに「遠子先輩の裏切り」と書いてあるのですが、私は正直、何が裏切りなんだろう…?と、しばらくはいまいち納得がいきませんでした。
後になって気付きましたが、私は、「三題噺」も立派な「小説」だと認識して読んでいたんだな、多分。
「小説なんか書かないって、心葉くん、きみはすでに、たくさん三題噺書いてきてるじゃん」とか思っていました。

まあそれはそれで良いのですが、正直、心葉くんに、かなりいらいら(笑)。とくに最初の方。
そんなにどっちつかずじゃあ、困っても自業自得だよ!
私は基本的に遠子先輩の味方なので、遠子先輩に肩入れして読んでしまいますが、ななせちゃんだってすっごく頑張っているのに。

というかさ、心葉くん、遠子先輩に「週末の予定がある?」と聞かれて、「いいえ」なんて答えたのがそもそも駄目だったんだよ!それはまずいよ。
心葉くんのご両親に困惑されたななせちゃんがかなり気の毒(汗)。

それでいて、遠子先輩の願いを拒否し、逃げ出してしまった心葉くんでしたが、でも「小説を書くこと」はこれまでの心葉くんの人生を思うと、簡単には受け入れられないものであることも、十分に分かることは分かるんですよね。櫻井叶子さんの小説なんかを読んでいると、余計に、作家という職業が救いようのないものに思えてきますし。
そして、なにより流人くんが怖すぎる(汗)。自分の本心を押し隠してしまう遠子先輩のために行動している点は評価するけれど、ななせちゃんをいじめるのはやめてほしい…

塩シュークリームを全部食べきった心葉くんや、つきっきりで遠子先輩の看病に明け暮れて美味しいごはんを書いてあげている心葉くんのシーンは、大好きです。(私もななせちゃんにとってはたいがいひどいですね…)
マフラーを返したり、「義理羊羹」をプレゼントしたり、『アルト=ハイデルブルク』を手放せなかったりする遠子先輩の心情を思うと、色々とこみあげてきて切ない。

叶子さんに笑顔をスルーされてなお微笑んでいる遠子先輩の姿には、心葉くん同様に、やりきれない怒りを覚えました。
というか心葉くん、事情は分かるけれど、できるならそこで逃げないでほしかった…(汗)。

この上巻を読んでしまったら、もう下巻も読まずにはいられません。そういうお話になっています。
リアルタイムで読んでいたとしたら、本当にきつかっただろうなあ(苦笑)。


昨日「コルプ型で焼く雑穀パン」、「7月Cメニュー~ビタミンチャージのベジフルメニュー~」(2回)の記事にそれぞれ拍手下さった方、どうもありがとうございました♪
コメントも下さった方、ありがとうございました!
返信コメントは、別カテゴリに移動させました。

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カテゴリ: 『文学少女』シリーズ

テーマ: ライトノベル - ジャンル: 小説・文学

タグ: 野村美月 

この記事に対するコメント

ちらっとのぞかせてもらいました~。
自分も少し前ですが文学少女読みました。
…というか未だに挿話集とか合わせると読み終わってないですがw

終盤はもう続きが気になって仕方ないのと同時に、
「読み終わってしまう」というのが嫌で、
残しておきたいという気持ちが入り混じって大変でした。

自分は美羽派ですが、終盤はみんなかわいそうというかじれったいというかw

URL | 谷口 #-
2010/07/30 20:56 * 編集 *

Re: タイトルなし

>谷口さん
コメントありがとうございます。

私のブログなどにコメントくださって、本当に感謝します!
『文学少女』シリーズのお話ができるのは、とても嬉しいです。もうどっぷりはまってしまって…(苦笑)

私は、夜中に最終巻の下巻を読んでいたのですが、いいかげんに寝なければいけないのに、遠子先輩はじめ登場人物がどうなってしまうのか気になって気になって、とても寝る気分になれず、ひたすら先へ先へと読みふけっていた感じでした。
けれどもこのシリーズ、扱われている題材の割には本編の冊数が少ない気がしたこともあって、お話が完結してしまったのは寂しかったです…

私はブログ記事の通り、遠子先輩派なのですが(笑)、終盤は本当に、登場人物ほとんどすべてに感情移入してしまって、みんなの幸せを願わずにはいられませんでした…

URL | fallclover #SvKcs0as
2010/07/31 16:01 * 編集 *

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