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『そして花嫁は恋を知る 紅の沙漠をわたる姫』小田 菜摘 

そして花嫁は恋を知る 紅の沙漠をわたる姫 (そして花嫁は恋を知るシリーズ) (コバルト文庫)そして花嫁は恋を知る 紅の沙漠をわたる姫 (そして花嫁は恋を知るシリーズ) (コバルト文庫)
(2009/01/30)
小田 菜摘

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ブラーナ帝国の皇女とはいえ、帝都で薬師をして生活していたユスティニア。
そんな彼女は突然父親に呼び出され、帝国の占領下にあるネプティス王国に嫁ぐことになる。
その道中ユスティニアは、前ネプティス王の息子・ナティールが率いるネプティス人の反乱軍に誘拐されてしまう。
にわか仕立ての皇女のユスティニアに、もし人質の価値がないと知れたら…?


小田菜摘さんの『そして花嫁は恋を知る』シリーズの3巻目です。
最近の私は、このシリーズをひたすらおいかけて読書していました(笑)。
大分前に1巻目『黄金の都の癒し姫』を読んでそのままなんとなくストップしていて、最近になって『白銀の都に旅立つ姫』を読んで、それからまたこの『紅の砂漠をわたる姫』を読んで…、そうこうしている内に、気づけばどんどん読みたくなってはまっていた感じでした(笑)。
舞台は基本的に同じ、けれど毎回時代と主人公が違うというオムニバスもののロマンス小説は、今野緒雪さんの『夢の宮』シリーズがとても好きで、なんとなくその感覚で読んでいたんですが…、こっちのシリーズは、『夢の宮』とは違って作品同士のつながりが明確で、続編もあったり登場人物たちもはっきりとリンクしていたりで、一冊読むごとに次とのつながりが気になる、その繰り返しで。

世界史的にモデルとなっている国がはっきりしていて、異国の雰囲気や風習や宗教や考え方のあれこれ等、しっかり読めたのもポイントでしたねー。世界史詳しくないとはいえ、歴史もの好きなことは確かなので(笑)。
ブラーナのモデルの時代のこの国々は、高校の世界史でもあんまり詳しく勉強した覚えがないので、色々と新鮮で面白かったです。
むしろロマンス以外の部分で読みごたえがあって、難しいテーマに読んでいて結構頭を使うシリーズでした(笑)。でもただ甘いだけのお話より、個人的にはこういう、ロマンス以外の部分でも読みどころがあるさらっとしたお話の方が好み。ま、それにしてもちょっともの足りない感も感じてしまったのも確かなんですけどね…。

シリーズ中でどのお話が一番好きかと言われるとちょっと迷っちゃいますが…(笑)、読んでいて一番最初に「このお話が一番好き!」とはっきりと思えたのは、この『紅の砂漠をわたる姫』でした。
1巻目も2巻目も嫌いじゃなかったんですけれど、この3巻目はなんと言えばいいんでしょう、私の心の奥深い部分にそっと触れてきた、そんなお話でした。
ぼんやりとした感覚で言葉にするのは難しいんですけれど、主人公ふたりの間で次第に育っていった心の絆がとても良かった。古の時代のネプティス王国の雰囲気がなんだかとても私好みだった。まあそんなところでしょうか?

誘拐された姫と敵方の王子の砂漠の旅、王道的な設定で。でもこういう話は私好みに書かれているならばとても好きなので(笑)。
はじめのうちはユスティニアの不幸な境遇に胸が痛み、彼女に冷たく当たるナティールにちょっといらいらしていましたが(とはいえ反乱軍の仲間からユスティニアをかばってくれる彼は公正な人物で格好良いなあと思えましたが…)、お互いに少しずつそれまで知らなかったことを知っていき、傷つき悩み苦しみつつも成長していき、次第に心を通じ合わせていく様子が良かったなあと思いました。
ユスティニア視点で最初から最後まで書かれていたので彼女のナティールへの気持ちの変化は自然と分かりましたが、ナティールの方はまあ分かりにくいですね(笑)。
でも私的には、彼のあの歌の使われ方が最後までとても気に入ったので、それで良いです(笑)。(なんて素敵な愛の告白…ですよね?

ネプティスにやってきてからの方が、ふたりが心を通じ合わせられていたからか、お気に入りのシーンが多かったです。
ユスティニアの父親のクレイオス、私は娘との和解があるのかなあ…とぼんやり思っていたんですが、いやいやとんでもない、完全な悪役でした(笑)。さすがにこの結末は同情しますが…、自業自得という気も。
王宮の水没でユスティニアを救おうと必死なナティールもよかったですし、ナティールの命を救おうと自分なりに考えて奔走するユスティニアも健気で胸を打ちました…。
リジエラさまの最後の言葉が、心に染みました。

「姫様から、あなたを王宮に渡すつもりだと相談されたとき、どうしようかと迷ったの。
王宮に渡さなければ、あなたは殺される。だけどあそこに戻るくらいなら、あなたは死んだ方がましだと思うことくらいわかっていたから……。
でも、これが息子だったら、私は問答無用で姫さまに協力したでしょうね。
どれだけ憎まれようとためらわずに」
そこでリジエラは言葉を切り、ユスティニアの方を見た。
「姫さまはためらいませんでしたね」 (241頁)

終章でのふたりの未来は、あとがきによると別のパターンもあったようで他の人の感想にも賛否両論あるようですが、私はこの結末、というかふたりの決意が好きです、すごく。
ラストのふたりの会話が、切なくてでも幸せで、何度も読み返してしまいます…。


このお話のスピンオフが、『大河は愛をつなぐ』でした。

そして花嫁は恋を知る 大河は愛をつなぐ (そして花嫁は恋を知るシリーズ) (コバルト文庫)そして花嫁は恋を知る 大河は愛をつなぐ (そして花嫁は恋を知るシリーズ) (コバルト文庫)
(2010/01/29)
小田 菜摘

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ユスティニアとナティールは本編には直接登場してきませんでしたが、前編によるとナティールはとても良い王様として頑張っている様子が伝わってきて、彼が好きな私としてはとても嬉しくなりました(笑)。
前編の表題作、アリアスが最初の内は少々問題のある皇子さまでしたが、妙に憎めないキャラクターで話が進むごとになんだかかわいくなってきて(笑)、ラストはああよかったね、みたいな感じでした。
ナルメルも凛とした格好良さが好きです!盛装した彼女がとても美人(笑)。
後編の「草原の女王」は、ラフィニア、最初は正直いらいらするだけのヒロインでしたが、彼女も段々成長していく毎に好感が持てるようになってきて、ラストまでたどりつくとなんとも切ない…。良い娘さんなので、彼女にも幸せがあってほしいです。

あと、おまけ漫画の「ある日のネプティス宮廷」、あまりの甘さと幸せ感いっぱいな空気に、最初読んだ時はひっくり返りそうになりました(笑)。
な、なんてかわいらしい夫婦なんでしょうナティールとユスティニア…。美貌のカップルですから、こういうのも目の保養です(笑)。
色々困難なことはあるんでしょうが、ふたりの日常は幸せそうで何よりです。ごちそうさまでした…!


昨日それぞれの記事に拍手下さった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: コバルト文庫

タグ: 小田菜摘 

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