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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『恋のドレスと花ひらく淑女』おまけ感想 

実はまだ読み返しています、『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』の新刊と雑誌。
今回は雑誌の感想も書きましたし、青木先生のブログの人気投票でかなり楽しませてもらいましたし、本編の長文感想(→こちら)だけで、もういつものおまけ感想はいいかなあ…と思っていたのですが。
ふと気が付いたら書きはじめていて、書きはじめたらとまらなくなりました…。あ、あれ。

という訳で、追記以下はいつものように、お気に入りのシーン・台詞集、突っ込み集っぽいものをずらずらと抜き出してみたものです。
書いていて私は本当に楽しかったですが、とても自己満足記事なので、みなさんが読んで面白いかどうかは、どうでしょう(笑)。
というか、くどいですよね(汗)。いつものことですけどね。
それだけこのシリーズ大好きだということで、ひとつ、許して下さい。
あ、もちろんネタばれということで。


ひとまず今回は、本編から頁の順番通りにさっくりと。
本体の感想に書いてしまったお気に入りの台詞もあったりしたので、それは適当に省略したりしてます。

パメラがこの世でいちばんきらいなのは偉そうな男だが、イアンはそんなところがまったくない。 (26頁)

クリスは偉そうな男が好きなのだ。偉そうで、美しくて、実は優しい男が。 (29頁)

―相変わらずパメラ、シャーロックにはばっさりで(笑)。
それでもシャーリーのこと、「実は優しい」ときちんと認めてはいるところが、好きよ。
それにしても、親友同士で正反対の紳士を好きになったものですね、クリスとパメラは。

あんな鈍感男でも、クリスを安心させられるのだ。 (28頁)

―やっぱりばっさり…(笑)。

「俺を好きか?」
いきなりだったが、クリスはもう慣れていた。 (68頁)

―どういう慣れですか(笑)。

「シャーリー……どうしても、毎晩、ローストビーフ?」
クリスは思い切って、口に出した。
シャーロックはふりかえり、尋ね返した。
「朝食の方がいいか?」
「あ……そういう意味じゃなくて」
クリスは口ごもった。
クリスとシャーロックにはまだ、分かりあえない部分がたくさんある、と思う。 (73頁)

―私的に、今回のお話で一番面白かった部分かも。
どれだけローストビーフ好きなのシャーリー…。というか、当時の上流階級のひとたちは皆そんなにローストビーフ好きだったりするのでしょうか?
新婚生活をおくるさい、クリスが一番とまどうのは、案外この辺りだったりして。
食べ物の好みって結構大切ですよね!(笑)

何か言ってやった方がいいのだろうが、シャーロックは本来、こういった、結論の出ない繰り言が苦手なのである。 (96頁)

―女性たちのおしゃべりにはいつもうんざりしていたシャーリーですからね…。
それでも愛するクリスのためには一生懸命聞いてあげているのが、なんともいとしい。

横柄な夫にはなれそうにない、と思った。 (98頁)

―あ、もう自分でも分かっているのね(笑)。

「わたしはママとは違うわ。シャーリーが完璧な人間じゃないって知ってるもの。
鈍いし、勝手だし、ときどき偉そうだし、強すぎてもろいところだってある。
誰にも分からないわよ。分かってもらいたくないわ。
シャーリーはママのものじゃない。わたしの夫なんだから!」 (145頁)

―本編の感想にも書いた部分ですが、クリスのこんなに激しい台詞ははじめてです…。
シャーリーのだめなところを容赦なく挙げて、最後の殺し文句(笑)が素敵過ぎです。

アイリスは、笑った。
慈愛に満ちた笑み。してやられた。すべては演技だったのだ。アイリスはジャレッドを試した。
「殺せ。どうせ私は死人だ。」
「死人にそそのかされるほど落ちぶれちゃいない」
ジャレッドは負けを認めて言い捨てると、甲板から離れた。 (170頁)

―あのジャレッドが、まさか言い負かされるとは。アイリス、すごすぎる…。
やっぱりアイリスにはまだ完全な好意を持てない私ですが、なんだか彼女のこと、見直してしまいました。色々。

クリスはシャーロックがいなくても生きていけるし、シャーロックが誰かと結婚していれば、クリスが別れを切りだしたり(切りだすわけないが!)、ほかの男がクリスを好きになっても、文句を言えないではないか。……絶対に言うが。 (173頁)

