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『そして花嫁は恋を知る 黄金の都を興す姫&月の女神は黎明を導く』小田 菜摘 

そして花嫁は恋を知る 黄金の都を興す姫 (コバルト文庫)そして花嫁は恋を知る 黄金の都を興す姫 (コバルト文庫)
(2010/07/30)
小田 菜摘

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皇女でありながら、父の後妻である現皇妃が苦手で、宮廷から遠ざかり離宮で暮らすイリアティーヌ。
そこへ結婚相手として紹介されたのが、若き将軍シリウスだった。
ところが彼は、次期皇帝となることができるこの結婚を断るつもりのようで。
驚くイリアティーヌだが、実は、彼とは何年も前に出会っていたことに気がついて…?


『そして花嫁は恋を知る』シリーズの第9作品目。
前の記事に書いた『黄金の都を受け継ぐ姫』とタイトルが似通っていて間違えそうになりましたが(笑)、表紙のイメージが全然違うので、実際に手に取って以降は間違えることはありませんでした。
タイトルが意味することもなんとなく分かるんですけれど、この巻のイメージは、やっぱり表紙背景のような夜の色とイリアティーヌの髪の銀色です。
この表紙素敵ですね…。今の季節にはとくに、目にも涼しくていいものです。

シリーズ最古の時代で、これまでときどき歴史語りに出てきた人物のエピソードが出てきて、なるほどそういうことだったのね…と発見する思いで読んでいきました。

この巻と続巻の主人公のイリアティーヌとシリウス、このふたりはなんというか、初々しさが好きです(笑)。
『興す姫』の方のふたりは、シリーズの他作品同様、出会って困難を乗り越えつつお互い次第に距離を縮めていって…というパターンのお話でしたが、私の印象では他よりロマンス度が高めで、微笑ましかったです。
イリアティーヌがシリウスにぶきっちょな態度を取ってしまいつつも惹かれていく気持ちもよく分かりましたし、シリウスの方も、拒絶の態度を取っているのかと思えばそうでもなく、さらっとナチュラルにイリアティーヌを大切にしていて、微妙にじれじれな距離感が美味しかったです(笑)。
予定外にふたりでお芝居へ行った前後のシーンが好き。イリアティーヌが楽しみにしていたお芝居を一緒に楽しめる感性の持ち主だったシリウス、お似合いじゃないですか(笑)。
花を贈るシーンも好きです。
まあ、エイレーネへのシリウスの気持ちはちょっとよく分からなかったですが…、私はこの本を読んですぐに『月の女神』の方も読んで一応すっきりしたので、あまり気になりませんでした。

離宮に引きこもっていたイリアティーヌが、次第に自分のなすべきことを知り周囲の影響もあって成長していく様も、シリーズの他の作品同様読んでいて気持ち良かったです。
深窓のお姫様育ちでも、世の常識に疑問を持ち、本当に正しいこととは何か、自分の頭で考えるイリアティーヌが好きです。
シリウスの過去の辛い痛みに触れ、なんとかして寄り添おうと一生懸命なイリアティーヌが好きです。
イリアティーヌとシリウスの出会いの場面も、巻末の椎名さんのイラストも拝みつつ、印象深いものでした。
ファウスタとの対決、最終的にふたりで心をひとつにして立ち向かっていくふたりが格好良かったです。

イリアティーヌの侍女のエイレーネ、皇妃様のファウスタ、それぞれ印象的な脇役女キャラクターでした。
ファウスタは、読んでいていっそ清々しくなるほどの悪女っぷりでした(笑)。作者さん力を入れていますね…。
エイレーネは、なんとも複雑な立ち位置の侍女だなあと思いました。理解できる面とできない面がありましたが、優しさの中にぴんと筋を持ち、主人を常に大切に見守る彼女は、読んでいて好きでした。

後、ルクレティアスが好きです私(笑)。
ヒーローの親しい友人的な男性キャラって、これまでのシリーズには珍しかった気がします…。なんだか新鮮。
陽気で人好きする性格といざというときの頼りがい、どちらも良いなあ。

ラストの結婚式の描写も幸せいっぱいで良かったです。
花嫁さんきれいだなあ…。(うっとり)


ふたりが結婚して皇帝夫妻になった後のお話『月の女神は黎明を導く』。

そして花嫁は恋を知る 月の女神は黎明を導く (そして花嫁は恋を知るシリーズ) (コバルト文庫)そして花嫁は恋を知る 月の女神は黎明を導く (そして花嫁は恋を知るシリーズ) (コバルト文庫)
(2011/02/01)
小田 菜摘

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イリアティーヌとシリウス、きちんと夫婦でラブラブで、読んでいて幸せになれました(笑)。
他の少女小説の夫婦ものみたいなべたな甘ったるさはなかったですけれど、まあイリアティーヌもシリウスもそんな性格じゃないですものね。この真面目さん同士のラブラブも良いものです。
他の方の感想を拝読していてうなずいてしまいましたが、イリアティーヌもシリウスも、お互いのことがとてもとても好きですよね。
お互い全く別な人生を歩んできて、ときどきすれ違ったり上手くいかないこともあるけれど、それでも相手の人間性そのものを愛しているから。
悪夢にうなされていたシリウスに必死に飛んで行ったイリアティーヌの場面が、なんだか好きです。
シリウスがイリアティーヌに向ける言葉も、妻へのいとしさに満ちていて読んでいて幸せ。

主人公たちのロマンスと同時にとても読みごたえがあったのが、ルシアン教を国教とするまでの物語。
私は知識がないのでなんとも語れませんが…、難しいんだなあ宗教って。民衆の心も難しい。
難しかったけれどそこは少女小説として書かれているので読みやすく、面白かったです。
エルミヤとプロシウス司祭、対照的なふたりの姿にも、色々考えさせられました…。
それにイリアティーヌが最終的にあの選択に至るまでの心情のステップは、私的にはとても共感できるものでした。
上手く言えないのですが、人の命というものを常に大切にしようと考える、これまで知らなかったものも自分で考えた末に受け入れる、彼女らしい。

ルクレティアス、相変わらずありとあらゆる方面で大活躍で、格好良かったなあ(笑)。
私は彼がとても好きなので…ロクサリア様への想いは、ぜひ報われてほしいなあと思います。
そんな感じだったので、おまけ漫画はかなり楽しかったです。椎名さん、ありがとうございます!(笑)

そう、この二冊のおまけ漫画は、どちらも充実していてラブラブで、幸せ気分になれました♪
本文の甘さはひかえめで、おまけ漫画で後日談的に甘さを補ってもらうスタイルが、このシリーズにはちょうどいいのかもしれない…とか思ってしまいました。(笑)

シリーズをここまで読んでくると、椎名咲月さんのほどよくさらっとしたかわいらしいこの絵にも、かなり愛着がわいてきました…。お話ともよく合っていると思います。
シリウスとイリアティーヌは、ビジュアル的にも特にお気に入りのふたりです。月の女神まさにそのものの美貌のイリアティーヌも、落ちついたちょっと影のある端正さを持つシリウスも素敵なのです。


この次の小田菜摘さん作品は、世界観は同じでも別なシリーズみたいですね。
読んでみようかどうしようか、ちょっと考え中です(笑)。でも突然読み始めるかも(笑)。

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カテゴリ: コバルト文庫

タグ: 小田菜摘 

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