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『平安ロマンティック・ミステリー 嘘つきは姫君のはじまり 初恋と挽歌 』松田 志乃ぶ 

嘘つきは姫君のはじまり 初恋と挽歌 平安ロマンティック・ミステリー (嘘つきは姫君のはじまりシリーズ) (コバルト文庫)嘘つきは姫君のはじまり 初恋と挽歌 平安ロマンティック・ミステリー (嘘つきは姫君のはじまりシリーズ) (コバルト文庫)
(2011/07/01)
松田 志乃ぶ

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声を失った次郎君を支えるために、初瀬から後宮へと戻った宮子。
毎日そばで世話をするうちに次郎君はしだいに健康を取り戻すが、失声の病だけは回復しない。
彼のそばにいたいという気持ちから宮子は、「姫君」として生きる決意をする。
ついに宮子と馨子との身代わりの秘密を、次郎君に打ち明ける日がやってきたのだった…。


『嘘つきは姫君のはじまり』シリーズ、第10作目。
新刊発売と同時に読んだのはいいのですが、感想を書くまでに間が空いてしまいました…でもやっぱり書きたいので書きます(笑)。
以下、ややネタばれです。ご注意を。


前巻のラストの次郎君、様子があんまりにも深刻そうだったので、一体どうなるのか…と恐ろしい気持ちで手に取ったのですが、読み始めてみると、私が心配していたほどの深刻さではありませんでした(笑)。
次郎君、宮子ちゃんが戻ってきたことで確実に回復しつつあって、ほっとしました。
そして次郎君と宮子ちゃんのラブラブなシーンもしっかり楽しめて、それもほっとしました(笑)。やっぱりこのシリーズは次郎君の攻めの姿勢がなければね、楽しくないよね…。
おうむが覚えてしまった台詞のやりとりがお気に入りでした。

それにしても最初の挿絵の鹿子が、おめめぱっちり利発そうな女童で、かわいいなー(笑)。
宮子ちゃんも、しっとり落ちついた可憐な姫君さまといった風情でお気に入り。

で、ほっとしたのはその他にも、宮子ちゃんや次郎君たちを取り巻く人々の、ふたりへのあたたかな思いやりに触れられたからというのも大きいです。
宮子の女房たちも、馨子さまも、中宮さまや薔子さまも、兼通さまも、ふたりの行く末をそれぞれ真剣に案じてくれていて、ほろりときました…。

身代わりの姫、思えば頼りない身の上の宮子ちゃんですが、彼女自身をここまで真摯に案じてくれている力ある人がこんなにたくさんいらっしゃるなんて、本当に嬉しい。
そしてそれは、宮子ちゃんが今までの身代わり生活で、彼女自身の才能と努力で一生懸命にがんばってきた、姫君と名乗っても申し分ないくらいに成長してきた、その成果をみなさまがきちんと見ていて評価してくださっていたから、そういうのも大きいんだろうな。
いつも自分の身一つでがんばる宮子ちゃんは、とても魅力的で、きっと誰でも自然に応援したくなるものでしょうしね(笑)。

宮子ちゃんと馨子さまが、次郎君と蛍の宮さまに身代わりの秘密を打ち明けているシーンがとても好きです。
馨子さまの秘密兵器…すごい(笑)。もうさすがとしか。
宮子ちゃんと薔子さまの秘密の会話も楽しかったです(笑)。薔子さま美人!つゆくさのたとえも素敵だなあ。

それにしても切なかったのが…有子姫さまでした。
宮子ちゃんへ彼女がつきつけた言葉、自らの叶わぬ恋心とそれでも愛する人に幸せになってもらいたいという願いがよく伝わってきて、胸が痛くなりました…。
ああ、有子さま大好きです。彼女には本当に幸せになってもらいたいんですが…。真幸とのことはやっぱり難しいんだろうなあ…。切ない。
史実のこともありますし、兼通さま、今回はちょっと楽しかったけれど(笑)、この先娘のことでどういう手を使ってくるのやら。

なんとなく気を休められる雰囲気が流れたのもつかの間、第2章。
章タイトルからも、ついにこの展開がくるのか…と半ば覚悟を決めて読んでいましたが…。ああ、やはり避けられないのだなあ、中宮さまのこの運命は(涙)。読んでいて私の目もずっとうるうるしていました…。
そして最期まで、中宮さまのあらゆるひとたちへの心配りが素敵過ぎて、もう感激してしまいました。やはりこの方は、最高の女人さまです。永遠の憧れです。
帝の中宮さまへの愛情もひしひしと伝わってきて、それも悲しくも感動してしまいました。
シリーズの中でも名場面だったと思います。ここのところは史実にそって、よく書き切ってくださいました。

そして後半になって、市の聖のもとへお忍びで訪れることになった宮子たち一行。
鳥が飛び立つシーンとか、静かに美しく生の喜びが感じられて良いものでした…けれど、やっぱり平穏に帰ってこれる訳じゃなかったのね(汗)。
真幸と有子姫さまのこともびっくりでしたが、序盤からさりげなく登場していた盗賊たちが、ここにきて物語をひっかきまわしに来るなんて!
瓜と文殊丸のシーンは和んで良かったんですけどね…(笑)。

盗賊たちに連れ去られた次郎君と宮子ちゃん、次郎君が予想以上に頼りになって、びっくりしつつも嬉しかった。
真幸も助けに来てくれて、やはり格好良かった。
次郎君も真幸も、これも私が思っていたよりもずっと成長していて、若くてもきちんと大人な考え方をするようになっていて、いやあ、頼もしいなと思ってしまいました。
そっか、宮子ちゃんのお妃問題は、そういう部分を考えてのことだったのね…。次郎君の気持ちがとても嬉しかったです。

ちょっとほっとしたところで…またまた急展開で、ラスト、これですか!(泣)
いやあ、また続きが気になってじたばたせずにいられない…!真幸、大丈夫なのかしら本当。

続きが来月にはもう読めるのはとても嬉しいですが、その来月の新刊で、シリーズ完結のようで。
ああ、このシリーズもう終わっちゃうのね…。読み始めたのは途中からでしたが、愛着のあるシリーズだったので、嬉しいけれどもとても寂しい気分です。
宮子ちゃんと次郎君、真幸、馨子さま、有子姫さま…とにかくすべてのひとたちが、お話の許す限り、幸せになってもらいたいと切に思います。


ここ3日の間に記事に拍手下さった方々、どうもありがとうございました♪
コメント下さった方もありがとうございます!お返事少々お待ち下さいね…。

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カテゴリ: コバルト文庫

タグ: 松田志乃ぶ 

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