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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『大正野球娘。』神楽坂 淳 

大正野球娘。 (トクマ・ノベルズedge)大正野球娘。 (トクマ・ノベルズedge)
(2007/04/17)
神楽坂 淳

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時は大正14年。
洋食屋〈すず川〉のひとり娘・小梅は良家の子女があつまる学院に通う十四歳。
ある日突然、仲良しの「お嬢」こと晶子が「一緒に野球をしていただきたいの!」と言い出した。
なんとなくうなずいてしまった小梅だったけれど、メンバーは九人集まるのか、道具は何をどう使うのか、ルールはどんなものなのか、分からないことだらけで…。


『活字倶楽部』やネット上で見かけるうちにだんだん気になってきていた、大正時代のお嬢様の野球の物語、今になって手に取ってみました。
表紙のイラストのお嬢様たちがはなやかでとても可愛らしい。

で、中身も読み始めてみて。
さくさくとテンポよく読んでいける文章で、気軽に楽しめました。かわいらしい挿絵もたくさん。
野球以上に、時代の雰囲気のあれこれやお嬢様達の友情が、読んでいて楽しかったです。

私的に楽しかったポイントは、まずは出てくる食べ物がどれもこれも凝っていて、美味しそうで仕方がなかったこと(笑)。
小梅が洋食屋の娘という設定もきいていて、びっくりするほどたくさんの食べ物が登場してきて、目移りしてしまいました。
ドミグラスソースのオムライスや、小梅のお弁当の豪華なサンドイッチ、ちらしずし、夏ミカンのデザートに特製ママレード、鶏肉のカレー、電気オーブンで焼く特製ホットケーキ…その他色々。
うーん、私はやっぱり、ホットケーキは焦がし派です(笑)。大正のひとの気持ちもわかる気はするけれど、オーブンで焼いたらやっぱりホットケーキとは別ものになると思うのよ…。あ、それか、普通のスポンジケーキとかカステラみたいな感覚なのかな。
ちなみに、食べ物の中で一番印象に残ったのは、小梅が三郎さんとのデートのお弁当に作ってきた、稲荷寿司。
これがただの稲荷寿司と思っていたら大間違い…グラデーションの工夫、参りました。小梅、本当に良いお嫁さんになれるよ(笑)。

小梅をはじめとして良家のお嬢様たちが慣れない野球に取り組みつつ、皆楽しそうに学院生活を営んでいる様も、読んでいて楽しいものでした。仲良しのかわいい女の子達が本当に大好きな私です(笑)。
庶民派で普通に良い子の小梅を、皆が愛している様子が伝わってくるのが、なんだか微笑ましい。
メンバーがたくさん出てきて微妙にキャラクターがかぶっていたりするせいか、ときどき誰が誰だったかごちゃまぜになったりもしたのですが(苦笑)。
私はやっぱりお嬢が一番好きかなあ。
この辺りは読んでいてなんだか『マリア様がみてる』の世界を思い浮かべてしまいました。(「小笠原」と呼ばれてとっさに「祥子さま!」と反応してしまった私がいました。笑)

後は、小梅と彼女の親が決めた婚約者・三郎さんとの微妙な関係も、読んでいてなかなか美味しいものでした。
はじめはとまどいしか抱いていなかった相手なのに、野球を一緒に見に行って人となりに触れて、いつの間にか意識していくようになった小梅がかわいらしかった。
小梅に勝手に想いをよせてくる人も現れて、三郎さんのはっきりしない態度に小梅がかっとしたり…。
やや年の差カップルのこのふたりの今後は、(あまり障害なさそうな気もしますが、)気になるところです。
小梅以外にも、そもそも野球をはじめる発端となった、お嬢と岩崎氏の間の件も…気になってしまいます。

野球のことについては、私自身がお嬢様方と似たり寄ったりの知識しか持ち合わせていないので、良く分かりません(笑)!
面白いけれどこんなやり方で本当に上手くいくのかな…とちょっと心配になったりもしたのですが、まあお嬢様達が一生けん命取り組んでいる様子が読んでいて楽しかったので、私的には問題なかったです。気になる人は気になるのかもですが…。
試合とか、次の巻ではもっと詳しく描かれるのかな。


川原泉さんのやっぱり女の人たちが野球を頑張る漫画『メイプル戦記』の世界を懐かしく思い浮かべつつ。

メイプル戦記 (第1巻) (白泉社文庫)メイプル戦記 (第1巻) (白泉社文庫)
(1999/06)
川原 泉

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続編も何冊か出ているようなので、また読み進めていこうかと思っています。
次も、美味しい食べ物を期待しています。(←なんだか楽しみどころが違う?)


昨日記事に拍手下さった方、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: 歴史もの

タグ: 神楽坂淳 

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