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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『キスよりも遠く、触れるには近すぎて ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』青木 祐子 

キスよりも遠く、触れるには近すぎて ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ)キスよりも遠く、触れるには近すぎて ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ)
(2011/09/01)
青木 祐子

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『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』シリーズ、24冊目。今回はシリーズ4冊目の短編集。
ジャレッド初登場の謎めいたお話『七日目の憂鬱』、離れた場所に住む恋人ふたり・クリスとシャーロックの不器用、でもしあわせな愛のエピソード『キスよりも遠く、触れるには近すぎて』、シャーロックの従僕・アントニーの献身的な日常のひとこま『彼の懐中時計』、シャーロックの両親の出逢いのエピソード『石の王子と花姫の結婚』、計四編を収録。


三か月連続刊行その他嬉しすぎる予定に、幸せすぎて今からすっかり舞い上がっている私ですが…(笑)。
ひとまず、今月の新刊は、短編集ですね。
『七日目の憂鬱』と『キスよりも遠く~』の二編は、私は雑誌で読んでいたので、今回は再読になりました。
特に表題作、私はとても好きで好きで、数え切れないほど読み返してきたお話なので、文庫に収録されてよりたくさんの方とお話を共有できるようになって、とても嬉しいです♪
書き下ろし二編も、どちらも素敵でした!

追記でネタばれ語り感想を書く前に、私のブログでもひとつ宣伝を。
青木先生のブログにて現在、キャラクター人気投票が行われています。
期間は10月7日までのようですので、もしご存じなかったという方がいらっしゃいましたら、ぜひぜひ♪(まあ、私のこの記事を読んでくださっているような方なら、とっくにチェック済みなのだとは思いますが…。笑)
ちなみに私も、すでにこっそり投票させていただきました(笑)。

~まわり道の回想~

表紙、やっぱり今回も素敵ですねえ。
向かい合うクリスとシャーリーの距離感が絶妙で、青木先生のブログの説明を読みつつ眺めていると、非常にときめきます(笑)。クリスを見つめるシャーリーの色っぽい表情が何とも…(笑)。
色とりどりな星も、ポップでかわいらしい。懐中時計やポットやカップ、手紙がさりげなく背景に描きこまれているのも素敵。
あきさん、芸が細かいです。素晴らしい。
登場人物紹介も、ちょっとリニューアルしてましたね!


以下、各話ごとに。
『七日目の憂鬱』
ジャレッド初登場、想いを打ち明け合ったばかりの頃のクリスとシャーロックのお話。
このお話は、正直雑誌で最初に読んでいた時は、複雑でいまいちよく理解できてなかったです(汗)。今も完全には理解できてない気が(笑)。
なんてややこしい男なんでしょうジャレッド…。彼の本音が全然つかめずに混乱しました。
クリスはもちろん、セシリアとマーロンも振り回されていてちょっと気の毒。
とにかくこのお話は、シャーロックに誤解されて落ち込むクリスが気の毒で、それが一番印象に残っていました。
そしてラストのシャーロックとジャレッドの、ある意味今までのお話すべてをひっくり返すような種明かしにもびっくりしました。
シャーリー、単に嫉妬してるだけじゃなくて、ちゃんとジャレッドの正体に気づけた辺りが、やっぱりすごいなあと思います。
そしてジャレッドはそれでも、セシリアのこと、本当に好きではあったんですよね。そう思うとやっぱり単純には腹を立てられない…。ややこしい(苦笑)。

クリスも、あの男に好意を抱いているのか、俺に対するほどではないとしても。 (59頁)
―弱気に悩みつつも、その自信は一体…。

もちろん、本気で思っている。クリスを甘くみないほうがいい。
『薔薇色』はいつだって恋する女性の味方で、男のことなんてまるで考えてくれやしない。 (81頁)
―うーん、シャーロックの本音がちょっと気の毒ではあります…(苦笑)。


『キスよりも遠く、触れるには近すぎて』
『宵の明け星』と『追憶の糸』の間あたりの、遠距離恋愛中のクリスとシャーロックのひとこま。
今読んでもラブラブで非常に美味しいですけれど、私はこのお話『月の降る城』と同時期に読んだので、甘さに飢えていた身としては本当に嬉しいものでした(笑)。
当時の感想はブログにも書いてあるので、こちらを。

今回は、一年前今ほど勇気を出せなくて書くのを遠慮していた(笑)、主にシャーリーへの突っ込みその他色々を、適当にひろいだして書いてみますね。

「わかりました。でも、どうしてですか?」(クリス)
「理由を言う必要があるのでしょうか。自分で考えてください。」(シャーリー) (101頁)
―何かしらその命令口調。シャーリーおかしすぎる…。何度読んでも吹き出してしまいます。

