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『自負と偏見』J. オースティン 

自負と偏見 (新潮文庫)自負と偏見 (新潮文庫)
(1997/08)
J. オースティン

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イギリスの田舎町、五人姉妹のベネット家の隣に、青年紳士ピングリーが引っ越してくる。
温和で美しい長女ジェーンと才気あふれる次女エリザベス、そして快活なピングリーとその親友で気難し屋のダーシー。
エリザベスは当初ダーシーを高慢で鼻もちならない男と考えていたが、彼の美質に次第に気づきはじめて……。
二組の恋の行方と日常を鋭い観察眼とユーモアで見事に描写した名作。


海外の作家さんの名作小説、久しぶりに読みました。
ええとですね、『キスよりも遠く、触れるには近すぎて』に収録されていた「石の王子と花姫の結婚」を読んでいたら、あんな感じの英国紳士淑女のロマンスを、もっと読みたくなってきたのです(笑)。
この『自負と偏見』は、昔の『活字倶楽部』で紹介されていたときから地味に気になっていてそれでも未読だったのですが、何年もたった今になって、ようやく手に入れてきて読んでみました。

『自負と偏見』というタイトルのおかたさと、文庫本の分厚さに、少々びくびくしつつ読み始めたのですが。
最初こそ淡々としたお話だなあと思いつつ読んでいたのですが、いつの間にか頁をめくる手が、止まらなくなっているよ。特別ドラマティックな展開が続くわけでもなくひたすら日常の延長線のお話なのに、あれ、おかしいな…(笑)。
四日間かけて、ひと息に読み切ってしまいました。特に、例のリディアの駆け落ち事件からは一気読み。
読んでいる間、とにかくお話の面白さに、いたるところで頬がゆるむのがおさえられませんでした。
訳が古いせいもあるのかところどころ読むのに難しい箇所もありましたが、そこは雰囲気で(笑)。

何より何より、エリザベスとダーシーのラブコメが、楽しすぎてもう(笑)。
最初の方でエリザベスにうっかり惹かれ始めているダーシーも微笑ましかったし、それ以降の展開も、君はどれだけエリザベス好きなのよ、ってね(笑)。
ダーシーの心情がおもてに書かれている部分はそんなにないんですが、だからこそその少しの部分がよけいに楽しめると言うか。

最初は本当に偉そうだった彼の態度がだんだんほどけていく過程が、読んでいて好き。
ペムバリーで再会したとき、彼の態度の変化に私もエリザベス共々???だったのですが……、ラストのお互いの気持ちの告白までたどりついて、そういうことだったのね!
私ってこういう、ヒロインによってヒーローがー改心(?)して好感が持てる青年になっていく展開のお話、好きだよなあ。

そりゃ、なんとかあなたを幸福にして差し上げたい一心から、ほかのことにも、つい力が入ったということはあるでしょう。そこまでは別に否定しません。
だが、それにしても、あなたのお家の方にですよ、ぼくは恩義をかけたつもりなど毛頭ない。
そりゃ、敬意ははらってますよ、だが、ぼくの考えていたのは、あなたひとり、あなただけですよ (556頁)

―ここ、読んでいてお気に入りなんです。
愛の力は偉大ですね(笑)。

ダーシー側だけではなく、エリザベスの方も、偏見を持ってまっすぐ物が見られなかったり欠点も持ちあわせているヒロインで、それがダーシーとの関わりあいによって自分の非を認めて変わっていく過程も、読んでいて良かったです。賢くてぽんぽん物を言うヒロインですが、なんだかんだで恋にも謙虚な彼女が好きです。
文句をつけにきたキャサリン夫人とのやりとり、エリザベスらしいなあ、格好良くて素敵…と思いつつ読んでいたのですが、まさかそういう展開につながるとは!やっぱりエリザベスとダーシーは、お似合いのカップルだなあとしみじみしました。
ジェーンとエリザベスの仲良し姉妹の描写も読んでいて好きです。

他でも書かれていることですが、この作品に出てくる登場人物たちは、どんな立場の人でも、皆何かしらの欠点を持ち合わせていて。いかにも良い人同士のカップル、ピングリーとジェーンだってそうですし。
でもそれがかえって生身の人間として身近に感じられて、読み込むごとに味が出てきて良いです。

他の登場人物たちも、ユーモアたっぷりに書かれていて、楽しいんですよねえ!
いや、一回目に読んでいた時は、エリザベスに感情移入して読んでいっていたので、ミセス・ベネットやミスター・コリンズやウィカムや、正直いらいらし通しでしたが…、ラストまでたどり着いてしまえば(というか、エリザベスの幸せが確定されれば)、まあこの人たちの欠点も、なんだかんだで愛おしいじゃありませんか(笑)。
ミセス・ベネットは愛すべきママですよね。自分の身内にいたら絶対いやですけど(笑)。
そしてそんな彼女と分かっていて結婚したミスター・ベネットも、ちょっと良く分からないパパだわ……。いつも結局何がしたいのかよく分からない。エリザベスが子どもたちの中で一番のお気に入りと言うことは分かったけれど(笑)。
ジェーンとエリザベスの下の姉妹三人も、おお、すごいですよね……。特にメアリーは痛いなあ(苦笑)。でもラストではそれなりに救いがある書かれ方をしてあって、よかったです。

ミス・ピングリー、意地悪な人というイメージでしたが、でも彼女の心情を思うと気の毒ではありますね。
最初の方のダーシーへあれこれやっている様子が、涙ぐましかった…(笑)。
後は私、ミス・ルーカス(シャーロット)がお気に入りの脇役でした。
彼女があの結婚を選択した気持ち、エリザベスと違って今の私には普通に受け入れられてしまったところが、私も年を取ったということかなあ、とか思ったり……でも確かにあのコリンズさんでは不安ではありますけど(笑)。
ミス・ダーシーは普通にとてもかわいいお嬢さんですね。確かにエリザベスとは相性良さそう。


なんというか、『活字倶楽部』でピックアップされていた理由が、読み終えて納得できました(笑)。
うん、本当に面白かったなあ。この作者さんの作品は他にもあるようなので、次も読んでみたいです。どれが良いのかな(笑)。


ここ数日の間にそれぞれの記事に拍手下さった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: 日常のお話

タグ: オースティン 

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