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『“文学少女”と恋する挿話集 1 』野村 美月 

“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)
(2008/12/26)
野村 美月

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『文学少女』シリーズ、短編集第1作目。
遠子先輩と心葉くん、そしてふたりを取り巻く個性豊かな面々との交流のあれこれがぎゅっとつまった、バラエティーに富んだ一冊でした。
最近の私は、ファンタジーや歴史物をたくさん読んでいるから、こういう高校生の青春ストーリー(笑)は、かえって新鮮です。

私、今回の本のこの表紙、今までのシリーズ中で一番好きです。
優しい笑顔と元気でいっぱいの遠子先輩と、彼女に若干引っ張られ気味(で少し照れている)心葉くんの関係が、よく表されている気がします。
この本を最初から最後まで読み通して、このふたりはやっぱり、ありとあらゆる面でベストカップルだ…!と、深々と納得した次第です。

というか、心葉くん、恋に気付くのが遅いよね(笑)。
わざと変な味のおやつを書いて遠子先輩を泣かせている心葉くんを読んでいると、好きな女の子をわざといじめて泣かせる小さな男の子っぽい心理が感じられて仕方がないんですけれど、私だけ?

「文学少女と恋する牛魔王」
ああ、ラストの遠子先輩の勘違いっぷりが、強烈なインパクトでした…(笑)。
牛園くんは、うーん…悪い人ではないんだろうけどね。

「文学少女の今日のおやつ~更級日記~」
私、『更級日記』に関しては、自分自身で「こんな食べ物の味だろうなー」と、なんとなくイメージがあるのです。
ちょっと地味なあずき色した、口に入れるとしゃりっとほどける、お上品な甘さの干菓子。
…別に『更級日記』に詳しくて読み込んでいるとかではなくて、小学生のころに、ちょっと背伸びしたくて訳も分からず図書館で借りてきた『源氏物語・更級日記』の子ども向け本のカバーの色が、地味なあずき色だったんです。
あのころの私は、大和和紀さんの影響もあって『源氏物語』のはなやかさには惹かれたけれど、『更級日記』の良さはさっぱり分からなかったなあ。
今でもさほど詳しくはないけれど、『更級日記』のいくつかのエピソードは、確かにとってもお気に入りです。
遠子先輩が語っているように『源氏物語』に情熱を注ぐ作者の姿は、真剣に共感を覚えますね!

「文学少女と革命する労働者」
ボート部のひと騒動は、かなりぶっ飛んだお話でした(笑)。かなり怖いけどコミカルで笑えました。
ラストで、入部希望者を笑顔で切り捨ててしまった心葉くん…自分の気持ちをもう少し分析した方が良いよ。

「文学少女の今日のおやつ~万葉集~」
『万葉集』は、ちょっとだけかじったことがありますが、色々な解説やエピソードを読んでいると面白いですよね。(私が情報を仕入れたのは授業以外ではほとんど漫画ですが…)
本編等で語られた、前後の色々なエピソードを思い起こしつつ読むと、さまざまなことを感じずにいられない、遠子先輩と心葉くんの、1年目のバレンタインのエピソード。

「文学少女と病がちな乙女(クロエー)」
上のバレンタインのエピソード、今度は遠子先輩(の同級生の女の子)の方の視点から読むことができました。
こちらは色々と自覚している、恋する女の子な遠子先輩が、可愛らしすぎです。主人公の果歩ちゃんの恋も可愛い。

「文学少女と今日のおやつ~ムギと王さま~」
『ムギと王さま』って、なんだか面白そうですね!いつか図書館で借りてこようっと。

「無口な王子と歩き下手の人魚」
芥川くんと美羽ちゃんのエピソード、ときに切なくてほろ苦くも、微笑ましくて良かったです。
悲しいラストのお話をハッピーエンドに変えてしまう美羽ちゃんのエピソードがすごく好きです。それが良いことか悪いことかは私には分からないけれど、気持ちはたいへん分かります。
小川未明の童話、昔図書館で1冊だけ借りてきたことがあるけれど、悲しいイメージしか残っていないなあ。どんなお話でしたっけ。
美羽ちゃんの変化や成長が読みとれて、読んでいる私が泣けてきました…

「文学少女と扉のこちらの姫」
一年生時代の遠子先輩と麻貴先輩のエピソードは、なんだか色々と新鮮で良かったです。
小南部長の未来に希望の明かりを灯した遠子先輩が、すごく素敵でした。
それが彼女にできたのは、彼女自身が、光も闇も体験してきた女の子だったからなんだろうな、やっぱり。

「文学少女と浮気な預言者」
流人くん、文化祭で、そんな策略を練っていたんだ…びっくり(笑)。
テレビのグルメコーナーを録画するほどにお気に入りな遠子先輩の姿に、なんともいえない気分になりました。
彼女のいつもの素晴らしい蘊蓄は、こういう裏の努力(…と言うとちょっと違うか)で養われてきていたのかなあ。

「文学少女の今日のおやつ 特別編~スノーグース~」
大学生になった遠子先輩の短いエピソード。この短編集のなかで、一番のお気に入り。
私が何か書くと蛇足にしかならなさそうなので、何も書かないでおきます。
ラストシーンは、文章もイラストも、これ以上ない美しくて切ない愛情に満ちあふれている感じ。私までもらい泣きしてしまいました。


昨日と今日「『薄紅天女』文庫化」「リッシュギフト7~ライ麦バスケット~」(4回)の記事にそれぞれ拍手下さった方、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: 『文学少女』シリーズ

テーマ: ライトノベル - ジャンル: 小説・文学

タグ: 野村美月 

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