「……でも、男っていったって、ロビーさんなんだけど」
「そういうことは、ロビーに言わないほうがいいわよ。かわいそうだから」 (104頁)
―クリスも結構ひどいです。

「――この間、一緒にいたのは、この人だったよね?」
ロビーの声に、クリスははっとして顔をあげる。思わず見惚れてしてしまっていたのである。 (106頁)
―新聞の写真にまで自分に見惚れてくれる恋人の一途さやかわいらしさを、シャーリーはもっと意識するべきだと思います。
きちんとした写真を早く贈ってあげた方がいいですよ!当時のシャーリーへアドバイスしたくなります。

クリスは、仕事と俺と、どっちが大事なんだ!
……仕事だったりして……。 (111頁)
―恋に悩めるシャーリーのおかしさここに極まれり、というか。

これまでつきあったどんな女性だって、俺のきげんを損ねまいとして必死になっていた。
クリスもたまには(たまには、でいい。普段はいまのままがいい)、俺をつなぎとめようと努力するべきだ。 (112頁)
―かっこの中のシャーリーの惚れ負けぶりがいとしくてなりません(笑)。あきらめたほうがいいよね、もう(笑)。

「パメラが、あなたが彼に嫉妬しているとか、わたしを信用していなくて、しばりつけようとしているのではないか、などと言うのですが、そんなことはないですよね。」 (115頁)
―手紙のこの文章を読んだときのシャーリーの心境を想像すると…!(笑)
109頁から117頁のシャーロックの独白と手紙のやりとりは、上手く抜きだせないけれど、すべてが面白すぎてお気に入りです(笑)。
特に最後のクリスの手紙、なんというタイミングの悪さ。
振り回されるアントニーも気の毒に…。

ということは、今日は、仕事を終えて屋敷に戻るとクリスが待っている、という状態になるわけである……。
それはそれで悪くない。
いや、かなりいい。
理想的だ。安らぐ。早く帰りたい。 (128頁)
―この三段階が楽しすぎ。
シャーリー、しあわせだなあ…(笑)。アントニー良い従僕すぎます。

「お帰りになってしまったら、私が叱られます……」
「え、そうなんですか?」
「い、いえ、いまのはひとりごとで……どうしてもですか?」 (140頁)
―アントニーの良い人っぷりにどうしようもなく笑えます、ごめんねアントニー!(笑)

シャーロックは分厚い書類が入った革のかばんを扉の前に置いて、入り口を固めた。
これで車掌はむやみに入ってこない。
進行方向へ向かって、クリスは窓際、俺はその隣。完璧だ。 (142頁)
―小学生か中学生の遠足の席順決めなのか!と思わず突っ込みたくなるんですが私だけ?
「完璧だ」って何がなのよ…だめだ、笑いがとまらない…。
そして話の筋に関係ありませんが、アントニーが買ってきた軽食って一体何だったのかが地味に気になる、食いしん坊な私。

…で、でもね、きちんと格好良いシーンもあったんですよねシャーロック。

ロビーは、少しうろたえたように尋ねる。
「――本気で恋人だとか、言うんじゃないでしょうね?あなたみたいな人が、まさか」
「自分が好きになった女を、もっと評価したらどうだ?」 (132頁)
―以前の感想にも書きましたが、このあたりのやりとりを読んでいると、ロビーさんがシャーリーに負けてしまうのは、まあ仕方がないかな…と思えてしまいます。
クリスへの愛のかたちが、真っすぐでゆるぎなくて本当に美しいです。
逆もしかり、ですよね。


『彼の懐中時計』
『キスよりも~』と連続して読むと、アントニーの献身っぷりがひしひしと伝わってきて、思いきり肩入れして応援してしまいます(笑)。
もはやシャーリーと切り離しては考えられなくなってきた、忠実で有能で心優しい従僕、アントニー。

すべてはシャーロックさまのためにひたすらお仕えしているんですが、至る所でさりげなくシャーリーに失礼なうっかり発言をしている(心の中のみも含む)のが…、味ですね。
いや、アントニーの言ってることは、すべて事実なんですけどね!
そして今回も、シャーリーにローストビーフを食べさせようと健気に努力しているアントニー、ますます株が上がりますよ(笑)。
相手への好意がめぐりめぐってラストにアントニーへのご褒美にいきついた、という短いストーリー、ほのぼの心温まってとても良かったです。

やっとひと休み、と思ったら次はエドさまか…。脱力。
本当、明日もがんばれ、アントニー!

