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『聖グリセルダ学院の祭典』鮎川 はぎの 

聖グリセルダ学院の祭典 (小学館ルルル文庫 あ 2-15)聖グリセルダ学院の祭典 (小学館ルルル文庫 あ 2-15)
(2011/05/26)
鮎川 はぎの

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『グリセルダ』シリーズ第3作目。
学園祭の準備に華やぐ学院で、ティエサはエステリア達と共に、学院祭でラララ叢書の布教をするべく「ラララの会」を発足させた。ティエサが護衛する対象であるラエンハルス家の公女・シアーハも、皆に遅れて学院に入学してくる。
そんな中、キアスを好きだと気づいたティエサは恥ずかしさのあまりにキアスを避け続け、一方のキアスもティエサを思いきり意識してぎくしゃくする日々。
ある日学院で起こった事件をきっかけに広まった「グリセルダの呪い」の噂に、ティエサたちもまた巻き込まれていくことに。


以下、ところどころネタばれです。ご注意を。


今回は、学院祭編ということでしょうか?
相変わらず個性的な人たちは読んでいてとても愉快で、言葉のあれこれにうっかり吹き出してしまうこと何回も(笑)。
そして今回は思いがけず、ロマンスも前シリーズ『横柄巫女と宰相陛下』シリーズ並みに楽しめて、大満足でした。
まさか、前回までロマンスのかけらも全く感じられなかった、あのネージュくんが…。意外でした。
ティエサの本来お護りする対象であるネージュくんの妹・シアーハも、こういう役回りになってくるとは思わなかったなあ。
肝心のティエサちゃんとキアスの関係も、私が思っていた以上に前進したようで。にっこりです(笑)。

ティエサちゃんは今回も、読んでいて本当に楽しくて可愛らしくて満足です。
真面目で純情で心優しいごく普通の女の子なのに、言葉の端々が「暗殺者の卵」で、そのギャップが余計にたまりません(笑)。
「聞くのと殺るのじゃ大違いってよく言うけれど、恋も同じなんだなあ」(88頁)
ティエサちゃんは大まじめなんだろうけれど…なんという比較。
キアスをつい避けてしまったり、トトにちょっと嫉妬したり、もどかしかったですが微笑ましくもありました。
主様との名コンビぶりもまた楽しいのです。本当にチーズお好きですね…。

一方のキアスくんも、ティエサちゃんを意識しまくっているのが端々から読みとれて、こちらも微笑ましかったなー。
まさか「ラララ叢書の会」に入るまでするとは思いませんでした…全然似合わないです!
ときたま見せてくれる優しさが私も好きです。

ティエサちゃんとキアスは、日常のシーン以上に、物騒な事件の際にお互い信頼し合って協力しあえる、対等なパートナーであれるところが、本当に良いなと思います。
ふたりの本来なら裏世界のものである能力が、今は、学園の平和や大切な人を守るために最大限に用いられているのが、読んでいて気持ちいい。
女王蟻との戦いのシーンは、読んでいてどきどき引き込まれました…。
あ、そうそう、ティエサちゃんの「おしおき」は笑えましたねー。予想以上にティエサちゃんは強くてしたたかな女の子でした(笑)。

さて今回のメインのロマンスの主役・ネージュくんとシアーハ。
分かりにくく恋しているネージュくんはちょっと面白かったですが…切ない幼馴染み同士の恋でした。うっとり。
シアーハの周りの大人たちの思惑、重いなあ…。シリウス王、何者…?
でもまあ、ラストではきちんと思いが通じ合えたようで、ほっと一安心。
ネージュくんの舞台はどきどきしました。

ロマンス以外でも、ティエサちゃんたちに次第にうちとけていったシアーハの様子は、読んでいて心温まりました。
アマリアは…なんというか後味の悪いことになってしまいましたが。イラスト可愛らしかったんですけどね…。
外部からちょっかいを出されていなかった頃は、強引で思いこみが激しくても普通の女の子だったのになあ。スコーンちゃんと分けてくれたし。
そういえば、彼女の結婚は、結局そのままなのかな。

他のキャラクターでは、エステリアの妙な魅力が存分に楽しめたのが良かったです(笑)。
トトちゃんとノンノくんも、嫌いではないですよ…。楽しいんです。ふたりの想いの行方を思うとちょっとかわいそうなんですよねえ。
フィムも相変わらず好きです。鳥人間の出番が少なくてちょっとさびしかった(笑)。

そうそう、ティエサちゃんのおにいちゃんが、イラストでも初登場。
わあ、この人も変に魅力的で格好良いな!眼鏡が何とも言えずにうさんくさくてたまりません。
主様と一緒におにいちゃんおじいちゃんコンビで、ティエサちゃんに悪い虫がつかないように目を光らせているところなんか、すごく楽しかったです。
ティエサちゃんとはまた別の意味で、元暗殺者思考が面白い人です。
キアスくんは、今後色々苦労しそう。

今回のお話では、『横柄巫女と宰相陛下』シリーズのとのつながりも、ちらほら見え隠れ。
上にも少し書きましたが、今のシリウスの王様、黒い人だな…。うーん、前作のファンとしてはちょっと複雑(苦笑)。
今回の暗殺者集団も、シリウスの王妃様のものみたいですし。今の王妃様ってどこの方なのかしら。
王女グリセルダの人生の本当のところは、私もやっぱり気になります…。ドレスのシーンが妙にリアルで胸が痛みました。
あ、嬉しかったのは、フィムが何気なく口にした「サナ伯母さん」!彼女はこの世界でも息災なんですねー。

ええと、今回のお話はまた、美味しそうな食べ物がたくさんでてきて、それも読んでいて楽しかったです。
チョラレートをたっぷり塗った三日月型のパン、あげて砂糖をまぶしたパン…フィムの朝ご飯が美味しそう(笑)!
アマリアの紅茶といいスコーンといい、シュトルーフェのモデルってイギリスなのかしら。
そういえば確か『横柄巫女と宰相陛下』のルーシェリアさまは、お茶を飲んでいらしたよね…?今はカッフェ主流みたいですけど。
こういうことを好き勝手に想像するのは本当に楽しいです。

「ラララ叢書」の世界もまた少し知ることができて、楽しかったです。「愛花」本当に人気なんですね…。
まさかトトちゃんも愛読者だったとは。まあ少し思いめぐらせれば色々納得いきますが(笑)。
それ以上にインパクトがあったのは、「ホホホ叢書」でしたけどね。「ラララ叢書」以上にすごい名前。フクロウ?
「ホホホ叢書」…言葉が文章に出てくるだけで何だか笑えて先が読めなくなるんですけど…(笑)。

さて、ティエサちゃんとキアスのラストシーン。
おや、まさか3巻目でここまで進展するとは。前回も思ったけれど、予想外の早さです。
可愛いなーティエサちゃん。花火とか花火とか花火とか!
あ、他の方の感想を拝見してようやく気付きましたが、確かにティエサちゃんドレス着てないですね…それはちょっと残念(笑)。制服も可愛いんですけどね。やっぱりそこはね。


次のシリーズは、8月・9月の連続刊行だそうで。
もしかするとこれで完結の可能性もあるのかな?よく分かりませんが、楽しみに待っていたいと思います♪
両想いになったティエサちゃんとキアスくんのお話を、少なくとも後2巻分読めるなんて、嬉しいなあ。


一昨日と昨日、それぞれの記事に拍手下さった方々、どうもありがとうございました♪
コメントもありがとうございました!返信少々お待ち下さいね。

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カテゴリ: ルルル文庫

タグ: 鮎川はぎの 

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