―いや、仮にそんな事態になったとしたら(もちろん絶対いやですが)、クリスの幸せを思うなら、文句言っちゃだめだと思うよ…。どれだけ傲慢で嫉妬深いのよこの人。そこがかわいいんですが。

「おまえも苦労だ。……ミス・クリスティンは賢いのか、それとも無欲なだけか?」
「おそらく両方です。」 (173頁)

―ここのアルフさんとシャーリーの会話がなんだかとても好きです!
世間とどこかずれてる美女に惚れ込んで振り回される男性として、父と息子で共感の空気が……。

「親族たちの言い分について、おかあさんは何と言っているんですか?」
「私が長生きするのがいちばんの解決策だそうだ。ソフィアは楽観的すぎる」 (179頁)

―今回直接は一度も出てこなかったソフィアさんですが、このプランは印象的で和みました…。それが一番ですね!

「えーと、こういうのを選ぶときは、シャーロックさまの意見じゃなくて、ミス・クリスティンが気にいってるかどうか、ちゃんと聞いてあげてくださいね。そこが一番大事です」 (181頁)

―こんなごくごく基本的な恋愛アドバイスも、従僕の仕事の一部なんですかアントニー…。そりゃ忙しいよね。

「ジャレッドが帰ってこないと、ぼくとセシリアが職を失います。新婚の事務員を路頭に迷わすわけにはいかないでしょう。
結婚式には青い花を贈るって言ってたしね。
ジャレッドはその辺り、けっこう義理がたいんですよ」
マーロンはシャーロックの瞳を見て、さりげなく断言した。 (196頁)

―ここのシャーロックとマーロンの会話、結構好きです。
これまでのお話でも、ジャレッドと青い花の取り合わせって、ちらちら出てきたような。
『舞踏会の青』の矢車草とか。

「うん、指貫は別として」
「指貫もだめだよ。必要なら俺が買ってやる。身につける貴金属は、俺が贈ったもの以外は禁止だ、一生」
クリスは目をぱちくりさせた。
「どうして?」
「どうしてもだ」
シャーロックが不自然なほどきっぱりと言うので、クリスはなんだかおかしくなる。 (209頁)

―指貫も駄目って…。以前も指貫に嫉妬しているシャーリーを読んだことがありますが、まだ根に持っていたのかこの人…。心が狭すぎる。
でも他の場面でも言えることですが、嫉妬の感情も、彼の場合実にまっすぐで裏表なくて、そこがかわいかったりもします(笑)。

アントニーは手をとめ、シャーロックの顔を見つめた。
思い切って、口を開く。
「――実は市場で見かけました。迷ったのですが、買わなかったのです。
おふたりにローストビーフを食べていただきたいのはやまやまですが、いま達成してしまっては、ここで終了してしまいます。
ここまで来たからには、いっそ食べないことにより、もっと大きく困難な、真の願いに近づくことができるのではないかと……」 (239頁)

―アントニー、回りくどいけど(←文字を打ってて思った)いいこと言うなあ…。確かにここまできたら、ローストビーフ断ちもありですよね。気持ちはよく分かります。
これまでかわいそうなくらいローストビーフから遠ざけられてきたシャーリーだもの、あと一巻分くらい、我慢できるよね!
(ところで、アイスクリームの方は、ふたりで食べても良かったのね。よく仕入れられたなアントニー…。―221頁より)

「ミスタ・ロビーと一緒に帰ってきたのか?」
「お店で一緒になったの。たくさん買い物をしてしまって、重いので困っていたら、運んでくれるって」
「――あまりこんなことは言いたくないが……」
「とても助かったわ。パメラは厨房?お茶をいれてもらうから、少し休んだらどうかしら」
クリスはシャーロックの言葉を早口でさえぎると、ドレスをひるがえし、厨房へ向かっていった。 (256頁)

―シャーリーの小言をあっさりとかわしてしまったクリスの手際が鮮やかすぎたんですが…(笑)。
クリス、もしかして分かっててやってる?だとしたらすごいですね!もう完全にシャーリーをあしらうすべを身につけている…。若奥さまっぽくなってきました。

