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『レナード現象には理由がある』 川原 泉 

レナード現象には理由がある (ジェッツコミックス)レナード現象には理由がある (ジェッツコミックス)
(2006/06/29)
川原 泉

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前回記事にした『コメットさんにも華がある』(こちら)より前に描かれた作品。
『コメットさん』と同じく、超・進学校の彰英高校に通う高校生たちが繰り広げる、ほのぼの学園生活を描いた四つのお話。


前回も書きましたが、最近発売された『コメットさん』があまりに楽しかったので、手に入れた当初はあまりきちんと読んでいなかったと思われるこの『レナード現象』を本棚から引っ張り出してきて、改めて読んでみました。
昔はこのコミックの川原さんの新しい絵に馴染めなくてちょっと微妙だったんですが…、今読むと、こちらもとても楽しい川原さん作品として楽しむことができました。

うーん、この『レナード現象』から『コメットさん』にいたる作品を順番に読んでいると、どうもまた絵が変化していっているように、私は感じました。(具体的には少女漫画らしく柔らかくなっていっているように。)ほんの少し程度なんですけどね。
絵と同時に、お話自体も、進むごとにこなれてきてより川原さんらしいリズムが増してきて、面白くなってきたように思いました。
そういうのもあって、『コメットさん』から読むとすっと入っていきやすかったのかな。

登場人物が微妙にリンクしていて、「あ、この人あっちの方でも出てきた…!」という発見もあったりして、そういうのも楽しめました。
地味でも個性が強い人ばっかりなので、印象に残るのです(笑)。


以下、各話ごとに感想を。
「レナード現象には理由がある」
蕨よもぎさんは、のんびりマイペースな女の子で、実はかなりの不思議な力を持っている。
隣の席の飛島穂高君は、大病院の御曹司であらゆる面に優れた天才少年だったけれど、ある日父親に「お前は医者に向いていない」と言われてしまい…。

よもぎさんは、川原さん作品のヒロインの中でも、二重の意味で相当レベルの癒し系(笑)。
飛島君のお父さま、息子に容赦がなくて、なんだか笑えました。
平凡な見かけなのに常識の枠内を超えている(笑)よもぎさんとの関わりを通じて、ひとまわり成長した(多分)ラストの飛島君が割と好きです。
脇役の少年少女も何気にその後が気になります…。

あ、そうそう、『コメットさん』でもお話ごとに出てきていたけれど、裏庭のベンチの噴水…。川原さんの作品をずっと追いかけているファンの方なら、「ああっこれは!」みたいな感じではないでしょうか(笑)。一体どこまで進出する気なんでしょう(リトル・グレイ)。


「ドングリにもほどがある」
超がつく楽天的思考の持ち主・亘理実咲さん(リスを飼っている)は、「ドングリ」がご縁で友成真一郎君と親しくなる。
実は高校生作家の友成君は、亘理さんとしゃべっていると、なぜかアイディアとインスピレーションが豊富にわいてくるのに気づくのだけれど…。

亘理さん、本当にゆるゆるのヒロイン…(笑)。気が抜けた笑顔にこちらも脱力し、なんだかほっとします…。
このヒロインとヒーローの関係は、昔の作品「ミソ・スープは哲学する」(文庫『空の食欲魔人』収録)にちょっと似てるかな。(あのお話も大好きです!シドニーが本当に一途できゅんときました…。)
チャッピーがかわいらしくて、それだけにちょっと切なかったです。


「あの子の背中に羽がある」
受験の時期のために柔道部を引退したばかりの真面目な高校三年生・保科総真君の家の隣に、母娘ふたり家族が引っ越してきた。
草取りで指をきった総真君にばんそうこうをくれた小学六年生の少女・若宮遥ちゃん。総真君はなぜか、遥ちゃんの背中に羽が生えているようにみえるのだけど…。

年の差ヒーローとヒロインが多い川原さん作品の中でも主役ふたりの年齢がずれていて、その分他のお話とは違う風に楽しめたように思います♪
高校三年生の保科君と、小学六年生の遥ちゃん。周囲の誰にもカップルに見られていないけれど、保科君など「ひとめぼれ」で、ずーっとお互いのことしか見えていない!(笑)なんて微笑ましいカップル(笑)。
自分の気持ちを指摘されて自分は変態なのでは…と悩む保科君、ちょっと気の毒だけれど微笑ましいのです。
いや、変態には全く見えないんですが。彼は真面目すぎるほど真面目で良くできた少年で、川原さん作品特有のほのぼの感とあいまって、読んでいても安心して和めました。
「高3男子が小6女子に懸想してるなんて…」―語彙からして硬いよ!
遥ちゃんの方も、かわいらしいやきもちを焼いたりで保科君大好きなので、その点でも問題ないと思いますしね!若宮君がもう完全なあて馬で、いくら生意気でも気の毒としか思えない…(笑)。
「キミが元気無いとボクはごはんがおいしくない」みたいな?…いや、繰り返しですが本当にかわいいですよこのふたり(笑)。なんという純情初恋物語。

