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『想い雲―みをつくし料理帖』高田 郁 

想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)
(2010/03)
高田 郁

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『みをつくし料理帖』シリーズ、第三弾。
土用の入りが近づき、暑気払いに出す料理の献立に頭を悩ませる澪。
そんなある日。戯作者・清右衛門が版元の坂村堂を連れ立って「つる家」を訪れる。
澪の料理に感心した食堂楽の坂村堂が澪の元に連れてきた料理人は、なんと、行方知れずになっている天満一兆庵の若旦那・佐兵衛と共に働いていた富三という男だった。
澪と芳は佐兵衛の行方を彼にたずねるが、彼の口から語られるのは耳を疑うような話で……。


『みをつくし料理帖』シリーズ、また読んでみました。
すでに安定の面白さがあるので一気に読んでしまうのはなんとももったいない気がしてちょっとためらうのですが、いったん読み始めてしまえば、面白くて続きが気になるので結局さくさく読み切ってしまうのでした。
特に澪の恋の行方は心憎いです(笑)。美緒さんの方の恋も気になるのですが(笑)。
そして相変わらず、読んでいると美味しそうなお料理の数々に、おなかが減ってきて困ってしまいます…。
読んでいると、私の方も美味しいお料理を作るモチベーションが上がるので(笑)、そこもなんともありがたいシリーズです。
可能ならばご飯をこしらえる前あたりの時間に読書したいものです。


それでは以下、章ごとに区切って感想を書いてみます。
ネタばれがあるかもしれませんので一応ご注意を。

「豊年星――『う』尽くし」
行方不明だった佐兵衛さんの行方に、どきどきし通しのお話でした。
佐兵衛さん、本当にそんなことやってしまったのか、なんてこと。芳さんは辛いなあ…と思いつつ読み進めていったら、真相は、ああ…。そういうことだったのね。澪と芳を巧みにだました彼には本当に憤りを覚えましたが(特にせっかく種市さんが取り戻してくれたあの簪!)、一方で佐兵衛さんの放蕩が嘘だったのが分かったのは、それはまあ、ほっとしました。行方知れずだということには変わりありませんし、ほっとしていいところかどうか分かりませんが…(汗)。でもいつか、再会できると私も信じたい。
普段気丈で凛としている芳さんの、母親としての心情がリアルにせまってきて、なんともいえないものがありました。
確かに、澪と佐兵衛さんが一緒になるのは素敵な未来ではありますよね…。私も夢に描けます。澪の気持ちがすでに他の人のものになっていなければ、なんですが。
あとは、初登場キャラクターの坂本堂さんが澪の食べ物を美味しそうに食べる様子がなんとも幸せで、読んでいて和みました。

「う」尽くしの料理、澪が色々思いついて工夫を重ねて献立にしていく辺り、なんとも楽しかったです。
私もつい一緒になって、「う」がつく食べ物で献立を作るとしたら何が良いかなあ…と読みながらひとりで考え込んでいました(笑)。澪みたいにはさっぱり思いつくことができませんでしたが(苦笑)。
鯵の卯の花和えも、梅土佐豆腐も、なんて美味しそうなの…。魚の卯の花和えって作ったことがないけれど、簡単に作れそうだし今度試してみようかな。
唐茄子(かぼちゃ)の葛ひきも美味しそうです!かぼちゃ大好き(笑)。

「想い雲――ふっくら鱧の葛叩き」
ひい、鱧ってそんなに怖い魚だったのか…(笑)。
私は鱧を食べた記憶ってないんですが、美味しいものだとときどき話に聞きます。いつか丁寧に料理された鱧を食べてみたいものだなあと、このお話を読んでいて余計に思いました。
腕をふるうシーンの澪が格好良くて素敵なのです(笑)。女の料理人をかたくなに拒絶していた伝右衛門が澪を認めたシーン、ぐっときました。
典雅って、素敵な褒め言葉だなあ。
あと、お狐さんの行列。夢まぼろしのような雰囲気の再会のシーン、なんとも美しくてあたたかくてそして切なくて、心に染みいりました…。ここではひとまず再会が叶って、本当に良かったな。

一方で、恋する乙女な美緒さんがますますかわいらしかったお話でもありました(笑)。
そして鰻も怖い魚なんですね…。それでもうざくは美味しそうです!