後、ブリジットやクラウドさんもちらりと登場していて嬉しかったです。
クリスも本当に美人で優しくて素敵だなあ。シャーリーが浮かれる気持ちも分かる、分かりますよ(笑)。


しかし、ほんの数行でも、クリスからの愛情のこもった手紙があれば、ごまかせ……いや、シャーロックの気持ちも落ち着くだろう。 (155頁)
―良く分かっているじゃないアントニー。さすが!
アントニー、シャーロックのお守役みたいだな…。

こんなに寛容でなければ、シャーロックとつきあえるわけもない。 (167頁)
―身も蓋もありませんが、確かにねえ(笑)。

「もちろんです。シャーロックさまは怒りっぽいけど、あれで、けっこう優しいんですから」
思わず口がすべったが、クリスにとっては当然のことだったらしい。クリスは、おかしそうにほほえんだ。 (168頁)
―ここのアントニーとクリスのやりとりは、すべてを承知している(笑)クリスのほほえみ込みで、ほのぼのお気に入りです。


『石の王子と花姫の結婚』
アルフさんとソフィアさん、出逢いから始まる過去のお話。
若い時代のアルフさん、こんな人だったんですね…。女性に慣れているようで、肝心の所は慣れてないと言うか、不器用。
それにしてもこの初対面は、他のお話でもそうそうお目に書かれない最悪なタイミングですね…よくこれで進展がありましたね(苦笑)。ソフィアさまの素直さと天然さがすてき。
そしてソフィアさま、気にするのはどこまでも胸のことなのね…。気持ちは確かによく分かりますが、読んでいておかしくて和みました(笑)。
ソフィアさまとセシルさまの仲良し姉妹のやりとりもお気に入り。セシルさま、確かにリルちゃんのおかあさまです(笑)。

ふたりの手紙のやり取りは…アルフさんは、まさにシャーリーの父親でした。あちらこちらで、どこかで見覚えのあるやりとりが(笑)。
ソフィアさまの一行の手紙に、あわてて訂正して言い訳を書きつづっているアルフさんが楽しすぎます(笑)。
それでもソフィアさまは、分かりやすくやきもちを焼いてくれるからまだいいのかも。クリスは…難しい子ですよね(苦笑)。頑張れシャーリー。
確かにこの手紙、シャーリーがこの先目にする機会があったら、微妙な気持ちになるだろうな。おとうさん…。

ラストのやりとりを読んでいると、クリスとシャーリーのふたりの未来、またぐっと明るさを増した感じが。

あ、そういえば、ジャレッドのご両親らしき方々の写真が出てきましたね!それ以上は分からなかったので、ますます気になります…。


最後のあきさんのおまけ漫画、今回も笑わせてもらえました。
アルフさん…そうですか、クリスは不思議ちゃんですか…(笑)。
シャーロックの45度の手の角度が、妙につぼにはまって見るたび吹き出してしまいます…。
こうしてみると、アルフさんとシャーリーは間違いなく血のつながった親子だなあ。顔の作りも雰囲気も(笑)。


後、初回限定の「真夜中の恋文」。
シャーリー並みに読み返しているかも私。その内傷んで長期保存できなくなる予感が…。
次の手紙のシャーリーが楽しみです…ある程度内容の予想はつくけれど、だからこそ楽しいんです!読みたいんですよ!(笑)


今回は、表題作の感想はすでに書いてあったので、その分記事のボリュームは少なくなるだろうと思って、ここ最近のおまけ感想的な内容も、ひとつの記事にまとめようと努力してみたんですが…、やっぱり、長文化は避けられませんでした(笑)。
シャーリーとアントニーの主従、突っ込みどころがありすぎるんです。ますます愛おしくなってきました…。

今回の思いつくまま長文感想も、この最後まで読んでくださったあなたさま、本当にありがとうございました♪

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カテゴリ: 『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』シリーズ

タグ: ヴィクトリアン・ローズ・テーラー  青木祐子 

この記事に対するコメント

このシリーズ、少しずつ揃えています。数が多くて順番が分からないのですが・・・
あき先生の絵に惹かれて買ったのですが、キャラクターも物語も素敵ですよね!!
早く全巻そろえたいです。

URL | らびと #-
2011/09/07 21:46 * 編集 *

Re: タイトルなし

>らびとさん
コメントありがとうございます。

はい、このシリーズは私もう本当に大好きです!らびとさんも読んでいらっしゃるんですね、嬉しい(笑)。
確かに、シリーズの巻数表示がないのはちょっと分かりにくいですよね…。私はまだそれほど出ていなかったころにはまってそれ以降はリアルタイムで一冊一冊そろえてきたので、特に不便は感じないのですが(笑)。
あき先生のイラスト、素敵ですよねえ!お話と絵の組み合わせが絶妙だと新刊を手に取るたびにしみじみ思います…。
らびとさんのペースで、ぜひシリーズ続刊も読んでみてくださいね!シリーズが進むごとに深まっていくクリスとシャーロックのラブラブは、うっとりするほど素敵で楽しいですよ(笑)。

URL | fallclover #SvKcs0as
2011/09/09 11:05 * 編集 *

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