大丈夫、遥ちゃんが高校生(それがだめなら大学生?)になったころには、きっと世間様的にもお似合いのカップルになっているはずですよ!
このふたりなら、きっとそれまで、お互いにほのぼの好意を持ち合ったままの関係でいられることでしょう。

理解せよ 得心せよ
変態は自分の事しか考えない
まず先に相手のことを考えられる人は 絶対に変態とは言わないんだ
この両者の間には百万光年以上の隔たりがあるってことを
理解せよ 得心せよ (115頁)

―いやあ、さすがすぎるカーラ教授の名言が出ました(笑)。

遥ちゃんを変質者から救った総真君は普通に格好良すぎるヒーローでしたし、ラストのやりとりもほのぼの…。
あ、そうそう、主役以外ですと、総真君のお母さまがかなり良い性格していて読んでいて面白くて好きです。自分の母親だったらちょっと嫌ですが(笑)。


「真面目な人には裏がある」
日夏晶さんの隣の席になったのは、軟派でタラシと呼ばれる塔宮拓斗君。
ある日晶さんの兄が「家族に会ってもらいたいひとがいる」と言いだした。お相手を楽しみに待っていた家族の前に現れたのは、たっくんのお兄さん…?

川原さん、この話といいあの話といい、お好きなんでしょうか?(苦笑)
私の場合はヒロインが活躍するお話ならそれで良いので、この話は普通に楽しめました♪
私はこの手のお話はまず読まないので何とも分かりませんが、彼ら二人の場合は…まあそれもいいんじゃないの、幸せになれるよ…と祝福をおくりたい気分に自然となりました(笑)。日夏さんのお兄さんの良い人さ加減がかなりすごい。
まあ彼らは置いておいて(笑)、主役のヒーローとヒロインはきちんと(?)ロマンスしていて、特にラストのお家訪問はたっくんが微笑ましかったです…。
実は兄のおかげでさんざん苦労させられてきたたっくん。日夏さんと一緒に幸せになってほしいな。
日夏さんとその友人とのコンビも、息があっていて楽しかったです。

このお話で、『コメットさん』の最初のお話で出てきた花村君が初登場だったんですね。
そういえば彼は文芸部でしたっけ…。彼が書く作品も何気に気になります(笑)。


今回のコミックスの中での私のお気に入りは、感想の文章量にすでによくあらわれていますが(笑)、「あの子の背中に羽がある」でした。次点は「真面目な人には裏がある」かな。
遥ちゃんの本当に小学生っぽい(私基準ですが)二つ結びや、日夏さんの三つ編みや、女の子のヘアスタイルも、今どきの他のお洒落な漫画に比べるとやはりレトロっぽいかもですが、私個人的にはかえってなじみ深くて、かわいらしくて好きです♪


ああ、本当にひさしぶりに、川原さんの漫画の世界に存分にひたれました…。くすりと笑えて、ほのぼのしあわせ気分の少女漫画。やっぱり好きだなあ。
時間に余裕があるのなら、本当は川原さん作品すべての感想をブログに書きたいところです(笑)。それくらい大好き。


昨日それぞれの記事に拍手下さった方々、どうもありがとうございました♪
コメントもたくさんありがとうございます。嬉しいです!レスは少々お待ちいただけるとありがたいです…。

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カテゴリ: 漫画・白泉社

タグ: 川原泉 

この記事に対するコメント

こんばんは。

最近、大雨とか地震とか、三重の方で災害が多いですが、お住まいの地域は大丈夫ですか?