「花一輪――ふわり菊花雪」
登龍楼を追い出された例の料理人、あのままでは終わらないんだろうな…と思ってはいたのですが、案の定というか。卑劣な策に胸が悪くなる思いでした…。つる家の人たちの悔しい思いが読んでいてなんとも辛かった。
足を怪我させられた澪に対する皆の想いがうかがえる場面、心ぬくもりました。伊佐三さん、格好良い…(笑)。
そんな困難にもあきらめずに、けして耳に優しいものばかりでない人の助言を得つつ、自分の力で客を取り戻していった澪の姿が、また凛々しくて素敵でした。
それにしても美緒さんますます株が上がるなあ…つる家のためにあんなに本気で怒ってくれるなんて(笑)。
あと、料理で負けたら落ち込むのに、美貌で負けと言われても全然気にしないという澪も、ちょっとおかしかったです(笑)。この娘のこういうところがやっぱり好きですねえ。
駒繋ぎの花。「あれを見ると、どういうわけだか、お前さんを思い出す」…小松原さまの台詞とそれを聞く澪の気持ちにどきどきしました。

南瓜の種を炒ったおやつとか、茄子をごま油でじわじわ焼いて甘辛味噌を塗ったものとか、かますとか、山芋を浅草海苔に塗りつけて揚げたものとか、なんて美味しそうなの…(笑)。
菊の花も、あれば食卓が雅なものになりそうだなあ。素敵素敵。

「初雁――こんがり焼き柿」
ふきちゃんと健坊の姉弟にぎゅっと心をつかまれっぱなしになったお話でした…。そしてりうさんが色々と素晴らしかった。
引き離されて生活している姉弟の不憫さにも胸が痛みましたが、それでも子どもの将来を思って今はあえて離れて修業させるという選択、ああ、その通りかな、と。
あと、りうさんが澪に忠告をあくまでやわらかくさずける場面も、読んでいる私まで心がぐっと引き締まりました。
坂本堂さんも、優しいだけのお人かと思えばけしてそうではないな。ある意味罵声を投げてくるどんな人より怖いな…。それでも澪がきちんと気づいて本当にほっとしたのですが。彼女なら、ここからさらに乗り越えて成長できるのでしょう。きっと。
りうさんに自分の話を褒められて挙動不審になる清右衛門さん、ちょっとかわいかったです(笑)。
それにしても、小松原さまの正体はいかに…。もしかしてこれは、身分違いの恋になるのかな?
この前のお話を読んでいる限り、小松原さまの方も、澪のことを…。うーん、どうなんでしょう?気になりますね…。

このお話、里芋に黒胡麻餡をからめたひと品が本当に美味しそうで。これは自分でも作ってみたいなと思いました。レシピが載っていないのが残念(苦笑)。
こんがり焼き柿ももちろん美味しそうです。焼きりんごならお菓子の本にも載っているけれど、焼いた柿って想像つかないなあ、でも澪とふきちゃんが食べていた場面、本当に美味しさが伝わってきて良かったよなあ…。


個人的には、源斉先生があまり出てこなかったのが残念だった巻でしたが(笑)、全体としては大満足で読み終えました。
続きもますます心惹かれます。また読みますとも!


昨日記事に拍手下さった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: 歴史もの

タグ: 高田郁 

この記事に対するコメント

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このコメントは管理人のみ閲覧できます

 |  #
2011/10/28 17:42 * 編集 *

Re: タイトルなし

>コメントありがとうございます。

わあ、あなたさまもこの本について興味を持っていらしたとは…!嬉しいです♪
そしてお知り合いの方に先を越されてしまいましたか!それは悔しいですよね!(笑)
この作品、今わりと人気作みたいですからねー。そういうこともあるのかもしれませんね。

ですよね、こうなったら早めに入手して、お知り合いの方と盛り上がるしかないですよね!
そしてできればお時間のあるときに私の方にも感想を話しかけていただけると…とても嬉しく思います(笑)。

URL | fallclover #SvKcs0as
2011/10/30 07:21 * 編集 *

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