「約束なんていりません。帰ってきたら、私から連絡します」
アントニーはシャーロックを見つめてはっきりと言った。
優秀な使用人は、命令を待たずに自分で動くのだ。 (263頁)

―アントニー、たくましくなったなあ。しみじみ。
なんというか、パメラのことではほぼ確実に望み薄…っぽくなってきたアントニーですが、そこまでかわいそうという気分にならないのは、彼の成長ぶりを、一巻一巻ごとに見せつけられてきているせいかなあと思います。
今のアントニーならその気になれば、すばらしい女性がいくらでも見つかるんじゃないかと思うのです。(イアン先生の方は、多分パメラに世話をやいてもらわないと、駄目だろうな…。苦笑)

シャーロックは胸ポケットに手をつっこみ、そっと手をあてて、写真に触れる。
クリスの写真だ(もれなくパメラもついてくるが)。なくすのがいやなので、外で見るつもりはない。 (270頁)

―かっこの中を読み返すたびに吹き出してしまいます…。
ちょっと不憫と言うか何と言うかシャーリー…。思い出の中までも、パメラにクリスとの交際をしっかり見張られているようで。悪いことはできませんね!

「でも、理由なんて関係ないわ。客には商品を売って、お金をとらなくちゃ。
あんたたちはどう思っているか知らないけど、『薔薇色』は仕立人の顔を見にくる場所じゃありません」 (293頁)

―ああ、バーンズ夫人、本当にいいひとだ…。人情が身に染みます。
本当ならクリスのロマンスに真っ先に興味を持ちそうな人なのに、まずはお店のことを気にかけてくれていて。『舞踏会の青』でクリスに親切にしてくれたことも思い出してしまいます。ますます彼女が好きになりました。


あと、順番が前後しますが、冒頭の文章。

あなたは何一つ損なわないけれど、
たとえすべてを損なったとしても、
わたしはあなたを好きでしょう。
永遠に。

―以前にも似たようなクリスのモノローグがあって印象的だったものでしたが、本当にクリスとシャーリーらしい。愛のかたちが美しい…。
「永遠に」の部分がちょっと意味深と言うか、気になるかな。


本編はひとまず、これくらいにして。
さて、「真夜中の恋文」にうつりましょうか…。とぱらりと見返してみると、すべてが突っ込みどころじゃないですかこれ(笑)。さすがシャーリー。
加えてラブレターの愛の言葉は、抜き出すと、どうも魅力が半減するようなので…(苦笑)。
4行目~5行目、18行目~20行目とかかなりときめきます。
ラスト、追伸まできゅんきゅんします…。愛が行間からはみ出してきているよ。

もちろん、ぜんぜん気にしていませんよ。
ぼくと一緒のときほどは美味しくないだろうし、たぶん、パメラと一緒だろうしね。

―本編の感想にも書きましたが、やっぱりここが一番笑えます…。
何なのでしょうそのやせ我慢っぽい自信!パメラと一緒だって分かっているなら、わざわざ書かなくていいじゃん!


あ、あと少しだけ。
雑誌のまんが『恋のドレスと湖の王子様』にて、「わたし あなたがわたしのために怒ってくれたのが うれしかったの」というクリスの台詞があって。
侮辱されてもすぐには気づけず上手く怒れないクリスにとっては、シャーロックが彼女の分まで怒りをあらわにしてくれたことで、ふたり合わせてちょうどバランスが取れていた、ということなのかなあ…とかちらっと思ったりしました。確かに自分のために本気で怒ってくれるのは、恋人としてすごく嬉しいと思うのです。
強くて鋭いことばもゆっくり受け止めて、相手への優しさに変えてしまえるクリス、やっぱりすごく好きだなあと思ったのでした。

…なんだか何言ってるのかいまいち分かりませんが(笑)。
空夢ノート+」さまの素敵すぎる感想(→こちら)を自分の中でじっくり読み込んでいたら、色々改めて感じることがあったので、書いてみたくなったのでした(笑)。
りるさんのように上手には書けなくて、もどかしいんですが!


はい、また長くなりました。
全体を通して、とりあえずシャーリーは、みなさんに深く愛されるだけある、最高の英国紳士ですよね。色々と。

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カテゴリ: 『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』シリーズ

タグ: ヴィクトリアン・ローズ・テーラー  青木祐子 

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