『コメットさん・・・』は入手しましたが、この本は、まだ手元になくて、読めてないんです。一応続きなんですよね。いつ入手できるかわからないけど、もう少しの我慢かなと。

川原泉さんの『笑う大天使』もまもなく手元に。もう一冊、お勧めいただいた本も読んでみたいと思います。

あと・・・最近、懸賞に応募したくてツイッターを始めました。
以前にも応募しようとしてツイッターに登録できたかわからず、そのままにしてあったのが生きていたので、今回再度、懸賞に応募した次第です。
そこで、fallclover様をフォローしているに登録させていただいちゃいました。
私は、イマイチ使い方がわかっていませんが、よろしくお願いします。

今日の中日新聞の広告欄に、三浦しをんさんの文庫が載ってました。
『仏果を得ず』ですが、内容も気になりますが、イラストが勝田文さんということも加わり、関心度アップしてます。

すっきりしないお天気ですが、体調等どうぞお気をつけください。

URL | かすみ草 #-
2011/07/27 21:15 * 編集 *

Re: タイトルなし

>かすみ草さん
コメントありがとうございます。

こんにちは♪
最近たくさんコメントいただいておりまして、どうもありがとうございます…!

はい、大雨も地震もありましたが、私の住まいには特に被害はなかったので全然問題ないです、心配してくださってありがとうございます。

『コメットさん』入手されたのですね!
確かに『レナード現象』の方が先のお話ですが、特にストーリーがつながっている訳ではないので、どちらから読んでも問題なく楽しめると思いますよ!若干登場人物がリンクしていますが、お話の順番的にはたいして関係ないと思います。
むしろ、少女漫画好き、昔の川原さんの漫画が好き、とおっしゃる方には、私みたいに『コメットさん』の方から読んだ方がとっつきやすいかも…。

『笑う大天使』共々おすすめなので、またお時間のあるときに♪

かすみ草さんもツイッターをはじめられていたんですねー。
私の方からもフォローさせていただきました(笑)。
多分慣れないうちは、何をつぶやけばいいのか、どうやって使えばいいのか、分からなくてとまどうと思いますが…その内分かってくると、なかなか楽しいですよ♪
私もはじめたころは、まさか自分がこれほどツイッターを活用することになるとは思っていなかったです…。親切なフォロワーさん達に恵まれて良かったです(笑)。

『仏果を得ず』、そうですよね、勝田文さんの挿絵が素敵ですよね!
私もずっと気になりつつ未読のままなのですが…。

そちらの方も暑くて過ごしにくい日が続いていることと思います。体調等崩されないように、元気にお過ごしくださいね!

URL | fallclover #SvKcs0as
2011/07/29 16:04 * 編集 *

こんにちは。

最近、本当に頻繁に書き込みをしていてご迷惑では・・・と
思いながら懲りずにお邪魔しています(すみません)

川原さんのマンガの件、ありがとうございました。

今、『笑う大天使』を読んでまして・・・作品をすっかり思い違いしてました。面白くてはまってしまいました(笑)
どの作品と勘違いしたかは謎なんですが、おそらく手にした当時、疲れていたのでしょう。

『コメットさん・・・』、先に読んでも大丈夫なんですね。
近々読もうかと思ってます。
『レナード・・・』『コメット・・・』の『~がある』シリーズ、今も連載されているんですね。雑誌のサイトで知りました。
この連載されている雑誌、読んでいる作品が結構多いので、チェックしてたら、偶然発見しました。

とある作家さんが、「今月号には川原さんの新作が・・・」と以前ブログに記事を書かれているのを見かけたことがありますが、このシリーズのことだったんですね。やっと結びつきました。

では。

URL | かすみ草 #-
2011/07/31 13:21 * 編集 *

Re: タイトルなし

>かすみ草さん
コメントありがとうございます。

こんばんは!
いえいえご迷惑だなんてそんなことないです!むしろ頻繁にいらしてくださるので、かすみ草さんがお疲れじゃないか心配です…。
ご自分のよいペースでいらしてくだされば、私は全然問題ないです♪(私の返信もときどきマイペースだと思いますが…申し訳ありませんがそこは気長にお待ちくださいね。笑)

『笑う大天使』読まれたのですね!
ね、面白かったですよねー!感想を共有できて嬉しいです、大好きな作品なので(笑)。
自分の調子のタイミングによって、面白いはずの作品が「あれ…?」みたいな感じ方になること、私も経験あります。
時を待つしかないのがなんとも…(汗)。

はい、私自身、『コメットさん』の方から先に読んだも同然ですし(笑)。
川原さんの作品がまた新しく読めるというのは、それだけでとても幸せなことです♪

ではでは♪

URL | fallclover #SvKcs0as
2011/08/01 21:08 * 編集 *

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