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『はるかな空の東―クリスタライアの伝説』『砂漠の歌姫』村山 早紀 

はるかな空の東―クリスタライアの伝説 (新こみね創作児童文学)はるかな空の東―クリスタライアの伝説 (新こみね創作児童文学)
(1997/01)
村山 早紀

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神様と歌うたいの伝承が語り継がれ、魔術師たちが力を持ち宮廷に仕える異世界。
聖なる予言を下された双子の王女たちが、花の都・ファルクラウンに生まれた。ふたりは周囲にいつくしまれて育てられる。
ところがある晩、彼女たちを狙う呪われし魔術師が、王宮にやってきて…。


これは私が中学校のときに図書館で出会った、本当に大好きなファンタジー小説です。
記憶がもうあいまいなのですが、現代日本の作家さんが書かれるファンタジー小説に私がはまったのは、この本がはじめてだったと思います。
(これを読んで、『クレヨン王国』シリーズを読んで、『勾玉三部作』を手に取った…みたいな流れだったと記憶しています。)

下に挙げた『砂漠の歌姫』と一緒のタイミングにと思って図書館で再び借りてきて読んでみたのですが、今読んでも面白さはまったく損なわれず。
ひとつひとつのエピソードが懐かしくて愛おしくて、お気に入りのキャラクターに再び出会えて嬉しくて、すでに筋が分かってはいるもののストーリーそのものもはらはらどきどきで面白く、読み終えた後は快い満足感で胸がいっぱいに…。思わず古びたハードカバーを胸に抱きしめてしまいました。
やっぱり私、このお話大好きです。しみじみ。

音楽が魔術よりも力を持ち人々を癒す…みたいな世界観が、当時吹奏楽部員で日々音楽に触れていた私にとって、よりしっくりときたんだと思います。
伝説の紋章の歌姫など各種モチーフは、強烈に印象深く私の中にインプットされました(笑)。
今でも私の中で一番位の高いイメージの宝石は、紫水晶だったりします(笑)。

主人公の少女ナルが、事情があって現代日本で若い叔母さんと暮らしているところからお話ははじまって。
なんというか、子どものころは私もこんな考えしていたよ、ああ分かる分かる…、みたいに彼女の視点にはとても共感できて、自然と引き込まれつつ読んでいけました。
私は悪い子だから、罰を受けても仕方がないんだ…みたいな苦しい気持ちは、昔の私も確かに持ったことがあります。
トオヤの方の葛藤も、また別な風に共感して読めました。
…うーん、今読んでいると、その悩める気持ちも愛おしい子どもたちです(笑)。
あ、もちろん悩んでるだけじゃないです。魅力的でかわいらしい双子ちゃんたち。
周囲に支えられ、試練に孤独に立ち向かってときに傷つきつつも、次第に力を得ていって最終対決に…という流れが王道ながらにとても良いです。

脇役の女性陣がまた素敵すぎるのです(笑)。
ナルが異世界で出会った、紫水晶の紋章の歌姫・サーヤ・クリスタライア。
美しくて気高くて、強さと弱さを併せ持ち、澄んだ歌声で人々を癒す彼女の魅力的なことといったら!
後、いつも明るくて強くてさばけた魔術師のお姉さん・ハヤミさんも、クリスタライアとはまた別な風に魅力的すぎる女性です。窮地に絶妙のタイミングで助けに入ってくれる彼女、格好良いです!
本物の魔術師なのに、日本のゲーム大好きなところとか妙に楽しいんですよね…(笑)。
このふたりは特に、未だに私にとって、憧れの女性です。
(今読んで、ハヤミさんとミオさんが高校生の年齢だったことにびっくりしました…。大学生くらいだとイメージしていたのに!笑)

ナルと沙由里、ユリアとのそれぞれの友情も、とても好き。
中学生の私にとっては、今より友達問題ってずっと深刻でしたから…このゆるぎない友情は、読んでいて私の救いでした。憧れましたねえ…。

かわいらしい挿絵、村山早紀さんご本人が描かれたものみたいで、これがまたお話によくあっていて素敵なのです。弦楽器を演奏するクリスタライアの美しい姿とか特に好き。フェンとテーイーもかわいいのです(笑)。羽根熊…♪
悪役の魔術師、「雪白のサフィア」と呼ばれていたころの容姿は、最近読んだ少女小説『横柄巫女と宰相陛下』シリーズに出てくるキルテの子ども時代のイメージになりました(笑)。あくまで「雪白のサフィア」です(笑)。

