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『夏目友人帳 第11巻』緑川 ゆき
2011/03/18 21:09:16 Fri. [edit]
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『夏目友人帳』シリーズ第11作目です。
前巻まではまとめて読んだので、リアルタイムで新刊を読むのは、はじめて。
まとめ読みして味わうのとはまた違った感覚で物語を楽しめました。
実は9巻目、10巻目の感想を書いていなかったですが、いったん飛ばして11巻目の感想を書こうかと思います。
今回の表紙、シリーズの中でも一、二を争うくらいに好きな感じです。
たくさんの本、落ちついた色づかいや装丁がきれいですし、子ども時代の夏目の表情も、どことなく憂いをおびて、ひきこまれてしまいます。
以下、各話語りを簡単に。
第四十二、四十三話 封じてあるもの
夏目、田沼、多軌の3人のトリオが、楽しかったなー。
私はとりわけ多軌のファンなので、彼女のお宅訪問は、どきどき嬉しくてしかたがありませんでした(笑)。
倉掃除、楽しかった!こけしはとても不気味(笑)!
多軌のおじいさまと、素直じゃない(笑)妖たちの関係は、本当にあたたかくて優しくて、素敵でした。
妖たちが慎一郎さんの枕元でお医者様のまねごとをして「よくなれ」「よくなれ」とささやいている場面が、とても心に残りました。…その後に彼らが知った思いは、どんな風だったんでしょうね。
多軌の良い表情がたくさん拝めて、大満足ですとも。ええ。(←私的重要ポイントらしいです。)
七辻屋のおまんじゅうをちゃっかりリクエストしているニャンコ先生も和みました。
第四十四、四十五、四十六話 遠き家路
夏目、お里帰りのお話。
夏目のご両親、本当、優しそうな人たちだったんだなあ…。
ラムネ水の冒険は、発想が面白かったです(笑)。皆仲良しで和みました。
落し物を皆あたりまえに探してくれる友達がいてくれるって、本当に良いことだよね。
私も昔は同級生に上手く馴染めない子だったけれど、やがて自分にはもったいないほどの良い友達をもつことができたから、夏目の嬉しい気持ちも、身に染みて分かるような気がする。
後、三世子ちゃんのお話は…彼女の方の心情も十分に理解できてしまうだけに、どうにもならない人の関係や思いのもつれが、切なかった。
確かに夏目の行動のあれこれは、事情を知らない人に取ってみたら…複雑だろうなあ。
ラストで滋さんと塔子さんと一緒に写真におさまる夏目の表情が、かわいらしくて良かった(笑)。
藤原夫妻は、もう本当に、ふところ深い良い人たちだ…。
この夫妻にも多分、何か事情があるんだろうな。
今後語られていくのを楽しみにしています。
それにしてもニャンコ先生の和み度はかなりステキ。
うーん、私の家にもいてほしいな。
…色々書いてきましたが、今回のコミックスの私的ベストは、なんといっても、四十四話の最後の頁の、小さいころの多軌の絵!
花かんむりとワンピース姿の多軌…うわあ、予想以上のかわいらしさだわ(笑)。
私の心を一瞬で射止めました。
これはおじいさまも、かわいがりたくなるでしょうよ。
さりげなく描かれている帽子も、想像をかきたてさせてもらえます。
後、高校のころの的場さんと名取さんコンビも、なんだかとても色気があって(?)格好良かった!
最後に、前もちらりと書いたように思いますが、『蛍火の杜へ』映画化されるんですねー!
嬉しいなあ。この短編は、私的ベスト少女漫画のひとつですから。
何度も読み返してきて、特にラストのシーンの会話は、お気に入りなので今でも暗記しています。
三巻目の蛍のお話の昔語りでちらりと出てきた、山神様と人間の女性の恋、もうひとつのものがたり…みたいな感じなのではないか、と私は思っています。
(夏目の方でこのエピソードが出てきたとき、読んでいて一瞬私は真剣に、ギンと蛍のふたりのその後のお話かと思ってしまったのでした。笑。)
昨日、それぞれの記事に拍手下さった方々、どうもありがとうございました♪
たくさんいただけて、本当に嬉しかったです。
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カテゴリ: 漫画・白泉社
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