Admin   *   New entry   *   Up load   *   All archives

ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『平安ロマンティック・ミステリー 嘘つきは姫君のはじまり 少年たちの恋戦 』松田 志乃ぶ 

嘘つきは姫君のはじまり 少年たちの恋戦 平安ロマンティック・ミステリー (嘘つきは姫君のはじまりシリーズ) (コバルト文庫)嘘つきは姫君のはじまり 少年たちの恋戦 平安ロマンティック・ミステリー (嘘つきは姫君のはじまりシリーズ) (コバルト文庫)
(2011/02/01)
松田 志乃ぶ

商品詳細を見る


『嘘つきは姫君のはじまり』シリーズ、第9作目。
東宮妃候補の座をみずから降りて、和泉の君こと馨子と共に、初瀬の寺へと去った宮子。そんな宮子の秘密に気づきはじめた次郎君は、蛍の宮の協力を得て、五条の屋敷を訪れる。
いよいよ宮子を愛するふたり、次郎君と真幸は、対面することに。

以下、ややネタばれです。ご注意ください。


サブタイトル「少年たちの恋戦」ということで、ついに次郎君と真幸が顔を合わせるのかなあ、次郎君は宮子を取り戻せるのかなあ、というか取り戻して!とか思いつつ、新刊を読むのを心待ちにしていました。

いつも思いますが、このシリーズの表紙絵、色づかいの組み合わせまで、みやびやかで華があって、とても素敵です。
宮子ちゃんの、黒髪の行方がね…。

なんというか、離れてこそつのるふたりの想い、といったものがまず胸にぐっときて、次に、片想いの人たちの行き場のない想いが切なくてたまらなくて、そしてさらに、恋の成就のために少年の戦う姿がまぶしくて…色々、読みごたえがありました。
そしたら、ラストで…(声にならない悲鳴)。
ええっ、ここで終わるって、そんな無体なことを…。

この話、一体どこまで史実に沿って書かれるのでしょうね?作者さんのそのさじ加減が、ものすごく怖くなってきました…(苦笑)。
全くの架空のお話とは、また違う意味合いでやきもきさせられてしまいます。

お話の舞台は、後宮、五条、初瀬の三か所になっていて、それぞれ同時進行でお話も進んでいく感じでした。

後宮チームは、蛍の宮さまのエピソードが、格好良くて微笑ましかった(笑)。
五節の姫君とは結局、どうなるんでしょうね。私的にはお似合いだと思いますし、上手くいけばいいなと思うのですが。それにしても姫子ちゃんはすごい(笑)!鹿子も、思っていた以上にしたたかな子だなあ…。
そして日の宮さまの挿絵が、可愛らしくってきゅんときました。

続く五条チームは…有子さまが、本当に恋する女君で、健気で可愛いらしいったらないんですけれど、そんな彼女の想いは届かなくて、それがもう、かわいそうすぎる(泣)!
立場的にも相手の心の在りか的にも、この恋は最初から叶わないと、本人も十分に自覚していて。それがまた余計に切ないんですよね…。ふう。

真幸、有子さまの想いを知らないとは言え(立場的に想像もできないんでしょうね)、なんという罪作りな…(苦笑)。
まあ、真幸本人の宮子ちゃんへの想いも、これまた切ないですね…。私は次郎君派ではありますが、なんとかならないのかなあ、と思わずにはいられませんよ。

有子さまの恋を、どうも察しているらしい兼通さまも、気になるところです。どんな策を打って出るのやら。

和みポイント(?)では、文殊丸と真幸は、相変わらず妙な関係で仲良くしているようで、それは良かったです(笑)。
後、好いた殿方のためにご飯を炊くって、なんというか、良いですね。どの時代のどんな身分の人でも、こういうところは同じなのかなあ。

そして初瀬チームは、姫子ちゃんと五節の姫君、個性的な尼君たちのやりとりが、とても和みました。
けれども一方で、宮子ちゃんのつのる想いが、切ないなあ…夢のおまじないとか、たまらないです。
そして宮子ちゃんをなんだかんだで一番心配している馨子さまが、何かと頼もしくて素敵。

で、ついに訪れた、次郎君と真幸、ふたりの初対面。
真幸…格好良いです(泣)!彼は本当に、宮子ちゃん本人の幸せを、いっとうに大切にすることを選んだのだなあ。
私は次郎君派だと先ほども書きましたが、それでもやっぱり真幸が格好良くて、ほれぼれしました。

次郎君の方は、むしろその後の、父帝と母の中宮さまとの話し合いのシーンで、彼なりに精いっぱい頑張っていて、その格好良さが印象に残りました。
欲しいもののために、必死に策をめぐらす姿は、確かに彼も九条家の血を引いているのだなあと、読んでいてしみじみ思いました。頑張ったね、次郎君。
ただ、父帝の方はまだそれで良かったんですけれど、中宮さまの方はね…どうにもならない問題が、やっぱり…。
前の巻辺りから、うすうすこんな展開も予想してはいましたが、実際にこんなことになるとは。本当にきついです。

終章で、ついに初瀬から戻ってきた宮子ちゃんが、次郎君と再会を果たした場面は…宮子ちゃんの想いが痛くって、たまらないです(泣)。彼女もまさか、自分が彼のもとを離れている間に、こんな事態になるなんて、思いもしなかったでしょうに…。
あんまり喜ばしいかたちではありませんが、次郎君には、宮子ちゃんの存在が必要不可欠だと、他の誰にも納得させることができた、のではないでしょうか。
彼女がこれからずっと側にいれば、彼はいつかきっともとに戻れると…私は信じたいです。信じなくては。

次は、7月と8月に、連続刊行かあ…。ああ、落ちつかなーい(笑)!

次郎君と宮子ちゃんが一番心配ですが、真幸、有子さま、蛍の宮さまと五節の姫君、馨子さま、皆それぞれ、幸せになってほしいです。
今回直接登場しなかったですが、鳩子さまも、大姫さまも、幸せになれると良いです。
皆が皆幸せになれるって、難しすぎるんでしょうけれど。でも、願わずにいられません。

関連記事

カテゴリ: コバルト文庫

タグ: 松田志乃ぶ 

この記事に対するコメント

コメントの投稿
Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://hananomi691.blog10.fc2.com/tb.php/787-4c3b447d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)