…なんというか、とにかく思い入れが強すぎていつも以上に感想を語るのが難しいのですが…(いくらでも語れるのよ…笑。)とにかく、大好きな作品なのです。以上(笑)。


水晶姫は、黒い瞳に微笑みを宿し、
『「いるとしたら」、でいいのよ。サーヤ、あなたはどんな願い事をかなえてほしい?』
そうですね、とサーヤは笑って空を見た。
『風になりたい―』 (312頁)


そしてこのお話の姉妹編で今回はじめて読んだのが、『砂漠の歌姫』。

砂漠の歌姫 (軽装版偕成社ポッシュ)砂漠の歌姫 (軽装版偕成社ポッシュ)
(2006/12)
村山 早紀

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『はるかな空の東』と世界を同じくする、歌姫の卵の女の子と記憶をなくした訳ありの女の子をメインに語られる冒険物語。
作品同士のつながりは特になかったのが、前作のファンだった私にとっては正直もの足りなかったのですが…(笑)、村山早紀さんテイストの読みやすいやさしいファンタジーの世界はそのままで、とても愛おしい気分で最初から最後まで読んでいけました。

ユンは、はじめはあまり歌姫さまというイメージではないなあ(←前作にかなり影響されている。笑)、とがった子だなあと思って読んでいましたが…、読み進めていくうちに、この子の勇気や優しさなど素敵な部分がきちんと分かってきて、ああ好きだなこの子…と素直に思えました。
リーヤとの友情が特に好きです。
彼女が歌っている歌、歌詞とかもっと詳しく知れたらより良かったなあと思いました。
ダルシウーラの音色も生でぜひ聴いてみたいです。

脇役キャラ、魔術師のイザさんがハヤミさんを彷彿とさせるお姉さんで、なんだか嬉しくなりました(笑)。
ヒロインから見てみれば充分大人で頼れる存在なんだけど、実はヒロイン以上に血が熱くてときどき無鉄砲…それを年配の人に常にしかられているという、ね(笑)。
後、ファリサさんは、呪われし魔術師サフィアさん以上に、共感のできる悪役のお姉さんでした。まあ彼女は結局悪役にはなりきれていなかったから…。
イザさんの最後の言葉が、印象に残りました。イザさんにとってみたら複雑ですよね…。

それぞれのキャラクターに共通して思ったんですけれど、「故郷」と心から呼べる、生涯をかけて愛せる場所があるって、いいことだなあ、と。
最後の最後でエスタを自らの故郷と悟ったユンの姿が、印象的でした。
エスタは物語の最初から、栄えていた時代の夢まぼろしを見ているような静かな雰囲気の街で、なんだか淡々としているなあ…とも思っていたのですが、読んでいくうちにこの雰囲気もまた良いものだなあと。

後、市長の息子のレンデイが、かわいいよね(笑)。
良いですよね。年若き少年よ、恋をするがいいよ!みたいな感じです。気分は市長さんです。
レンデイとユンがこの先どうなるかが、一番気になる私です…。
優しくておだやかなレンデイですが、実はちゃっかりしていて賢そうなので、きっと近い将来、ユンを口説き落として自分の作った曲を歌ってもらう生活を手に入れるんじゃないかな…と私は勝手に思っています(笑)。


作品を読んだ後に村山早紀さんのサイトの作品紹介を読ませてもらっていたら、『はるかな空の東』と『砂漠の歌姫』のつながりが詳細に書かれていたり、続編構想もあったりして、とてもときめきました(笑)。
続編読みたいです…!それはもう本当に。
私もファンレターを書こうかなあ…。
村山早紀の風の丘通信


うーん、長年の愛は本当、書き表すのが難しいなあ…。読みにくい感想でごめんなさいです(汗)。
年を経てもなお大好きなままでいられる物語が存在するのは、とても幸せなことだと思うのです。
目を閉じれば今でも、サーヤ・クリスタライアが星祭りの歌をうたっている美しい姿がふっと浮かびます。
『砂漠の歌姫』も期待を裏切らない素敵なお話で、嬉しかった。


昨日それぞれの記事に拍手下さった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: 村山早紀さん

タグ: 村山早紀 

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