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『千歳ヲチコチ 第1巻』D.キッサン 

千歳ヲチコチ 1巻 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)千歳ヲチコチ 1巻 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
(2011/09/24)
D.キッサン

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時は千年の昔、平安時代。
少々風変わりなセンスを持つ姫君・チコと、若くして世を悟ったような風情の貴族の御曹司・亨。
同じ都に住みながら接点のない生活をおくるふたりは、ある偶然から、お互いのことを全く知らぬままに、文を交わすことに……。

日本史もの、平安時代もの大好きな私が、店頭の新刊コーナーで見かけて購入してきた一冊。
はじめて作家さんの作品です。出版社も私的にあまり馴染みがない…。
表紙イラストの馴染みやすいかわいらしさと、私好みっぽいあらすじに惹かれて、ちょっと冒険気分で購入しました。

読み始めてみて、なるほどこれは、なんちゃって平安もの漫画(←他に上手い表現を思いつかなかった)なのですね!
キャラクターの言葉遣いやちょっとしたネタの数々は、常に流行遅れの私にもときどきついていけないほど(笑)、現代そのもので。
それなのに、しっかりとした「平安時代もの」漫画として、最後まで安定して楽しめました。すごい(笑)。
平安時代の風俗や価値観のあれこれ、さりげなくきちんと調べられて描かれているのだろうな…というのが読んでいて伝わってきて、平安時代好きにはたまらなかったです。
そういう平安時代っぽい雰囲気をお気楽に勉強するのにも良いかもしれません、この漫画。

中身の絵も表紙の絵のイメージそのままで、馴染みやすい程よいかわいらしさが良かったです。現代っぽさも程よい感じで混ざっていて。
私個人的にはもう少し古風な感じでも好きなんですが、『うた恋い。』とか、今の流行りはこれくらいなのかなあ…。
何気ない小物までさりげなく雰囲気あって素敵でした。
表紙をめくると現れるカラーイラストが、なんとも渋い色合いで美しくて格好良いです。

お話ですが、なんといっても、主人公ふたりがとても私好みのキャラだったのが良かったです!(笑)
ヒロインのチコちゃんは、世間とずれた価値観や性格の持ち主、でもとても純情で心優しい女の子。虫の気持ちを思って歌を詠むところとか、なんとなく『虫愛ずる姫君』を思い出してしまいました。
自分の性格や容姿を自分で分かっていて友人と比べて劣等感を持っているのも、ちょっと共感してしまって良かったです。
現代の私たちから見れば劣等感を持つところじゃないんですけれど(むしろぱっちりつり目がちなところがなんともかわいらしい)、平安時代の美人は、黒髪の下ぶくれ顔ですからね…。そしてやっぱり、歌も器用に詠みこなさないといけないんですよね…。

そして、そんなチコちゃんの歌を偶然手に入れて読むことになった、ヒーローの亨くんも、なかなか好感を持てる男の子でした。
あくまで真面目で勉強家で、同年代の貴公子たちと比べて恋愛には淡白、それでもマイペースさを崩さずにそれなりに仲良くお付き合いしていて。うんうん、私好み(笑)。
淡々と無表情なのもかわいい。
チコちゃんのあの歌をあそこまで読み込んでくれるなんて、すばらしいです!
「天女の衣のように私の心をとらえました」なんて、ロマンティックじゃないですか(笑)。

そんないかにもお似合いっぽい雰囲気のふたり、さてどんな進展があるのかとどきどきして読んでいきましたが…、あれれ、この巻では結局、それ以降は何もありませんでした(笑)。期待していただけに、ちょっと肩すかし(苦笑)。
これは、次回期待ということで、いいんですよね。ね!

接点はないままにも、チコちゃんと亨くんとそれぞれの周囲の人間が織りなす日常生活が交互に描かれていて、それも楽しかったです。
チコちゃんサイドでは、チコちゃんの親友のナリちゃんこと登姫さま、女房の長山に乳母の仙河、それぞれ個性が際立っていて、みんな仲良くきゃいきゃいやってる雰囲気が良かったです。
特に仙河、お姫さまの乳母がこんなにさばけた性格してるお話ってあまり読んだことがなかったので、新鮮でした…。長山さんとのバトルも楽しい。長山さんも良い性格してますねー。強いし。
チコちゃんの髪を洗う場面とか、「へええ、お姫さまの洗髪ってこんな風にやってるんだ…」みたいに興味深々でした。

宮仕えをはじめたナリちゃんが持ちかえってきた宮中の五節の姫エピソードも、すごく面白かったです。
五節の舞姫・オーディション!(笑)
舞姫の選定役・典侍さまが、怖かったけれどかなり格好いいひと。オーディション終了後の優しさに惚れ込みました(笑)。
選ばれた女の子たちがまたかわいかったのですよー。下ぶくれ顔の美人ちゃんで(笑)。肝がすわってるところもいいな。

亨くんサイドでは、お父さんがとにかく良い性格してる…。何でしょうこのエネルギッシュな面白いおじさま。家族サービスすごすぎです。
正妻の亨くんのお母さんの他にもお妾さんが何人かいらっしゃって、当の正妻が主催する彼女たちの交流会にも和みました。お父さんも含めた関係が、湿っぽさがなくてなんとも楽しい。
なんだかんだでお父さんのノリに付き合ったりするあたり、さすが奥さんだなあという場面もあったりして。

怨霊エピソードも楽しかったです。
チコちゃんの手紙で解決策を思いついた亨もよかったし、とっさに恋歌を詠む名人・サリー(佐理)も素敵でした(笑)。妙にかわいげのある怨霊だったな…。
先生(仙河の兄上…なるほど)も、独特の迫力があるけれどしっかり有能な頼れる人で、好きでした。こういう人について学べるのは、幸せなことなんだろうな。


軽いノリで楽しめる、現代風・平安時代もの漫画として、とても良かったです。
ラブロマンス好きな私としてはやっぱり、チコちゃんと亨くんの今後が一番気になるので…。次巻ではどうか、進展がありますように!(笑)


昨日それぞれの記事に拍手下さった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: 漫画・その他の出版社

タグ: D・キッサン 

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