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『花散らしの雨―みをつくし料理帖』高田 郁 

花散らしの雨 みをつくし料理帖花散らしの雨 みをつくし料理帖
(2009/10)
高田 郁

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『みをつくし料理帖』シリーズ、第二弾。
元飯田町に新しく暖簾を掲げた「つる屋」では、ふきという少女を下足番として雇い入れた。
早くにふた親を亡くしたふきを自らの境遇と重ねあわせて信頼をよせていく澪。
だがちょうど同じころ、神田須田町の「登龍楼」で、澪が考え出したはずの料理と全く同じものが「つる屋」より先に供されてしまうという事件がおこる。
以降も同様の事件が続き不安に感じていた澪はある日、ふきの不審な行動を目撃してしまい……。

『みをつくし料理帖』シリーズ、二巻目も読んでみました。
やはりとても楽しかったです!今回も面白くてなかなかゆっくり読むのは難しく、「一粒符―なめらか葛饅頭」の太一くんとおりょうさんの危機のお話は特に、どうなるのか心配で心配で一気読みでした。
一巻目より登場人物が増えて、にぎやかに楽しくもなり。
加えて淡い恋愛要素も混じってきて、そちら方面でも楽しめた巻でした。
もちろん澪がこしらえるご飯も、ますます美味しそう♪
電車の中で読んでいると、おなかがすいてきて困ってしまいました…(笑)。

今回の感想は、章ごとに区切って書いてみようかと思います。
もしかするとネタばれが混じっているかもしれませんのでご注意を。


「俎橋から――ほろにが蕗ご飯」
ふきちゃん初登場。
前回からのおおよその流れとあらすじで、ふきちゃんの事情はぼんやりと予想はつきましたが…、こんなことをする大人ってやっぱりいるんだなあ。やりきれなくなりました。
間者の真似ごとをさせられたふきを責めずに、自ら登龍楼に乗り込んで行った澪は、無謀だなあとちょっと思いつつも、とても格好良かったです。迫力がある。惚れ惚れしました…(笑)。
宗馬は、思っていたより食えないお人だなあ。これからの澪に何かのかたちで関わってくるのかどうか。
素のままのふきちゃんは、泣けてくるほど健気でいいこでした。かわいい…。

次から次へと出てくる春の山菜が、それはもう美味しそうでした。
やっぱりほろ苦い山菜は、てんぷらが一番ですよね!
雪の下のてんぷら、あの葉っぱってそんなに美味しいのか…。そとはさくさく、中はもっちり…。(ごくり)
ついつい話に夢中になる大人たちに、澪とふきが一緒になって「冷めてしまうから早く食べてください!」みたいなことを抗議していた場面が好きでした(笑)。
三つ葉つくしも美味しそうです。

「花散らしの雨――こぼれ梅」
タイトルがとても美しいです。「こぼれ梅」…味醂粕のことなのですか。そんなに風流な名前がついているとは知りませんでした。そしてそんなに美味しいものだとも知りませんでした(笑)。ちょっと食べてみたい…。
あさひ太夫とのひとときの再会のシーン、やさしい文章で短くも印象的に書かれていて、じーんと胸に迫るものがありました…。
彼女の運命は、これからどのようなものになっていくのか。澪の運命とどのように交わっていくのか。
予測できなくて、とても気になります。
何がどうなって彼女が今の境遇になったのかも、気になるなあ。又次さんのことも。
そういえば又次さんととっさに一芝居打った澪のシーンはちょっとどきどきしました…(笑)。澪、度胸あるねえ。

こぼれ梅も美味しそうですが、金柑の蜜煮も美味しそうです。祖父母の家に樹があって、生のまま皮からまるかじりしていた昔を思い出しました。ものすごく美味しいと言う訳でもなかったけれど(笑)、独特のさわやかな味でした。
留吉さんの味醂、実際に一瓶入手したい…。

「一粒符――なめらか葛饅頭」
いつも元気な太一くん、おりょうさんが次々と倒れてしまい、ぎりぎりの看病を必死に続ける周りの人々と一緒に、祈るような思いで先へ先へと読んでいきました…。ふたりとも助かって、本当に良かったです。一時は駄目かと真剣に思いましたもの。本当に良かった。
そういえば今まで名前を感想に書いてなかったですが、おりょうさん、またお気に入りの素敵な女性キャラクターだったので…。芳さんと同じような違うような、お母さんのあたたかさが好きです。
太一くんと澪の仲直り(?)のシーンも、幸せいっぱいでお気に入りです。
ひんやりのどごしなめらかな葛饅頭、病み上がりの子どもには本当に美味しいだろうなあ、甘さも嬉しいだろうなあ、いっぱいに想像できて。

新キャラクターのりうさんも、予想外に(笑)好きになれるおばあさまでした。たくましくて優しくて。種市さんとのコント(?)が特に楽しい(笑)。

「銀菊――忍び瓜」
大変なことを皆でひとつ乗り越えて、今回は、淡い恋の予感がふんわり漂ってきたお話でした。
最初の方で澪に恋のお話をするりうさんのシーンが好き。素敵なことを言ってくださるなありうさん。
美緒さん、今までこのシリーズには出てこなかった華やかで世間知らずなお嬢さま。はじめのうちだけはちょっとむっとしましたが、徐々にかわいらしくなってきました(笑)。世間知らずなところも誤解が解ければおかわいらしいし、純粋に恋する乙女な姿はもうたまらない(笑)。でも、上手くいかないものだなあ…。(そして伊佐三さんのことを思うとまたちょっと複雑…これは美緒さんだけのせいという訳でもないのですが…。)
そして、澪の方の想い人は、小松原さまですか。
えーと、私は正直に言いますと、今の時点では、澪には源斉先生派でございます(笑)。私、源斉先生タイプの殿方好きなんですよね本当…(笑)。
もっとも源斉先生の本当の気持ちは、いまいちはっきりしないのですが。そしてやっぱり美緒さんのことを思うと複雑なのですが…。(でもお嬢さまの美緒さんに町医者の源斉先生って、もともとの身分はともかく、彼女には申し訳ないけれど微妙に合わないような…私だけ?)
忍び瓜の名に込めた澪の恋心、ちょっぴり切ない余韻が残る読み終わりでした。

お料理の方もとても美味しそうなお話でした。
こはだ、美味しいですよね…。このしろもたまに塩焼きで食べます。小骨が多いですけど美味しい(笑)。
きゅうりとお侍さん、そんなつながりがあったとは。江戸時代って難しい…。
そしてタイトル名にもなっている「忍び瓜」がとても美味しそうです。そしてこれなら家でも普段のご飯に気軽にためせそう。
…とか思ったんですが、もうひんやりきゅうりが美味しい季節は終わりかけてますね…。ちょっと残念(苦笑)。
焼きなすもとても美味しそうでした。味を染み込ませるとたまらないですよね!


澪の成長、恋の行方など、ますます続きが楽しみなシリーズになってきました。
既刊がすでに何冊か出ているので嬉しいです!


昨日それぞれの記事に拍手下さった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: 歴史もの

タグ: 高田郁 

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