Admin   *   New entry   *   Up load   *   All archives

ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『〈勾玉〉の世界 荻原規子読本』荻原 規子 

〈勾玉〉の世界 荻原規子読本〈勾玉〉の世界 荻原規子読本
(2010/12/01)
荻原 規子

商品詳細を見る


『空色勾玉』のスピンオフ収録の、荻原規子先生の著作関連が色々まとめられた一冊。

『空色勾玉』をはじめて読んだ中学3年生のころから待ち焦がれていたと言っても過言ではない、三部作のスピンオフが読める!ということで、発売前から、そわそわ落ちつかずに待っておりました。
書店でようやく入手することができたときには、かなり舞い上がって、やや挙動不審に…(笑)。
(あ、記事にするのは遅くなってしまいましたが、発売日当日に、しっかりと入手していたのですよ!)

装丁の色づかいが、落ちついた品のある緑色で、なかなか素敵です。
ただ、個人的には、『勾玉三部作』の書籍には人物のイラストをつけたくない派なんですけどね…(他の場所で色々な方のイラストを鑑賞させていただくのは大好きなのですが。)
でもよくよくながめてみると、表情から衣の細部まで、ていねいに美しいイラストです。

内容は、中沢新一さんとの対談、単行本未収録の『上田ひろみシリーズ』とでも言うべき短編3本、上橋菜穂子さんとの対談、エッセイ「空色勾玉ができるまで」、全著作リスト、最後に書き下ろし『潮もかなひぬ』。

なんといっても書き下ろしを読まねば!ということで、まずは、一番最後の『潮もかなひぬ』から。
わあ、私のお気に入りのキャラクター・奈津女と柾視点のお話ですね!…この時点ですでにとても嬉しかったです。

狭也と稚羽矢のふたりを、第三者視点から読んでみるのは、なかなか新鮮な気分でした。
ふたり手を触れあわせながら、鹿を見守っている様子が、微笑ましすぎる…
ささやかなことですが、私的には、狭也が髪を美しくととのえているらしい描写があったのが、特に良かったです。こういうのって、狭也の視点からお話が語られていると、分からないからなあ。奈津女がお世話したんだよね、きっと(笑)。

奈津女と柾の新婚夫婦のエピソード自体も、とても素敵でした。高貴な人に仕える人同士が結婚するとすれば、こういう新婚生活になるのか。なるほどね、みたいな感じでした。闇の中の逢瀬も雰囲気がありますね。
まあ、ふたりのこの先の行く末を知る身としては、読み終えた後でどうしても、切なくやり切れないものが残るのですが…(泣)。
でも、この短編本体は、けして悲しみばかりにいろどられたお話ではありませんでした。
うん、読めてよかったです。

単行本未収録の、上田ひろみメインの短編「リズム・テンポ・そしてメロディ」「あのひと」「スイング」も、読んでみました。
吹奏楽部の中学生の女子視点で語られる、なかなか素敵な青春ストーリーでした。読む前に予想していたよりも、楽しんで読むことができました。
読んでいる私本人が、中学生時代に吹奏楽部員だったので、色々と共感できるものがあったかな。中学3年の秋の演奏会と受験のあれこれとか(笑)。
最初の短編は特に、『これは王国のかぎ』を彷彿させるようなエピソードもあり。(もっとも、図書館で借りて読んだきりなので、内容を詳細にはもう思い出せないのですが。)

ちょうど最近読んだ中学生の部活動青春ストーリーだったからかもしれませんが、加納朋子さんの『少年少女飛行倶楽部』と、なんとなく共通する雰囲気を感じました。
中学生ならではのういういしいロマンスと友情。きれいな部分もみっともない部分もあるけれど、私にとっては、すべてひっくるめてかわいい(笑)。

ふたつの対談も、読んでみました。
荻原先生のエッセイ『ファンタジーのDNA』に出てくる話題と、共通しているものが多かったように思います。
上橋菜穂子先生と荻原先生、似ている部分も異なる部分もあり。
そういえば、私が上橋先生の本で一番最初に読んだのは、古代の神様と人間のお話『月の森に、カミよ眠れ』でした。
『勾玉三部作』と似たようなお話かなと思って読んでいたら、ラストが全然違って、ショックを受けた記憶があります(苦笑)。

荻原先生の著作リストは、それぞれの解説がとっても詳しかった。
これは多分、私みたいな荻原先生の大ファンが、作品内容を思い返すために読むのが一番良いんじゃないかな。シリーズものの解説とか、詳しいのは良いけれど、微妙にネタばれのような気がします(笑)。

全体を通して、一番良かったのは、やっぱりスピンオフ『潮もかなひぬ』でした。
できれば今後もまた、別の書き下ろしを読む機会があると良いなあ。


そうそう、この本を入手したのと前後して、『勾玉三部作』関連で、思いがけずに嬉しいことがありました♪

なんと、『勾玉三部作』文庫化記念図書カード、当選していました!

絶対にあたらないだろうなーと思っていたのですが、…世の中は分からないものです。

これでもう、今年の運は使い果たした気がします。
…まあ今年もうそんなにないから良いです。
(↑ささだあすかさんの『パジャマでごろん』のはるひさんの台詞をちょっと引用)

関連記事

カテゴリ: 荻原規子さん

テーマ: 小説 - ジャンル: 小説・文学

タグ: 荻原規子 

この記事に対するコメント

コメントの投稿
Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://hananomi691.blog10.fc2.com/tb.php/725-6a52034e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)